【名探偵コナン】黒幕と思しき「黒の組織」とは
「名探偵コナン」は2020年4月15日に最新刊の98巻が発売され、最終回間近と言われている人気推理漫画です。中でも物語として欠かせないのがキーパーソンの黒の組織です。組織の構成員は黒い服を身にまとっており、コナンたちに呼ばれている名前です。彼らは謎に包まれた大きな犯罪組織で正式名称はわからないものの、拠点は日本だけにとどまらず、世界各国で活動しています。
未だに黒の組織の黒幕は判明していませんが、コナンや灰原哀の体を幼児化したAPTX4869という薬を独自開発していることがわかっています。「名探偵コナン」の物語の転機とも言える、APTX4869は開発段階途中でマウスを実験体として研究していた毒薬です。試作段階だった毒薬APTX4869を黒の組織の主要構成員であるジンとウォッカが悪用し、多くの人間が死亡しました。
「名探偵コナン」の作中では、ジンやウォッカのように何かしらのお酒の名前をコードネームとして与えられています。ひとりひとりに与えられる仕事は異なり、薬の研究やスナイパー、潜入など、能力に応じた役割についています。組織の黒幕であるボスは既に判明していますが、最初は一体誰が「あの方」なのか、様々な伏線から考察がされてきました。
【名探偵コナン】あの方の正体が判明!?
ここでは黒の組織の黒幕「あの方」についてネタバレを含んだ内容を紹介します。「名探偵コナン」という作品の中でも、黒の組織の黒幕が誰なのか、どんな組織なのか、物語の伏線から様々な考察がされてきました。構成員であるジンやウォッカ、ベルモットたちが話す「あの方」には、いくつかの条件があることがわかっています。たとえばベルモットがお気に入りでシェリーこと灰原哀いわく、「到底信じがたい意外な人物かもしれない」などです。
そしてついに、「名探偵コナン」の941話で黒の組織の黒幕の正体が烏丸蓮耶(からすまれんや)ということがわかりました。この烏丸蓮耶という人物の名前ですが、初めて出てきたのは219話の「集められた名探偵工藤新一VS怪盗キッド(スペシャル)」です。あらすじは毛利小五郎と蘭、コナンは「黄昏の館」の晩餐会に招待されます。そこには小五郎の他に降代、茂木、大上、郁美、白馬という探偵が招待されていました。
探偵ばかりを招いた「黄昏の館」には、館に眠る財宝を探してほしいと言う肝心の館の主は現れません。探偵たちは手紙の差出人から怪盗キッドではないかと推理します。そして、この館の主が半世紀前に謎の死を遂げた大富豪の烏丸蓮耶の別荘だとわかり、最初の殺人事件が起きてしまうのです。
【名探偵コナン】烏丸蓮耶とはいかなる人物か
「名探偵コナン」の291話「集められた名探偵」のスペシャルアニメで烏丸蓮耶という名前が挙がりました。しかし、黒の組織の黒幕の正体が発覚するまでに長い年月がかかっています。烏丸蓮耶という名が出るまで「名探偵コナン」では様々な伏線から考察されてきました。
謎に包まれた黒幕の正体がわかったのは、941話の「マリヤちゃんをさがせ!(前編)」です。黒幕とされるボスの正体とネタバレも含みますので、まだ「名探偵コナン」の漫画やアニメを観ていない方は気をつけてください。
黒幕が烏丸連邦であると分かったのは何故か
黒の組織の黒幕が烏丸蓮耶だとわかったのは、2017年12月13日に発売されたサンデーです。組織の黒幕が烏丸蓮耶であることがわかったのは工藤新一の父である優作です。17年前、羽田浩司が死亡した事件で殺害現場には手鏡が散乱していました。この手鏡には「PUT ON MASCARA」と書かれており、作為的に割られたことからダイニングメッセージとみなされました。
