諌山創 進撃の巨人 10巻より引用

コニー・スプリンガーの進撃の巨人コミックス初登場は、1巻の訓練兵卒業の場での、上位10名の発表のシーンです。

コニーは8位で卒業を果たしました。

お調子者で言い方を悪くすれば雑魚キャラ感も拭えないコニー・スプリンガーですが、実は結構な好成績で卒業しているのです。

クリクリの坊主頭が印象的なため、名前は覚えていなくても外見だけは覚えている！という方も多いでしょう。

諌山創 進撃の巨人 17巻より引用

ここからは、マンガ、アニメ、未読未視聴の方はネタバレになりますのでご注意の上お読みください。

卒業式後の晩餐で、今となっては恒例のエレンとジャンのケンカ。

エレンが外の世界を旅する夢を語るシーンで、エレンの言葉をのめり込むように聞くコニーの姿があります。

推測ではありますが、コニーはこのときに調査兵団への入隊を決めたのでしょう。

エレンのカリスマ性や人の心を動かす熱い言葉によって、コニーの心境も強く影響を受けたのでしょう。

諌山創 進撃の巨人 2巻より引用

そして、超大型巨人の再到来。

アニメ版では、果敢に挑んだエレンを激励していたのもコニー・スプリンガーでした。

巨人にエレンを食われ、茫然自失していたアルミンを気遣う姿も見せています。

そして、冷淡に現実を突きつけるユミルに対しては息巻くなど、序盤のコニー・スプリンガーは、周囲をよく見ている人物です。

戦場での士気や意欲がどれほど重要なのかを理解しており、それに即した実行力を持つ少年として描写されています。

決して明るいだけでなく、周囲のことをよく見て、人のことを気遣える優しさを兼ね備えた人物であるということです。

コニーのこういった姿や、声、気遣いに救われたキャラクターが作中で数多くいることが予想できます。

諌山創 進撃の巨人 1巻より引用

トロスト区攻防戦で、周りは景気よく死んでゆきます。

後から見れば、上位10名はマルコを除いて健在、そのまま「進撃の巨人」における中心的な主要キャラたちになっていきます。

しかし、初見の読者からすればそのあまりにも凄惨な状況・展開に付いていけない方すらいたでしょう。

誰が上位だったのか、何位がどうなったかなど気にしてなんていられないでしょう。

まだキャラの把握も出来ない状態で、コニー・スプリンガーもいつ死んでしまうか予想など一切できない状況が続いていました。

そんな中、あのシーンがやってきます。

諌山創 進撃の巨人 2巻より引用

撤退命令が出たものの、逃げようにも立体機動装置のガスがありません。

絶望するジャンに状況打破を訴えたところ「珍しく頭を使ったなコニー」と評価されるコニー。

一見馬鹿に見えるけど、意外と頭の冴えるキャラとして読者の目に映ったのではないでしょうか？

そして、その後、エレンの「進撃の巨人」が登場。

アルミンの策でミカサ・アルミンと共に作戦を実行。

間違いなく出来る男かと思いきや、ガス補給室での戦いではサシャと二人で巨人を討ち漏らしてしまいました。

しかし、あの場面をドジの一言で済ませるのは気の毒に感じられるファンの方も多いのではないでしょうか。

このように活躍も失敗も描写されたコニー・スプリンガー。

彼が進撃の巨人という作品の中で、どのような役回りのあるキャラで、どんな立場なのかということが描かれたといえるでしょう。

諌山創 進撃の巨人 9巻より引用

諫山創先生は「進撃の巨人」を最初少年ジャンプに持ち込んだというのは非常に有名なエピソード。

そのことを裏付けるほど、コニー・スプリンガーというキャラクターはジャンプ的要素が詰まっています。

コニーは発言が軽々しく、言うなればバカキャラ的存在。

しかし、実戦では驚くほど状況観察が鋭く、頭が回るキャラクターです。

アルミンの策を実現するのはミカサ一人では到底無理だったでしょう。

「バカなんだけど実は賢しい」というのは、ジャンプでいうところの「NARUTO」の主人公であるナルトに酷似しています。

さらに言えば、子供の頃、村ではバカにされていたコニー。

いつか見返してやろうと訓練兵になったあたりのバックグラウンドも似ているといえるかもしれません。

諌山創 進撃の巨人 4巻より引用

そして、立体機動装置の初歩、バランス訓練が全く出来なかったエレン。

