中古バイクのメリット・デメリット
中古バイクを買うメリットってなんでしょうか?
まず、価格が安い。これが1番だと思います。新車は価格がほぼ決まっていますが、中古バイクの価格帯は本当にピンからキリまでで、価格の選択肢も多いです。
また、安いだけじゃありません。すでに生産中止になっているバイクと出会える可能性があるのも中古を買うメリットです。また、ビンテージものや限定色など、新車市場では決して見ることができないバイクが中古市場には溢れています。
昔は中古車を探すには、足を棒にして何軒もお店を回ったり、中古バイク雑誌を丹念に読むしかありませんでしたが、今はネットですぐに見つけられるようになりました。中古車のデメリットのひとつが、ネットによって解消されたとも言えます。
ただ、やっぱり中古のデメリットは故障や不具合などのリスクでしょう。どんなに見た目がキレイでも、前のオーナーがどんな人でどんな乗り方をしてたかまではわかりません。そこで、中古車を判断するひとつの目安が走行距離です。
このバイクの寿命があとどれくらいか。それを一番簡単に知る目安が走行距離なのです。
中古バイクの走行距離・4ストか2ストか
では、バイクの寿命ってどれくらいなんでしょうか? それはエンジンの種類によって大きく左右されます。一般にだいたいの目安として、4ストロークエンジンで10万キロ、2ストロークエンジンで5万キロが限界と言われています。あくまで目安なので、これよりももっと長寿のバイクもありますし、短命のバイクもいくらでもあります。
4stエンジン
引用: https://cacaca.jp/wp-content/uploads/2015/07/ay_carele05_fig01.gif
4stエンジンとは、車と同じ4つの工程を繰り返すエンジンです。4つの工程とは、吸入、圧縮、爆発、排気です。燃費が良く、排ガスもクリーン。音も比較的小さいエンジンです。一方、パワーは弱く、重量もあります。部品が多くコストがかかっている、というデメリットもあります。
エンジン自体が汚れにくいので長寿命です。音、排ガス、燃費などのメリットがあるため、いまや多くのバイクがこの4stです。特にスクーターはほぼ全部4stだと言っていいでしょう。
2stエンジン
引用: http://www.goobike.com/learn/bike_issue/toku214/img/02_l.jpg
2stエンジンは、吸入・圧縮と爆発・膨張・排気の2工程しかありません。4stの半分の工程ですむのでパワーはありますが、音はうるさく、燃費も悪いです。エンジンオイルは常の補充しないと、燃料と一緒に燃やされて消えていきます。そのため排ガスが汚くなります。街で乗るには敬遠されるので、最近はかなり減ってきました。寿命も短く、だいたい4stの半分くらいです。
以上のように、バイクはエンジンが4stか2stで走行距離の限界が違ってきます。したがって、中古バイクは走行距離を見る前に、まずエンジンのタイプを確認しなければいけません。
中古バイクの走行距離①10000km未満
さて、ここから走行距離別で中古バイクの特徴をお伝えします。
まず1万キロ以下です。この距離だとまだ新車の2~3年落ちくらいのものが多いですね。価格も中古市場のなかでも上の方です。ニーズが一番多いのもこのクラスでしょう。
特に5000キロ以下のバイクはエンジン周りや足回り、ブレーキ周りの消耗部品に気を使う必要はありません。
基本的にあまり気に掛ける必要はありませんが、150cc以下の小型車だけはちょっと注意してください。特に、街中をチョイ乗りしていたバイクはエンジンに負担がかかっていたので、走行距離のわりに寿命が早いことがあるのです。
中古バイクの走行距離②10000~20000km
このクラスになると、消耗部品の交換が必要になってくることがあります。タイヤの摩耗具合もちゃんと見ておいたほうがいいです。このクラスになると、バルブクリアランスの調整などがチェック項目に入ります。エンジンに異音がないか確認しておきましょう。メンテナンス履歴を見るのもいいですね。
