安室透（あむろ　とおる）は年齢29歳で金色の髪と褐色の肌のイケメンな青年です。喫茶店ポアロでアルバイトをする傍ら私立探偵という顔もあり、同じ探偵である毛利小五郎へ弟子入りもしています。人当たりが良く明るい性格で、少年探偵団の子供たちや周囲の人たちから慕われています。

『名探偵コナン』の劇場版映画「ゼロの執行人」で初登場してから彼の人気はすさまじいもので、映画公開後には通称「安室の女」を自称する女性が大量発生しました。安室達はこれまでも人気のあった『名探偵コナン』のファン層をさらに広げた立役者ともいえるでしょう。

安室達が初登場したのは『名探偵コナン』の75巻の収録されている「ウェディング・イブ」という回です。アニメでは667-668話にあたります。被害者の雇った探偵として登場しました。「プライベートアイ... 探偵ですから...」は初めて顔を現した際の有名なセリフです。

668話のラストで安室は毛利小五郎に頼み込んで弟子入りしました。弟子として付き添うようになり小五郎のことは「先生」と呼んでいます。小五郎も安室のことを紹介する時は「一番弟子」と紹介しており、小五郎の娘の蘭も親友の園子に「お父さんの一番弟子」と言っています。

表の顔として私立探偵の「安室透」を名乗り依頼をこなしています。鋭い洞察力と優れた推理力を持ち合わせていますが謙虚な姿勢は崩しません。「眠りの小五郎」の推理に憧れて弟子入りしたと語っていますが、毛利蘭には「どうしてそんなに切れる探偵なのに父の弟子なんですか？」といぶかしがられています。

喫茶店「ポアロ」のアルバイト店員としての顔も持っており、アニメではハムサンドの作り方を披露しています。料理全般が得意な様子でサンドイッチなどはプロもうなる腕前と称されており、型崩れのしないケーキの考案もしていました。手先は器用で他にもボクシングやギターの演奏、テニスなど様々な特技があります。

単行本78巻に収録の701-704話「漆黒の特急(ミステリートレイン)　[発車／隧道／交差／終点]　」でその正体が明らかになりました。世良良純や沖矢昴と共に「黒の組織」の一員である「バーボン」としての候補にあがっていましたが、このエピソードで自ら正体を明かしたのです。

バーボンは黒の組織の中で与えられているコードネームです。組織では探り屋であり、逃亡したシェリー（灰原）を追いつめる役割を担っていました。洞察力や情報収集力を組織内で高く評価されているバーボンは組織でも少なからず自由な行動を認められている切れ者です。

コナンは安室がバーボンと分かってから特に警戒するようになりますが、完全な敵とは思えない部分も見られたため不審に思っていました。一方でバーボンもコナンのことをただの小学生ではないと気づき始めている状態でした。

安室達の本名は「降谷零」といい公安警察に所属しています。本当の姿は警視庁警備局警備企画課の通称「ゼロ」と呼ばれるセクションに所属しており、日本の安全と秩序を守る仕事に従事しているのです。ちなみに警察学校時代の同期として高木先輩や伊達航、松田陣平、萩原研二などがいます。

彼は普段は私立探偵の「安室達」として過ごす傍ら、黒の組織の一員のバーボンとして潜入捜査を行なっていました。幼少期に「ゼロ」というあだ名で呼ばれており、それをコナンに明かしたことで正体に勘づかれました。

22歳で警察学校に全科目オールAという高成績で入校し、トップの成績で卒業するほどの優秀な人物です。ボクシングをはじめ、変装のうまさ、爆弾の解体やピッキング、医療技術、ドライビングテクニックなど幅広く様々な技能に長けているという器用さも持ち合わせています。

高木刑事の先輩で不慮の事故で亡くなってしまった伊達航とは警察学校時代の同期かつ同い年です。伊達は「自分の力を過信して無茶をしているのでは」と安室のことをつねに気にかけていました。安室が伊達の墓参りに訪れて冥福を願うシーンも見られています。

警備部機動隊の爆発物処理班所属だった松田陣平、萩原研二ともまた警察学校の同期でした。松田とは最初は折り合いが合わずにいましたがその後きっかけがあり信頼関係が芽生えています。萩原も零を降谷ちゃんと呼ぶなど気心しれた仲間でした。映画版で松田に爆弾処理のテクニックを教わったことが判明しています。

シェリー（灰原）の母である宮野エレーナとは安室が幼少期に通っていた「宮野医院」の女医ということもあり交流がありました。ハーフということでいじめられていた安室は、同じくハーフという共通点のあるエレーナには心を許していたようです。警察官を目指すきっかけとなったのもエレーナでした。

「ミステリートレイン」で灰原哀（変装ではありますが）に対峙した時、安室は「良く似ている」とエレーナの面影を灰原に見ています。そのためなのかバーボンとしての安室は灰原を殺さず、生かしたままで組織に引き渡そうとしていました。

赤井秀一はFBI捜査官の人間で、かつては「黒の組織」に潜入してコードネーム「ライ」を名乗っていた過去があります。その時期からバーボン（安室）とは仲間でありながらライバル関係でした。同じように公安部からスパイとして潜入していた安室の親友のスコッチを含め、3人でチームを組み組織の仕事をこなしていました。

