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歴代芥川賞受賞作品の中からおすすめを厳選!有名な火花以外にも名作ばかり!

2024.02.25

歴代の芥川賞受賞作品を読んだことがあるでしょうか?もちろん受賞作品ではなくても素晴らしい文学作品は数多くあります。しかし文学にあまり馴染みのない方は、多くの方がおおすすめする人気作品から読み始めるのがおすすめです。歴代の芥川賞受賞作品についてまとめました。

  1. 歴代芥川賞受賞作品おすすめ!◆芥川賞って?
  2. 歴代芥川賞受賞作品おすすめ!❶村田紗耶香『コンビニ人間』
  3. 歴代芥川賞受賞作品おすすめ!❷田中真弥『共喰い』
  4. 歴代芥川賞受賞作品おすすめ!❸西村賢太『苦役列車』
  5. 歴代芥川賞受賞作品おすすめ!❹楊逸『時が滲む朝』
  6. 歴代芥川賞受賞作品おすすめ!❺金原ひとみ『蛇にピアス』
  7. 歴代芥川賞受賞作品おすすめ!❻唐十郎『佐川君からの手紙』
  8. 歴代芥川賞受賞作品おすすめ!❼北杜夫『夜と霧の隅で』
  9. 歴代芥川賞受賞作品おすすめ!❽石原慎太郎『太陽の季節』
  10. 歴代芥川賞受賞作品おすすめ!◆どれもおすすめ!
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引用: https://www.instagram.com/p/BsrKjJdhcj8/
芥川賞は、1935年に芥川龍之介(大正時代を代表する小説家の一人)の業績を記念して友人の菊池寛によって創設された、純文学の新人に与えられる文学賞です。直木賞(直木三十五賞)とともに創設されました。年に2回発表されます。選考は文藝春秋社内の日本文学振興会の主宰で行われます。
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引用: https://www.instagram.com/p/BsnUL3Ylep4/
芥川賞は又吉直樹の人気作品『火花』だけではありません。近年の受賞作も過去の受賞作も素晴らしいものばかりです。人気を博したものもあれば、意外に人気の出なかった作品もあります。いろいろなおすすめ作品がある中で今回は、独断と偏見で8作品をご紹介します。最近の受賞作から見ていきます。
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引用: https://www.instagram.com/p/BszNyaYFl_R/
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引用: https://www.instagram.com/p/BSS8ZHFheri/
2016年、第155回の受賞作品。三島由紀夫賞を始めとし幾つかの文学賞を受賞しながらもコンビニでアルバイトをし続けて作品を書き上げたという異色の経歴も注目された、村田紗耶香の『コンビニ人間』。しかし現在は執筆活動に専念していると伝えられている。
‟自分は普通じゃない。だから迷惑を掛けないようにコンビニのマニュアルに沿って生きていくことでようやく普通の人間になれる”と確信している、恋愛を一度もしたことがない30代半ばの女性が主人公。ところが元同僚男性との奇妙な同棲生活によってその‟確信”が崩れ始める。「普通って何?」。当たり前のことが実は当り前じゃない、誰しもがは本当は普通じゃないということに気づかせてくれる、ちょっとシュールな人気作です。

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引用: https://www.instagram.com/p/Brh5gVhjhf7/
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引用: https://www.instagram.com/p/Brwz1OzAmZD/
2010年、第146回の円城塔『道化師の蝶』との同時受賞。アルバイトも含めて一度も職に就いたことがないという経歴(ニート)や、選考委員を務めた石原慎太郎の発言に対して「気の小さい選考委員が倒れたりなんかしたら都政が混乱しますんで、都知事閣下と都民各位のために、もらっといてやる、です。」との受賞時の発言が話題になった。2013年に菅田将暉主演で映画化もされました。
性交の時に女性を殴るという粗暴な面を持つ父親を軽蔑していた高校生の主人公だが、ある日、交際中の幼馴染に対して弾みで暴力をふるってしまう。自分にも父親と同じ血が流れていることに対して打ちひしがれる主人公の苦悩と葛藤を描いた、なんともやるせない、しかし人間の本質に迫った目を背けることのできないテーマを扱った作品です。
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引用: https://www.instagram.com/p/Bh7wyi6naVN/
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引用: https://www.instagram.com/p/BqadAbuhKRr/
2011年、第144回の受賞作品。2013年に森山未來主演でこちらも映画化されています。中卒という作者の西村賢太氏自身の経歴もやはり話題となった、自らの経験を描写した私小説です。
父親が犯した罪からくる引け目、素行の悪さと劣等感、そして中学校を卒業したときから続けている日雇い労働……。酒と風俗に溺れる、やるせない毎日を送る主人公。しかし誰もが本当は感じている‟日々の満たされない息苦しさや孤独”。多くの人が抱いているであろう潜在的な心情に大いに共感が集まりました。しかし絶望で終わることなく、それを越えて生きようとする人間の姿をも描き出しています。