手鏡に書かれた「P・T・O・N」以外の「U MASCARA」から、当時コナンと赤井秀一は「RUM」と「ASACA(浅香)」の2つの単語に分けました。しかし、工藤優作は別の回答を導き出します。2つの単語に分けるのではなく、1つの単語のアナグラムと考え「CARASUMA」という答えを導き出しました。ようやく、黒の組織の黒幕が烏丸蓮耶ということが特定し、物語はいよいよ最終回へと近づいています。
既に作中に合った伏線を紹介
組織の黒幕で烏丸蓮耶がボスとわかる前、作中にはあらゆる伏線が張られていました。一つ目は組織の構成員・ピスコの死に際に放った言葉です。ピスコは「あの方に長く使えた」と言ったことで黒幕が高齢であることがわかりました。2つ目は七つの子のプッシュ音です。ベルモットがボスである「あの方」に送ったメールの際に流れた音です。「カラスなぜ鳴くのー」という童謡から烏という伏線が張ってあることがわかりました。
3つ目の有力的な伏線は羽田浩司が残したダイニングメッセージです。羽田浩二は17年前に既に死んでいるプロの将棋棋士です。なぜか、コナンが飲んだAPTX4869の人物リストに羽田浩二の名前が書かれており、謎の伏線として考察されてきました。3つの伏線から「名探偵コナン」ファンの間で、黒の組織の黒幕が烏丸蓮耶ではないかと考察されています。
【名探偵コナン】烏丸の部下である黒の組織の構成図
黒の組織のメンバーは「名探偵コナン」のアニメや映画で度々登場する主要構成員たちです。彼らは国際的な大きな犯罪集団のため、どれくらいの構成員がいるのかはわかっていません。しかし、主要な構成員たちにはお酒にちなんだコードネームが与えられます。ここでは、黒幕である烏丸蓮耶の幹部たちを紹介します。
ジン
ジンは「名探偵コナン」の1話で登場している黒の組織の幹部です。高校生探偵・工藤新一を幼児化した張本人で腰まである長い銀髪とくわえタバコ、広い黒の帽子が印象的な男性です。ジンは直接「あの方」から命令を受けることがあるほどの人物で洞察力や推理力に優れています。
性格は頭脳明晰で冷酷非情です。ときには組織の仲間でさえも疑うほど用心深く、躊躇なく銃で抹殺する人物です。そんな性格のジンでも自分が殺害した人間の顔を忘れてしまう一面を持っています。黒の組織の黒幕の烏丸蓮耶とどれくらいの関係性かは定かではありませんが、幹部として近距離にいることが考えられます。
ウォッカ
ウォッカはジンと同じ「名探偵コナン」の1話で登場した黒の組織の幹部です。ジンの相棒として共に行動しているウォッカは、運転が得意で車からバイク、戦闘ヘリまでも操縦できます。見た目は組織のトレードカラーである黒のスーツに、サングラス、深めのハットを被っています。
スラッとしたジンに比べ、大柄で江戸っ子のような言葉遣いをしているのが特徴です。性格というと、殺害した人間の名前を覚えているほど暗記力が優れています。その一方、コナンが仕掛けた罠にまんまとはまってしまうガサツな部分もあります。
ベルモット
ベルモットの初登場シーンは「名探偵コナン」の176~178話の「黒の組織との再会」です。ベルモットは黒の組織の幹部でボスが特別視している構成員です。黒幕である「あの方」に気に入られており、以前ベルモットが灰原哀ことシェリーを抹殺する回に「どうやら私はお前を自由にさせ過ぎたようだ。私の元に帰ってきておくれベルモット。」というメールが届きました。このことからも、ボスとの関係性が親しいのではないかと考えられます。
