喉にできものができた!喉に赤いできもの・白いできものができたら、必ず早めに病院へ!
「喉に違和感があって鏡を見たら、赤い(白い)できものができていた!」そんなときは、細菌やウイルスによる喉の炎症をはじめ、何らかの病気になっている可能性があります。
喉にできる口内炎や、口蓋扁桃(扁桃腺)に老廃物がたまった濃栓など、放置しておいても問題ない場合もありますが、中には重大な病気の初期症状である場合もあります。
そこで今回は、喉に赤いできもの・白いできものができたときに考えられる病気をまとめました。
喉にできものができた!喉のできものなどの症状が長引く場合は、必ず医療機関の受診を
ただ、本記事を含めて、インターネット上の情報はあくまで一般的な話にとどまります。
また、喉の痛みや違和感は風邪のときでもよく起こるので、「とりあえず風邪薬を飲んでいれば良いだろう…」などとついつい自己判断しがちですが、なんとなくいつもと症状が違っていたり、長引いたり、どんどん悪化していく場合は、できるだけ早く病院で相談するようにしてください。
喉にできものができた!赤いできもの・白いできものなどの喉の病気は、予防も大切
そもそも喉は、空気や食べ物の通り道であると同時に、体に侵入してくる細菌やウイルスと常に戦っており、ストレスや気温の変化、体調不良などで免疫力が低下してしまうと、すぐに炎症などを起こしてしまうデリケートな場所。しゃべったり味を感じたりするのにも欠かせない重大な働きを持っています。
そんな重要な喉を守るためにも、単純なようでなかなか難しいことではありますが、普段から食生活や睡眠、ストレスなどに気を配りながら、季節の変わり目には特に注意して、うがいや手洗いを徹底しましょう。
乾燥すると喉の免疫力が低くなるため、加湿器を使うのもおすすめです。 ちょっと喉が痛いと思ったときは、強過ぎないうがい薬やトローチも使ってみてください。
喉に赤いできもの・白いできものができた!考えられる原因(1)膿栓
「痛くはないけれど、喉に白いできものができた」「喉に米粒ほどの大きさの白いものが見えている」「白や黄色っぽい色のカスが喉についている」そんなときは、濃栓(のうせん)の可能性があります。
膿栓の原因
いわゆるのどちんこの両隣にある口蓋扁桃(扁桃腺)の表面にある、細菌やウイルスから体を守る働きを持つ小さな穴に、細菌やウイルスの死骸や食べかすなどの老廃物がたまって、白い固まりになったものが濃栓と呼ばれます。
この白い固まりはとても臭いがきついため、臭い玉(くさいたま、においだま)という俗称もあります。 1mm程度の濃栓の中には、1億~2億もの細菌がいるのだとか。
痛み・発熱などがなければ、害があるわけではありません。
膿栓の治療法、対処法
濃栓を無理に取ろうとすると、扁桃に傷がつき、かえって濃栓が増える原因にもなってしまいます。
また、濃栓はつぶさないと悪臭は発生しないので、濃栓=口臭にただちにつながるわけでもありませんが、濃栓ができやすい口内環境は、口臭が起こりやすいとも言われています。
普段からうがいをして、よく噛んで口腔内を潤し、こまめに歯・舌の汚れを取ることで、通常の濃栓をかなり予防することができます。ただし、うがいはやり過ぎると常在菌まで殺してしまうため、1日4回程度にしておくのがベターです。
さらに、細菌が繁殖しやすい環境を作る口呼吸も濃栓の原因の一つなので、できるだけ鼻呼吸をするように心がけることも対処法の一つ。
口臭が気になったり、喉の違和感が続くような場合は、耳鼻科などで除去することもできますが、一回の処置ですべてが綺麗になるわけではありませんし、一回除去したとしてもまた濃栓は発生してしまうので、やはり普段から濃栓ができにくい口腔環境にしておくことが一番です。
舌の奥にある白いできものは濃栓であることが多いですが、扁桃腺や舌のがんなどの可能性もあるため、気になる場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。
喉に赤いできもの・白いできものができた!考えられる原因(2)急性咽頭炎
急性咽頭炎とは、広い意味での「喉の風邪」のこと。 鼻の奥から食道の入り口にあたる咽頭に炎症が起きた状態です。
喉の異物感・乾燥感とともに喉の突き当りが赤くなり、ものが飲み込みづらくなります。 37度以上の発熱・全身のだるさ・食欲不振・鼻水・リンパ節の膨張・筋肉痛などの症状を伴うことも。
症状が悪化すると、炎症を起こした部分に赤い顆粒状の発疹ができ、さらに悪化すると口蓋扁桃(扁桃腺)の内側が腫れたり、白いできもののように見える膿がついたりします。
この状態になると、強い痛みが喉にあらわれ、ものを飲み込むときにも痛みを伴います。
急性咽頭炎の原因
気温の変化、寝不足・疲れなどで抵抗力が落ち、細菌やウイルスが感染することが主な原因ですが、鼻炎から発症することもあります。