ネタバレになりますが、訓練が全くできなかった理由は教官のキース・シャーディスが装置に細工をしていたためです。

そんなエレンが、周囲にアドバイスを求めに行ったときのコニーの一言「悪ぃけど俺…天才だから、“感じろ”としか言えん」。

コニーが言うからギャグっぽく聞こえてしまいますが、自らを｢天才｣と言い切るあたりは｢SLUMDUNK｣の桜木花道と同じです。

もし、ジャンプで連載なんてことになっていたら、コニーの立ち位置は大きく変わっていたのかもしれませんね。

諌山創 進撃の巨人 9巻より引用

ここからはコミックス9巻のネタバレです。

女型の巨人アニとの戦いが終わった後、104期兵訓練兵の中にまだ巨人がいるのかもと疑われていました。

そのために軟禁されている中、事件が起こります。

巨人がウォールローゼを突破したのです。

104期兵訓練兵は戦闘服を着用する間もなく、馬に乗り村落や民家を回って村民を避難させるという任務が与えられます。

コニーたちが与えられた区域には、コニーとサシャの故郷の村も含まれていました。

諌山創 進撃の巨人 9巻より引用

巨人が来た方向がコニーの故郷ラガコ村。

もはや、状況は絶望的としかいいようがありません。

それでもラガコ村へ向かうコニー、ライナー、ベルトルトと調査兵。

辿り着いた村は破壊され、コニーの生家には謎めいた巨人が横たわっていました。

諌山創 進撃の巨人 13巻より引用

コニーの村は、文字通り破壊されていました。

しかし、不思議なことに死体どころか血の一滴も見当たりません。

｢みんな逃げたんだよ｣とコニーを励ます調査兵。

しかし、拭いきれない違和感だけが残ります。

かといって、このまま村で頭を悩ませている暇もありません。

諌山創 進撃の巨人 9巻より引用

コニーは直感的に、これは巨人化した母親だと見抜いていました。

しかし、ライナーに檄を飛ばされ（ネタバレすると誤魔化され）たことで、皆と歩調を合わせるしかありませんでした。

次の目的地へ向かおうとするコニーに、横たわって巨人化している母親は言います。

「オ…アエリ…」

諌山創 進撃の巨人 9巻より引用

コニーの母親とおぼしき巨人は手足が極端に退化していました。

自立は不可能です。

その後、ハンジ・ゾエの調査で壁内に出現した巨人の数とラガコ村の住民の数が一致。

ラガゴ村の村民が、何らかの手段で巨人にされたことが判明しています。

そしてやはり、コニーの生家に居た巨人は、直感通りコニーの母親と断定されました。

この時点で、ライナー、ベルトルトの正体はネタバレしていました。

そのため、コニーを含む、他の人たちも受け入れることが出来ていましたね。

諌山創 進撃の巨人 27巻より引用

ラガコ村の事件は、原作でも詳しくは描写されていません。

しかし、その後に解明した事実を読み解けばネタバレは可能です。

ジークがラガコ村の村民に巨人の脊髄液を投与して、巨人化させました。

そして自らの｢王の血｣の叫びで、巨人化したラガコ村の村民を支配下に置いたのでしょう。

目的はユミルの推察では威力偵察とのことでしたが、潜入させていたマーレの戦士の作戦進捗状況の確認もあったのかもしれません。

諌山創 進撃の巨人 9巻より引用

気になるところは、巨人化したコニーの母親が言葉を喋った点。

以前、イルゼ・ラングナーと遭遇した巨人も、辿々しくはありますが、言葉を話しました。

九つの巨人の中でも、明確に人の言葉を喋れるのはジークの獣の巨人。

顎（アギト）の力を有したユミルも喋っていましたが、無垢の巨人で人の言葉を話したのはイルゼの遭遇した巨人と、先ほどお伝えした巨人化したコニーの母親のみです。

なぜ無垢の巨人が言葉を話すことが出来たのかは、原作でも未だ説明はされていません。

諌山創 進撃の巨人 5巻より引用

諫山創先生は伏線を張ることに関しては天才的です。

けれど、この点に関しては伏線が見えません。

仮説でしかありませんが、巨人化しても人間であった頃の遺伝子レベルでの抵抗で、言葉を話したり、人だった頃の行動を取る（OAD進撃の巨人イルゼの手帳～ある調査兵団員の手記～にそのような描写があります）事が出来たのではないかと推測することができます。