2人の実力は拮抗しており、赤井は「敵には回したくない男の一人」と安室のことを評価しています。一方で安室も赤井の死を知っても「自分以外にあの男を殺せるはずがない」と信じようとしませんでした。すれ違いで対立してしまっていますが、お互い共に実力を認めあっていることは確かですね。

スコッチは安室と同じく黒の組織へ警視庁公安部から潜入していた諜報員です。安室とは幼なじみで警察学校でも同期、「ヒロ」「ゼロ」と呼び合うくらいの親密な中でした。享年は25～27歳となっていて、組織側に公安のスパイであることが発覚し、拳銃自殺をしています。

安室は黒の組織への潜入捜査中から元々赤井のことは良くは思っていませんでした。そして同僚であり親友でもあったスコッチの死によって、赤井がその場に居合わせていたこともあり彼のことをを憎むようになってしまいます。

スコッチの拳銃自殺後に組織側にスパイであることを悟られないよう赤井は「裏切り者は始末した」と安室に告げており、安室は「赤井がスコッチに自決を促した」と思い込みます。しかし事実は異なっており、むしろ赤井はスコッチが自決することを止めようとしていました。赤井は誤解されていることを分かっているはずですが、自分から安室の誤解を解こうとはしていません。

赤井は安室が自分を執拗に狙っているのは黒の組織に自分を引き渡して、組織内で出世しようとしているからと思っていました。しかし赤井の予想よりもはるかに深く安室に恨まれていることを知ることになります。安室は赤井のことを認めているがゆえに、親友であるスコッチの死を止めれなかったことを恨んでいるのです。

アニメの779～783話で展開されている『緋色シリーズ』は赤井と安室が激突する必見のエピソードとなっています。沖矢昴の正体はキールに殺されたように偽装して生き延びていた赤井秀一であることに気付いた安室は沖矢を問い詰めます。しかし沖矢はなかなか正体を明かすことはしません。

結果的に工藤優作が沖矢に変装するというコナンの機転によって沖矢の正体は隠し通すことができました。その後安室は部下に指示をしてジュディらFBIメンバーを人質に取ろうとしますが、彼女達の元には赤井秀一本人がおり公安を撃退しています。

劇場版映画『劇場版名探偵コナン ゼロの執行人』では正義をテーマとして描かれています。安室が警察庁の秘密組織、通称「ゼロ」に所属していることが中心になっており、毛利小五郎の無実を証明するためコナンが公安の前に立ちはだかり安室と対立をするストーリーとなっていましたね。

作中で上司である黒田管理官が安室に「報告を怠るなよ、バーボン」と言っているシーンがあり、黒の組織との何らかの関係の伏線ではないのかと話題になりました。今後本編で黒田が安室に下した指令が明らかにされることはあるのかとても気になるところです。

「なにしろ僕は彼女に雇われた･･･ プライベートアイ･･･ 探偵ですから･･･」

「静かに･･･瞑れ･･･友よ･･･」

「静かに･･･瞑れ･･･友よ･･･」

「とっとと出て行ってくれませんかねぇ･･･ 僕の日本から･･･」

「殺したい程憎んでいる男が･･･ 左利き（レフティ）なだけですから･･･」

普通の一般人だと白けてしまうようななキザっぽいセリフでも、ハイスペックでイケメンな安室透が言うとどのセリフも様になりますね。FBIと赤井秀一関連のことには人が変わったように攻撃的で殺意むき出しなセリフが多く見られます。普段人当たりがいい分、そのギャップが激しくてドキッとする視聴者も多いのではないでしょうか。

『ゼロの日常』Ver.の安室透です。不敵に微笑む表情が非常にかっこいいですね。

にこやかな表情で合格印を押す安室透の画像です。後ろには部下の風見もいてコミカルな描写となっていますね。

青山先生が監修されていることがしっかりわかる『ゼロの日常』の修正画です。ポアロの店員姿の時はこころなしか穏やかな表情ですよね、

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安室透の声優は「古谷徹（ふるや とおる）」さんが担当しています。青二プロダクションに所属で、横浜市磯子区出身、1953年7月31日生まれです。15歳で『巨人の星』の「星飛雄馬」を演じて注目を浴びました。他にも『ドラゴンボール』の「ヤムチャ」や『聖闘士星矢』の「ペガサス星矢」、『美少女戦士セーラームーン』では「地場衛 / タキシード仮面」、『機動戦士ガンダム00』の「リボンズ・アルマーク、ナレーション」や『ONE PIECE』の「サボ」など数々の声優を務めています。

安室透の名前の由来は古谷さんの代表的な役である『機動戦士ガンダム』の「アムロ・レイ」と、古谷さんの下の名前である「徹（とおる）」を組み合わせたものです。「降谷零（ふるや れい）」も「古谷（ふるや）」からきています。安室のライバルである赤井秀一の名前の由来もガンダムの「シャア・アズナブル」の通称「赤い彗星」の声優を務める「池田秀一」さんの下の名前を組み合わせたことはわりと有名な話ではないでしょうか。原作者がガンダムファンであることから、意図的なものと思われます。

爆発的に人気のある『名探偵コナン』のキャラクター、安室透のご紹介をさせていただきました。安室透という顔の他にもバーボン、降谷零という3つの顔を持っている彼の今後の活躍はものすごく楽しみですね。