急性咽頭炎の治療法、対処法
まずは内科や耳鼻咽喉科へ。 一般的に、風邪をひいたときと同じ治療が行われます。
薬液の塗布や、必要に応じて、抗生剤、抗炎症剤、解熱鎮痛薬などが処方されることも。 喉の痛みが強くて水分や食事を摂れない場合は、点滴を行うこともあります。
安静にして、うがいで喉を清潔に保ち、脱水症状を起こさないように水分をこまめに摂取しましょう。 加湿器を利用して喉を保湿するのもおすすめです。
また、症状がおさまっても、喉には細菌やウイルスが残っているので、処方された薬は出された分だけきっちり飲むようにしてください。
喉に赤いできもの・白いできものができた!考えられる原因(3)慢性咽頭炎
慢性咽頭炎になった場合も、喉の不快感・軽い痛み・乾燥した感じとともに、喉の奥が赤く腫れたり、咳、喉のリンパの腫れに白苔が付くことがあります。
慢性咽頭炎の原因
急性咽頭炎をくりかえすことや、PM2.5などの大気汚染、逆流性食道炎などが原因で起こる場合が多いようです。
飲酒、タバコ、食物アレルギー、糖尿病などで、抵抗力が低下している場合にも起こりやすくなります。
慢性咽頭炎の治療法、対処法
喉の炎症尾を抑える内服薬やうがい薬を使って治療することが多いですが、他の病気が関与している場合は、その病気の治療も行います。また、炎症を起こしている原因を取り除くことも重要な対処法です。(タバコが原因なら禁煙を行うなど)
喉に赤いできもの・白いできものができた!考えられる原因(4)急性喉頭蓋炎
急性喉頭蓋炎にかかった場合でも、発熱・喉の痛み・息がしづらい・物を飲み込みにくいといった症状と合わせて、喉の奥の突き当りに赤いブツブツがが現れる場合があります。
急性喉頭蓋炎は、喉の痛み・発熱などの「喉の風邪」症状から始まりますが、窒息死する危険もある非常に恐ろしい病気です。
急性喉頭蓋炎の原因
気管と食道の分かれ道である喉頭蓋に細菌やウイルスが感染して起こります。
急性喉頭蓋炎の治療法、対処法
喉の痛みなどの他に、呼吸がしづらい、水も喉を通らない、などの症状があれば、急いで耳鼻咽喉科を受診してください。
抗生剤・抗炎症剤などの点滴に加えて、ステロイドホルモンの点滴を行う場合も。 呼吸困難によって窒息の恐れがある場合は、手術による治療も行われます。
喉に赤いできもの・白いできものができた!考えられる原因(5)けが
いわゆるのどちんこの先が赤くなるのは、何か固いものが引っかかりしたことが原因である場合があります。 腫れが強い場合は、早急に病院を訪ねてください。
喉に赤いできもの・白いできものができた!考えられる原因(6)アレルギー
喉の奥にできものがあり、喉がかゆい場合、喉にアレルギーが出ている可能性もあります。
アレルギーの原因
花粉症などの季節性アレルギー、ホコリ・カビ・ダニの死骸・ペットの毛などのハウスダストが原因の通年性アレルギー、ある生野菜や果物などが原因の口腔アレルギーなどの可能性があります。
どれも喉の粘膜でアレルギー反応が起きることで、かゆみが現れます。
口腔アレルギーの場合、ほとんどはアレルゲンとなる食べ物を食べてから1時間以内に発症します。 また、ゴム手袋などでかぶれやすい人は、バナナ・アボガド・キウイなどに反応することも。
アレルギーの治療法、対処法
まずは耳鼻科や内科などの医療機関を受診してみてください。
口腔アレルギーの場合、アレルギーを起こす原因となるアレルゲンを特定してもらうのも大切です。 特に花粉症がある人が果物などを食べて喉にかゆみが出た場合は、呼吸困難などのアナフィラシキーショックが起こる場合があるため、注意が必要です。
通年性アレルギーの場合は、お部屋の掃除や換気をこまめに行い、空気清浄機を活用すると、症状が軽くなります。
普段からうがいをよくすることも重要です。
喉に赤いできもの・白いできものができた!考えられる原因(7)急性扁桃炎
喉の奥の左右にある扁桃腺が、細菌やウイルスによって炎症を起こした状態です。 扁桃腺に炎症が起きることが原因で、のどの強い痛み、食べ物・飲み物やつばを飲み込むときの痛み、だるさ、寒気、関節痛、頭痛、39~40度にも達する高熱が出ることもあります。
悪化すると扁桃が真っ赤に腫れて、斑点状の白い膿が出ることも。
さらに症状が進むと、白い膿が扁桃全体に広がります。
急性扁桃炎の原因
健康なときは扁桃腺の免疫力が感染力を上回っているため、菌がいても炎症が起きません。しかし、からだの抵抗力が落ちると炎症が起きやすくなるようです。
急性扁桃炎の治療法、対処法
扁桃の白い膿を取ったり、抗生物質、解熱鎮痛薬、消炎剤などが処方されます。 必要に応じて点滴や入院が必要になる場合も。
急性咽頭炎と同じく、うがいをして喉を清潔に保つようにしてください。 また、症状がおさまっても、喉には細菌やウイルスが残っているので、処方された薬は出された分だけきっちり飲むようにしてください。
