東京の方言の特徴
2種類の東京方言
東京方言にはもともと「江戸言葉(江戸弁)」と「山の手弁」の2種類がありました。「江戸言葉(江戸弁)」は下町言葉とも呼ばれ、低地に当たる下町で江戸町人が使用していた言葉です。一方、「山の手言葉」は現在の麹町・芝・麻布・赤坂・四谷・牛込・小石川・本郷に当たる高台にある山の手と呼ばれる地域で使われていた言葉です。
江戸言葉(江戸弁)
江戸言葉(江戸弁)は町人社会で発達した言葉で、江戸言葉(江戸弁)の内部においても触手によって細かな言い回しの違いがありました。職人社会では時代劇や江戸落語でよく聴かれる「べらんめえ調」が用いられていましたが、商売人はあまり使用していませんでした。
「ひ」が「し」になったり、「じゅ」が「じ」になるなどの特徴があります。
山の手言葉
「山の手言葉」は、江戸の上層武家が日常用いた言葉を基盤に明治時代に成立した言葉です。敬語表現が発達していて、現在でも良い家柄を表す言葉として印象付けてられている言葉が多々あります。
山の手言葉でも「ひ」を「し」と読むという特徴があります。
標準語の基になっている
日本語における標準語は、主に東京方言の山の手言葉を基盤に整備されています。標準語という概念が登場したのは明治以降のことで、日本を近代的な国民国家として確立するための意志に基づいて整備されるようになりました。
勘違いされやすい東京方言13選!
ここからは、勘違いされやすい!実は方言だったフレーズを13選でご紹介します。東京都民の人はもちろん、他県民にとっても「へぇ〜!」と行ってしまいたくなるフレーズがたくさん合ず!ぜひチェックしてみてくださいね。
東京方言Part.1|ごきげんよう
お嬢様が使う言葉というイメージがある「ごきげんよう」という挨拶は、有名な山の手言葉の一つです。元々は室町時代から使用されていて、「ご機嫌」と「良く」が組み合わさってできた言葉です。挨拶で使われる言葉ですが、健康を祝し祈るといった意味合いがあります。現在でも一部の女子校などでは使用されているところがあります。
東京方言Part.2|ざます
『ドラえもん』に出てくるスネ夫ママのイメージが強い「ざます」ですが、こちらも元々は山の手言葉です。江戸吉原で用いられていた遊里語で、現在でも女性語として知られています。『ドラえもん』以外でもアニメや漫画などでお金持ちの奥様の口癖として使われていることが多くありますね。
東京方言Part.3|あそばす
「あそばす」も山の手言葉です。「ごめんあそばせ」「おいであそばせ」などが有名ですね。「遊ぶ」の未然形に尊敬の助動詞「す」が接続してできた特徴的な尊敬語です。丁寧で上品な響きを持たせようとして使う女性の言葉遣いです。
東京方言Part.4|水菓子
「水菓子」と聞くと、羊羹やわらび餅、ゼリーなどプルプルしたみずみずしいお菓子をイメージする人も多いかもしれませんが、東京方言では「フルーツ」を意味します。ただ、現代では一部の業界で、羊羹やくずもちなどの総称として「水菓子」という言葉を使うこともあるので、会話の中に「水菓子」という言葉が出てきたら、どちらを意味しているのか確認した方が良いでしょう。
東京方言Part.5|おっかない
「おっかない」も実は東京方言です。「恐ろしい」「怖い」といった意味です。「とてもおっかない夢を見た」などと使います。元々は古語で恐れ多いを意味する「おほけなし」が変化した言葉と言われています。
東京方言Part.6|しょっぱな
「はじめから」を意味する「しょっぱな」も江戸弁がルーツの東京方言です。今でも良く使われる言葉ですね。「しょっぱな」は、「はなから」という言葉に「初」という言葉をつけてできた言葉です。江戸っ子表現らしく少し砕けた言葉なので、ビジネスシーンなどかしこまった場には適さない言葉です。
東京方言Part.7|かたじけない
時代劇などで武士が用いる言葉のイメージがある「かたじけない」も東京弁です。「ありがたい」「ごめんなさい」「恐れ多い」といった意味があります。現代では自然にこの言葉を使うことは多くはありませんが、時代劇などのおかげか今でもなんとなく意味が通じる方言です。