年式や排気量によってはオイル漏れの確認が必要です。必ずチェックしましょう。できればお店で少しエンジンを動かして様子を見るのをお勧めします。特にこのクラスで小さな排気量のバイクや2stエンジンを買うときは、かなり注意が必要です。
中古バイクの走行距離③20000~30000km
まず、150cc以下の小さなバイクはこの走行距離の中古はやめておいた方がいいですね。買うなら中・大型の4stに限ります。特に大型の排気量のバイクは、回転数が少ないので、まだまだ走れるものも少なくなりません。
一方でこの走行距離のクラスは価格が安いので、掘り出し物に出会う可能性もあります。もちろん、それなりの寿命ではあるので購入後のメンテナンスは欠かせません。それなりに知識があって、ある程度は自分でできる、という方なら、このクラスから探すのもいいでしょうね。
中古バイクの走行距離④30000km以上
中古バイクの選び方は、あくまで全体を見て総合体に判断しなければならず、走行距離というのはあくまで目安にすぎませんが、よほどのこだわりがないのなら、3万キロ越えはやめておいたほうがいいですね。もし買うとしたら750cc以上の大型に絞りましょう。
もちろん、オーバーホールしているとか、かなりメンテナンスをしてきた、なんていうバイクなら問題ないでしょう。ただ、あまりバイクに詳しくない人、メカニックが苦手な人は手を出さないのが無難です。
中古バイクの走行距離・スクーターは慎重に
上で何度か述べてきましたが、小型(小排気量)のバイクを中古で買うのは、ちょっと注意が必要です。回転数が多いので走行距離のわりにエンジンが頑張ってきたので、限界に近づくのが早いんです。
特に50ccのスクーターは、かなり慎重に選ばないと買った後の修理代やメンテナンス代のほうが高くつくこともあります。
また、得てしてスクーターは街中を短距離、短時間だけ乗るものですよね。エンジンをかけてすぐに止める。また書けてすぐ止める、という動かし方は、エンジンに負担なんです。中古スクーターを買うときは、走行距離は1万キロ以下。できたら5000キロ以下を目安に探してください。あまりスクーターをオーバーホールする人も少ないでしょうし。
中古バイクは走行距離よりココを見る!
中古を買うとき気を付けたいのは、走行距離よりも事故歴です。事故車だとゲンが悪い、というのもありますが、基本的にフレームが衝撃をうけているはずなので、どこかが傷んでたり、弱くなってたりする可能性があります。バイクは、極端に言えばフレームが丈夫で中の部品さえ取り換えれば、いつまででも乗れるものなんですね。逆にフレームがダメだと、どんな走行距離が短くてもそこで寿命。限界ということになります。
したがって中古を買う前に、メインフレームやスイングアーム、フロンドホーク、フレームのネック部などにキズ、凹み、塗装ハゲなどないかチェックしておいてください。そしてもしそういうものが見つかったなら、ちゃんと販売店に確認してください。
中古バイクの走行距離・エンジン以外のリスク
何度か述べましたが、走行距離はバイクの寿命を見るうえでの目安にすぎません。メンテナンスがしっかりしてあるなら、走行距離の限界はいくらでも伸びます。逆にいうと、メンテナンスがおろそかなら、走行距離上はまだまだ限界ではないように見えても、そろそろ寿命だということもあります。
もちろん購入したあとに部品を交換したりメンテナンスを施せばいい、という話ではありますが、せっかく中古を買って安くおさめたのに、後からの出費がかかれば意味がありません。
走行距離だけでみるのではなく、例えばエンジンから異音がないか、チェーンの弛みはないか、サビは浮いてないか、消耗品(ブレーキパッドなど)は大丈夫か、などなどをあくまで総合的に見て判断してください。
中古バイクの走行距離・まとめ
・中古バイクを買うとき、走行距離はあくまで目安。限界を決めるのはあくまで普段からのメンテナンスなので、全体を細かく見て買うようにしてください。
・特に小排気量バイクは、走行距離のわりにエンジンが傷んでることが多いので要注意
・最近は少なくなったけど、2stバイクも要注意。4stと比べて寿命がかなり短いです。