対処法としては、普段からよくうがいをすることが大切です。
喉に赤いできもの・白いできものができた!考えられる原因(8)慢性扁桃炎
急性扁桃炎をくりかえす状態を「慢性扁桃炎」といいます。喉に白いブツブツが付き、口臭があることも。
慢性扁桃炎の治療法、対処法
急性扁桃炎と同じく、抗生剤などの治療が必要になります。急性扁桃炎を年に3~4回以上くりかえす場合は、喉の炎症をやわらげるための手術を勧められることも。
症状がおさまっても、喉には細菌やウイルスが残っているので、処方された薬は出された分だけきっちり飲むようにしてください。
普段からできる対処法は、うがいなどです。
喉に赤いできもの・白いできものができた!考えられる原因(9)扁桃周囲膿瘍
急性扁桃炎が悪化し、扁桃のまわりに膿がたまる状態です。首の深いところに膿がたまったりすると命に関わる場合もあるため、早い段階で適切な治療を行うことが大切です。
扁桃周囲膿瘍の治療法、対処法
腫れているところを切開して膿を出したり、点滴や入院での治療を勧められる場合もあります。
喉に赤いできもの・白いできものができた!考えられる原因(10)舌がん
舌の表面に白い固まりが盛りあがるようになったり、舌に潰瘍ができた場合、舌の奥の扁桃に白い固まりができたなどは、舌がんの可能性もあります。
舌がんの治療法、対処法
がんなら、表面がざらざらした感じになり、痛み・出血もある場合が多いようです。 白い固まりが出血したり、2~3週間たっても良くならない場合は、早めに耳鼻咽喉科や歯科口腔外科などを受診してください。
喉に赤いできもの・白いできものができた!考えられる原因(11)アフタ性口内炎
口の中の粘膜にできる炎症を「口内炎」と呼びますが、その中でも最も多いのが「アフタ性口内炎」です。 アフタ性口内炎になると、赤く縁どられた2~10mm程度の白いできもの状の潰瘍ができます。
頬の内側や舌、唇の裏や歯ぐきにできやすいですが、喉の奥の方にもできることがあります。
アフタ性口内炎の原因
ストレス・疲れによる免疫力の低下、睡眠不足、ビタミンB2などの栄養不足などが考えられていますが、アフタ性口内炎の原因ははっきりわかっていません。 何らかのウイルス性の可能性もあるようです。
アフタ性口内炎の治療法、対処法
10日~2週間ほどで自然に治ることがほとんどですが、なかなか治らないとき、水も飲みにくいほど痛いとき、何度も再発するとき、範囲が広いときなどは、別の病気の可能性もあるため、早めに病院を受診してください。
喉に赤いできもの・白いできものができた!考えられる原因(12)梅毒
梅毒トレポネーマと呼ばれる細菌に感染して起こる性感染症が、梅毒です。
症状の第1期では、感染が起きた場所にしこり・潰瘍などが現れます。性器や皮膚に症状がなくても、唇・舌・喉の扁桃に症状が現れる場合がありますが、一般的にあまり痛みはないようです。
その後、症状はいったん消えてしまいますが、全身に少しずつ奥深く進行していきます。 第2期では全身に赤い発疹がでたり、性器や肛門に扁平コンジローマと呼ばれるできものが現れた後に消え、数年後の第3期では、ゴムのようなやわらかいできものが皮膚、筋肉、骨などにできます。さらに進行すると第4期になり、血管や神経が侵され、日常生活にも支障をきたす深刻な症状が現れます。
梅毒の症状が口や喉に現れることはあまり知られていないため、心あたりのある人は早めに受診をしてください。
梅毒の原因
一般的な性交だけでなく、オーラルセックスやアナルセックスなどすべての性的な接触で、粘膜や皮膚を通じて、感染する可能性があります。
梅毒の治療法、対処法
耳鼻咽喉科、皮膚科、感染症専門の科、泌尿器科、産婦人科を扱っている病院を受診してください。
口の中の菌の検査や血液検査を行った後、必要であればペニシリン系の抗菌薬の内服を行うことで治療を行うことが一般的です。
症状が消えたからといって薬を飲むのをやめると、完治せずに病気が進行してしまうので、処方された分をきっちりと飲むようにしてください。
~まとめ~ 喉に赤いできもの・白いできものができたら、病院で相談するのが一番!
喉に赤いできもの・白いできものができたら、まずは病院を訪ねるようにしてください。
インターネット上には情報が山のようにあるため概要を調べるのにはとても便利ですが、最も正確な診断は、専門知識を持つ医師による診察を受けないとわかりません。
「ただのできものだし」と放置したり、「まあ、たぶん大丈夫だろう」と自己判断をすると、のちのち重大な病気につながる可能性もあります。
検査が怖いという人もいますが、検査の苦痛をやわらげる工夫をしている病院はたくさんあります。
受診してみて問題がなければそれはそれで安心できるので、気になる症状がある人は、ぜひ早めに病院を訪ねてみてくださいね。