東京方言Part.8|おっ〜
「追いかける」を「追っかける」、「落ちる」を「落っこちる」というなど「おっ〜」という言い回しも東京ならではです。「おっ」自体に意味は特にありませんが、チャキチャキの江戸っ子らしく小書きの「っ」を混ぜた跳ねたような言い回しが、今でも東京では多く使われます。「乗っかる(=乗る)」「乗っける(=乗せる)」という言い回しもあります。
東京方言Part.9|しょっぱい
「おっ〜」と同じく、「塩辛い」ということを「しょっぱい」というのも東京方言です。ただこちらも比較的標準語のような感じで全国的に使われることが多い言葉です。
東京方言Part.10|かたす
「片付ける」という意味で「かたす」という言葉がありますが、こちらも東京方言です。東京都民の中には方言という概念がない人が多く、全国共通語というイメージがありますが、意外にも通じていないかもしれない言葉です。
「かたす」は「参加する」という意味で使っている地域があったり、逆に「片付ける」という意味で「なおす」という言い回しをする地域があったりと、東京都民にとっては日常的に使う「かたす」という言葉ですが、他の都道府県では違う意味に捉えられてしまうかもしれません。
東京方言Part.11|いかさま
映画のギャンブルのシーンなどでも使われることがある「いかさま」も東京方言です。「インチキ」「詐欺」を意味します。“いかにも本物らしいさま”を略して「いかさま」となります。
東京方言Part.12|〜じゃん
語尾に「〜じゃん」という言葉をつける言い回しも東京方言です。こちらは他県民が苦手な言葉としてテレビなどで取り上げれらることもあります。特に関西の人は「〜じゃん」という言い回しをしないので、関西から東京に引っ越した人が「〜じゃん」と話すと“東京に染まった”などと言われてしまうようですよ。「〜じゃん」は神奈川や千葉など関東圏でも使われます。
東京方言Part.13|〜づらい
比較的全国的に使われる言葉ですが、「言いづらい」「やりづらい」など「〜づらい」という言い回しも東京方言です。こちらはあまり方言らしい印象はなく、他県民でも通じる言葉ですね。
東京方言Part.14|ぺちゃんこ
「押しつぶされて平らな状態」を表す「ぺちゃんこ」も東京方言です。「ぺしゃんこ」「ぺっちゃんこ」と言うこともあります。とても響きが可愛い東京方言ですよね。
東京方言の告白フレーズ3選!
何回言われても何歳になっても告白フレーズは胸キュンしますよね。東京男子や東京女子に告白される時にはどんなフレーズになるのか、気になる東京方言の告白フレーズについてご紹介します。
東京方言の告白フレーズPart.1|好きです。付き合ってください
「好きです。付き合ってください。」という標準語のストレートな告白フレーズも、東京ならではの告白表現の一つです。まっすぐ気持ちが伝わってくる、人生で一度は言われたいフレーズです。
東京方言の告白フレーズPart.2|大好きだよ
こちらも王道な告白フレーズですが、「好きだよ」は、岩手では「好きだっちゃ」、大阪では「好きやねん」、広島では「大好きじゃけ」、福岡では「好いとーよ」になるなど、意外にも東京らしいフレーズでもあります。東京だからこそのどストレートな告白に思わず胸キュンしてしまいそうですね。
東京方言の告白フレーズPart.3|あなたのこと好きなのよ
「あなたのこと好きなのよ」は、特に東京女性が使う言葉です。「〜のよ」と言うのはあまり他県では使われることのない言い回しで、シンプルですが色っぽさを感じるフレーズですよね。
まとめ
いかがでしたか?勘違いされやすい東京方言についてご紹介しました。これまで東京には方言がないと思っていた人にとっては、「〜じゃん」という語尾が実は標準語ではなく方言だったなど、興味深いものがたくさんあったのではないでしょうか?江戸弁や山手言葉など、ルーツがわかると普段何気なく使う言葉にも親しみが湧きますよね。友達との会話のネタにしてみたら驚かれるかもしれませんよ!