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引用: https://www.instagram.com/p/BGuM7wRkO-j/
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引用: https://www.instagram.com/p/BqtT4JdB6ps/
2008年、第139回の受賞作品。作者の楊逸(ヤンイー)は中国人であり、芥川賞の長い歴史の中で初めての中国人受賞者ということでも話題になりました。選考理由の「国境を超えていかなければ見えないものがあり、それを書いている」とのコメントからも明らかなように、中国が抱えるテーマは中国との関係が深い日本のみならず、世界に共通の普遍的なテーマと言えます。
舞台設定は、1989年の天安門事件を中心にした時代。学生運動を中心にした中国の民主化勢力下の青春と挫折がテーマとなっており、二人の中国人大学生を通して人生における苦悩・哀しみや歓び、そして成長していく様子を描いています。文中で、甘い青春を表現するためのシンボルとしてテレサ・テンと民主化運動を挫折したシンボルとして尾崎豊の歌詞が効果的に使われています。
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引用: https://www.instagram.com/p/BsVg052gS-u/
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引用: https://www.instagram.com/p/BrwyaTkFaqS/
2003年、第130回の受賞作品で、綿矢りさの『蹴りたい背中』との同時受賞。2008年には作者本人の意向によって蜷川幸雄による監督作品として吉高由里子主演で映画化されています。綿矢りさは19歳の女子大生で良家の子女風、一方の金原ひとみはアウトサイダー風。作家本人と作風の違いにも注目が集まりました。
自分の身体を、スプリット・タン(蛇のように舌に二股の切れ目を入れること)によって傷つけることでしか生きている実感を得られない主人公の19歳の女性。またスプリット・タンや入れ墨によって身体改造を繰り返す恋人。そして身体改造を施す入れ墨師のサディスティックな男。なぜ彼らは身体改造に憧れ、実行するのでしょうか?作中でその理由は語られていませんが、若いからこそ敏感に感じてしまう「生きていることのむなしさ」みたいなものではないでしょうか。恋人の死の真実と衝撃的なラストに胸をえぐられます。

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引用: https://www.instagram.com/p/BLzz3D5lYZx/
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グンと時代がさかのぼって1983年、第88回の受賞作品を。作者は、俳優の大鶴義丹の父親である唐十郎。劇作家でもあり、俳優でもありますが、アングラ(1960年代に起こった前衛的・芸術的な演劇運動)の旗手として一世を風靡しました。1969年1月3日、東京都の命令を無視して新宿西口公園にゲリラ的に紅テントを建て、200名の機動隊に包囲されながら上演を最後まで行った「新宿西口公園事件」が有名です。
作品は、1981年にフランス・パリで起きたオランダ人女子大学生を殺害して幾つかの肉を食べた31歳の‟佐川君”のカニバリズム事件をモチーフにしています。決してカ二バリズムをテーマとしているのではなく、多くの人間の正気の裏にはらんでいる狂気に踏み込んだ、現実と虚構の間を行き来する幻想的な人気作品です。
ちなみに主人公の佐川氏は、事件においては鑑定医の誤解から精神病患者とされ、不起訴となってその後帰国し、現在も日本で暮らしています。
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引用: https://www.instagram.com/p/Bj9gJSPHOwH/
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引用: https://www.instagram.com/p/BqJ7LA5lceL/
1960年、第43回受賞作品。北杜夫は医師としても勤務し、1960(昭和35)年に発表された船医としての半年間の体験を描いた『どくとるマンボウ航海記』や『楡家の人々』、映画化もされた『ぼくのおじさん』などでも知られています。父親は医師でアララギ派歌人の斎藤茂吉。
作品の舞台は、第二次大戦末期のナチスの支配下にある病院。ナチスは精神病者に安死術を決定しましたが、それに抵抗して患者を救うためにあらゆる治療を試み、そして最後は絶望的な脳手術をせざるを得なかった精神科医たちの苦悩を描いています。戦争という極限状況下にある人間の不安や矛盾を徹底的に描いた、生きることの本質を問うた人気作品です。

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1955年、第34回受賞作品。石原慎太郎は国会議員を経たのちに東京都知事としても活躍したお馴染みの人物です。石原裕次郎の実兄としても知られています。石原慎太郎は、1995年の第113回(平成7年下期)から始まり、(ノミネート作品は)「全然刺激にならない」ことを理由に2014年に下りるまでの17年間、合計33回に亘って芥川賞の選考委員を務めました。
作品は、裕福な家庭に育ちながら、つかみどころがない自らの感情をもてあそび、ついには自分のことを好いてくれる女性を妊娠中絶の挙句に死に追いやるというやるせなを通して、主人公の葛藤を描いています。石原慎太郎の出世作ですが、「倫理性に欠けるストーリー展開」などと一部の選考委員会や出版社から批判され、また一般社会にも批判をも巻き起こした人気作品です。
石原自身が芥川賞の選考委員の任にあったときに2000年代のノミネート作品をしばしば批判していましたが、本作で指摘された部分と、石原が若手作家について指摘した部分を相対的に読み比べてみると、また味わい深いものが感じられます。石原裕次郎出演(主演は長門裕之)で映画にもなり、裕次郎の人気にも火が付きました。
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引用: https://www.instagram.com/p/Bsx2blrh_5e/
芥川賞はどの作品もその時代を巧みに切り取った、エッジの効いた文学作品ばかりです。扱うテーマはやはり人間の苦悩に焦点を当てているものばかりで、人間の根源的な部分に訴えかける普遍性を持っています。時代の重苦しさ、そして軽佻浮薄さが作品に反映されていると言え、時代を知る上でも昔の作品と現代の作品を読み比べる面白さもあります。
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引用: https://www.instagram.com/p/Bs496z8lFzF/
もちろんどのように作品を解釈するかは読者次第です。違った感想を持つのも自由です。まだ読んだことがない作品がありましたらぜひお手に取ってみてください。また、芥川龍之介の作品もお忘れなく。

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