ベルモットはシャロン・ヴィンヤードという大物女優の表の顔を持っています。アカデミー賞を取るほどの人物で工藤新一の母・有希子と顔見知りの仲です。シャロンは老け顔メイクをしたベルモットの偽った姿で、現在はクリス・ヴィンヤードというシャロンの娘として表舞台に顔を出しています。老け顔メイクのシャロンは死亡したという情報を流し、娘のクリスとして母の葬儀に出席しています。
キャンティ
キャンティは黒の組織の幹部で腕利きのスナイパーです。標的のターゲットには高確率で撃ち抜くほど、組織にとっても重要な構成員です。見た目の特徴としては、左目周りにあしらったアゲハ蝶のタトゥーと眉上まで切られた前髪、紫色の口紅です。黒の組織の象徴的な黒い服を身にまとい、片手にはH&K PSG-1(8.1キログラム)というライフルを持っています。
自分のことを「あたい」と言い、過激な発言をするキャラクターです。仕事では同じスナイパーのコルンとコンビを組んでいます。キャンティはとにかく短期でかんしゃくを起こしやすい性格の持ち主です。黒の組織の黒幕である「あの方」と何かしらの関係があるベルモットをひどく恨んでいます。理由としてはカルバドスという構成員を利用し、皆殺しにしたからです。「名探偵コナン」という作中の中でも、キャンティとベルモットの仲は悪く、顔を合わせるだけで嫌な表情を浮かべます。
コルン
コルンは黒の組織の構成員でキャンティと同じ、腕利きのスナイパーです。使っているライフルはレミントンM24で、高速道路を走っている車のタイヤを命中させるほど、狙撃の腕は確かです。キャンティよりも優秀なスナイパーということもあり、組織には欠かせない人物となっています。
見た目は黒の野球帽にサングラスをかけており、どんな素顔でどんな性格なのか、わかりにくいのが特徴です。キャンティに比べ、口数が少なく、感情の起伏も穏やかです。比較的無表情でいるシーンが多いコルンですが、仲間思いな一面があり、カルバドスを利用し皆殺しにしたベルモットを嫌っています。
キール
キールが「名探偵コナン」の作中に初登場したのは、425話「ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間」です。日売テレビの大人気アナウンサー・水無伶奈として登場しています。表の顔はアナウンサーですが、実はCIAのスパイとして黒の組織に潜入中です。キールというコードネームを与えられたのにはある事件が深く関わっています。
当時、CIAだったイーサン・本堂が表の顔を隠して黒の組織に潜入します。キールは穏やかで家族思いの優しい性格です。弟の本堂瑛祐の幼少期では、白血病だった瑛祐を助けるために骨髄を提供しています。
バーボン
バーボンは「名探偵コナン」のファンの間で人気の高いキャラクターです。黒の組織の構成員として活動しながら、計4つの顔を持っている謎多き人物です。ベルモットには「組織随一の洞察力の持ち主」と言われるほど、頭脳明晰で運動神経抜群です。黒の組織としては、裏切り者のシェリーの行方を探したり、赤井秀一の情報を探ったりしています。さらに、ベルモットと黒幕であるボスに関して何かしらの情報を掴んでいる様子です。
2つ目の顔は、私立探偵の安室徹です。初登場シーンの671話「探偵達の夜想」では、探偵として推理を披露しています。見た目は色黒の金髪で高身長のイケメンです。「名探偵コナン」のファンの間でも人気があります。3つ目の顔はポアロの店員です。毛利小五郎の探偵事務所の下にある喫茶店で接客や調理を担当しています。
料理の腕前はプロ並みでポアロのサンドイッチでは、パン屋さんの職人が作り方を教えてほしいと言ってしまうほどです。4つ目は表の顔、警察庁警備局企画課に所属する公安警官です。愛する日本の国を守るため、古谷零という本来の姿を隠し、組織に潜入しています。
【名探偵コナン】黒幕である烏丸蓮耶の現在の正体は?