諌山創 進撃の巨人 8巻より引用

コニーが母親を救いたいと邁進していたとき、サシャも父親を探していました。

生まれ故郷を目指していたのです。

回想シーンではサシャの原点が描かれております。

ネタバレしてしまうと、過去のサシャと現在のサシャとの比較を描きたかったのでしょうね。

逃げ遅れて足の悪い母親を巨人に食われる様から、目を背けることしか出来ない少女。

それを懸命に助けようとするサシャ。

この巨人も巨人化されたラガコ村の村民なんです。

自分と母親の存在に価値はないと言わんばかりの少女に、サシャは語りかけます。

進撃の巨人屈指の名シーンです。

ぜひご自分の目で確かめてみてください。

諌山創 進撃の巨人 9巻より引用

サシャ役の小林ゆうさんも、このシーンを演じるのは、声優として本懐だったことでしょう。

この後、無事に父親と再会できるのですが、そのシーンもジーンとくるものがありました。

諌山創 進撃の巨人 13巻より引用

その感動の後のコニーです。

コミックス13巻でハンジと共に再調査でラガコ村に入り、改めて変わり果てた母親と再会。

涙ながらに「誰だよ…俺たちをこんな目に遭わせる奴は…」と、呟くシーン。

こちらも進撃の巨人における名シーンの1つでしょう。

諌山創 進撃の巨人 13巻より引用

ここからもネタバレが続きます。

104期兵訓練兵のライナー、ベルトルト、アニは外の世界から来たマーレの戦士と分かりました。

ユミルもまたマーレから来た巨人であり、クリスタ・レンズは真の女王、ヒストリア・レイスと判明。

もはや、104期兵訓練兵もエレン、ミカサ、アルミン、ジャン、そして、コニーとサシャだけになってしまいました。

そしてエレンに続き、アルミンも巨人になってしまいます。

ミカサは元々無双キャラの上に、巨人科学の副産物アッカーマン家の一族という後ろ盾まで付きました。

もはや、普通の人はジャン、コニー、サシャだけです。

しかしこの上なくキャラが立っているこの3人ですから、今後も活躍が期待できそうです！

アニメ、進撃の巨人でコニー・スプリンガーを演じるのは、声優の下野紘さん。

今となってしまえば、コニーは下野さん以外考えられません。

彼のお調子者で明るい性格は、下野さんの声にピッタリです。

声優のオーディションには他の役も受けるのはよくあることですから、ひょっとしたらエレンも受けているかもしれません。

エレンの声優が下野さんバージョンの演技も聞いてみたいと感じられる方もいらっしゃるかもしれません。

「ポプテピピック」6話後半では、エレン役の声優の梶裕貴さんと共演していました。

下野紘さんは、非常に数多くのアニメ・ゲーム作品に声優として出演されていらっしゃいます。

一部ではありますが、以下にこれまで下野紘さんが声優として出演された作品を掲載いたしますので、参考程度にご覧ください。

バカとテストと召喚獣 - 吉井明久

うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEシリーズ - 来栖翔

寄宿学校のジュリエット - 古羊英悟

鬼滅の刃 - 我妻善逸

テイルズ オブ シンフォニア ユニゾナントパック - エミル・キャスタニエ / ラタトスク

大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險- - 成歩堂龍ノ介

諌山創 進撃の巨人 29巻より引用

マーレ編に入り、3年の月日が流れた進撃の巨人。

エレンもミカサも髪型が変わり、大きくイメチェンしました。

ジャンに関しては、「お前は誰だ！」と、思わず声を上げたくなる変貌を遂げています。

諌山創 進撃の巨人 26巻より引用

それに比べて、今回注目しているコニー・スプリンガーとサシャ・ブラウスはあまり変わっていません。

コニーは毛が伸びたのでしょうか？一分刈りから三分刈りくらいになっています。

なんにしても、二人を見るといい意味で「変わっていなくて」ほんわかする方も多いでしょう。

シリアスなシーンが続きますが、休憩できるところでは、以前のようにボケ倒して物語に癒しを与えてくれるかもしれません。

諌山創 進撃の巨人 4巻より引用

ジークはかなりえげつないことをしたといえるでしょう。

なんの罪もない村民を、無垢な巨人にしてしまったのです。

彼らにとってはパラディ島の人々はすべて悪魔。

おそらく、何をしても構わないぐらいの気持ちでいるのでしょう。

マーレの全体主義に完全に侵されているともいえます。

今回注目してきたコニー・スプリンガーは非常に愛されるべきキャラクターといえます。

少しおバカキャラで面白い面に加えて、カッコよさや地頭の良さ、周囲を気遣う能力などに長けている人物です。

最初こそかませ犬のように感じた方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、今や進撃の巨人において重要な中心人物となっています。

それだけ、彼は物語に欠かせない存在なのです。

ジークの初登場のときは、エレンのお父さんだ！と、思った方も多いかもしれません。

今後の進撃の巨人ではグリシャの息子ジークと、腹違いの弟エレンの対決から目が離せません。

もちろん、コニーとサシャの活躍も期待したいですね！