黒の組織の黒幕が烏丸蓮耶とわかったのは連載から23年目のことです。過去の物語には様々な伏線が張られており、黒幕の正体が大黒連太郎や円谷光彦、アガサ博士という考察が出ていました。ここでは、その3名の登場人物がなぜ黒幕だと言われていたのか、ネタバレを含んだ内容を紹介します。
大黒連太郎という存在
さっそく、大黒連太郎についてネタバレしていきます。「名探偵コナン」の物語に大黒連太郎という名前が登場したのは、222話「そして人魚はいなくなった」の事件編です。島に来た名簿の中に、大黒連太郎の名前が書いてありました。名簿には黒の組織のジンとウォッカ、そして薬の開発者シェリーの名前も書かれており、組織の黒幕ではないかと伏線がはられ考察されました。
組織の構成員であるテキーラの取引する場所が「大黒ビル」ということもあり、大黒連太郎の名前に「黒」という文字を関連付けて黒幕ではないかと言われるようになったのです。しかし、実際名前しか登場しておらず、関連性は明らかになっていません。
円谷光彦という存在
続いては円谷光彦についてネタバレしていきます。円谷光彦は帝丹小学校に通う一年生です。コナンや吉田歩美、小嶋元太、灰原哀と少年探偵団を組んでおり、小学生と思えないほどの知識を持っています。誰にでも礼儀正しく、しっかり敬語を使えるような男の子でコナンと灰原が驚くような推理力を発揮します。
光彦が黒の組織の黒幕と言われている理由は数多くあるのですが、中でも有力的な情報が知能レベルの高さです。考察ではコナン同様、APTX4869を飲んで幼児化したのではないかと言われています。もう一つの黒幕説理由は、光彦という名前です。
黒の組織では構成員にお酒の名前が入ったコードネームを与えられますが、光彦にも同じことが言えます。まず、光彦の名前を英語表記にすると「Picador(ピカドール)」になります。このお酒はメキシコのテキーラの一種です。このことから、光彦が黒の組織の黒幕ではないかと考察されているのです。
アガサ博士という存在
最後はアガサ博士の黒幕説についてネタバレをしていきます。アガサ博士は「名探偵コナン」の物語の中でも、コナンにあらゆる発明品を与えている発明家です。コナンはアガサ博士からもらった数多くの発明品を使いながら推理や犯人を捕まえています。アガサ博士の本名は阿笠博士(あがさひろし)です。工藤新一の隣の家に住んでおり、新一やその両親たちからアガサ博士と呼ばれています。
最も有力な考察として、アガサ博士の名前がお酒の名前ではないかということです。この阿笠博士という名前には「アガサ・クリスティ」からきていると言われています。小説家であるアガサ・クリスティは、コナン・ドイルと対立していたという都市伝説から黒幕説が生まれています。しかし、黒幕説としては弱く、黒の組織との関係性はないと言えます。
【名探偵コナン】最新話での動向を紹介
ここでは、「名探偵コナン」の最新話についてネタバレを含んだ内容を紹介します。まだ、漫画を読んでいない方は、要注意です。「名探偵コナン」の最新話では、黒の組織とFBIの緊迫なシーンが展開します。FBI捜査官のキャメルは、とある島にいました。そこには、黒の組織の構成員のキャンティとコルン、キールがキャメルを探していました。しかし、キャメルが既に島から脱出したのではないかと考えました。
一方、ジンとベルモットはキャメルが島にいると考え、近くを捜索します。案の定、カフェの中に身を隠していたキャメルは赤井秀一の指示通り行動しようと動きます。この時、ウォッカがラムの話を始め、キャメルは思わず足を止めてしまったのです。その後、キャメルはカフェから出ようと誤って自らバラまいたコーヒーの豆を踏んでしまいます。
音に気付いてしまったウォッカとキャンティは瞬時に発砲し、逃げたキャメルを追いかけます。逃げ場を失ったキャメルは赤井秀一の助言により、なんとか逃げようとした瞬間、事件が起こりました。ジンがキャメルに徐々に迫っていき、走り出したキャメルをキールが撃ち抜こうとした時です。ジンに頭ではなく心臓を撃てと指示されます。果たしてキャメルの命はどうなってしまうのか、という最後を迎えています。
【名探偵コナン】黒幕はすぐ足元に潜んでいる
今回は黒の組織の黒幕について、伏線から様々な考察や今わかっている情報などを紹介しました。黒の組織は「名探偵コナン」の物語のキーパーソンです。謎多き黒幕の正体が烏丸蓮耶ということがわかってから物語は急ピッチで進んでいます。最新話ではFBIと黒の組織の両者が戦闘モードに入り、驚くような展開を迎えています。
黒の組織の黒幕がどんな存在で何を目的に組織を使っているのか、多くの疑問が残っているので今後の展開に目が離せません。ネタバレを含んだ内容も多いので、漫画やアニメを観ていない人はぜひ、作品を楽しんでくださいね。