筋肉には速筋と遅筋がある
人間の筋肉の繊維には速筋と遅筋があり、これらの筋繊維が絡み合って筋肉が作られています。速筋は色が白いことから白筋、遅筋は色が赤いことから赤筋とも呼ばれています。この2つの筋肉は、それぞれ使うエネルギーや、運動時の働きに違いが見られます。
スポーツの種目によって、速筋を鍛えるのか、遅筋を鍛えるのかそれぞれ鍛え方も変わってきます。では、速筋と遅筋の違いとはいったい何なのでしょうか?次の項目からは、この2つの筋肉の違いや、それぞれの特徴について詳しく解説していきます。
速筋と遅筋の違いとは?効果的な鍛え方やダイエット方法その① 速筋について
速筋は筋肉の中でも瞬発力を必要とした動きに力を発揮する筋肉です。短距離走の陸上競技や、ウエイトリフティングなどが速筋を主に使うスポーツです。速筋は鍛えると肥大化しやすい特徴があります。そのため、陸上の短距離選手やウエイトリフティングの選手たちは、筋肉質な体型をしています。
速筋は、普段身体を動かす時には使われないという特徴もあります。速筋はあくまでも瞬間的に力を解放する時にのみ働くので、普段の生活ではあまり使われることがないのです。速筋は糖質を主なエネルギーとしているので、糖質のもとである炭水化物の摂取が速筋の肥大化には必要不可欠です。速筋を鍛えるためにはウエイトトレーニングが効果的です。
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速筋と遅筋の違いとは?効果的な鍛え方やダイエット方法その② 遅筋について
私たちは普段の生活の中で歩いたり、手を使って物を取ったり、顔を動かして辺りを見回したり、日々無意識に身体を動かしていますが、それらの動きには主にこの遅筋が使われています。遅筋は私たちが普段から使っている筋肉なのです。
遅筋は、強い力を出すことができない代わりに、有産素運動などの持久力が必要なスポーツには大活躍してくれます。有産素運動の代表的種目であるマラソンの選手たちは遅筋が発達しています。遅筋は速筋に比べると肥大化しにくい傾向があるので、遅筋が鍛えられていると細身でスリムな身体になりやすいです。遅筋の主なエネルギー源には脂質が使われており、遅筋を鍛えることで脂肪を効率良く減らしていくことができる身体になっていくのです。
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速筋と遅筋の違いとは?効果的な鍛え方やダイエット方法その③ 速筋と遅筋の割合は?
日本人の平均的な筋肉量の割合は、速筋が55%、遅筋が45%と言われており、速筋の割合が少しだけ多めです。しかし、これはあくまでも平均的な割合で個人差があるため、人によっては速筋が逆に少なかったり、割合が五分五分であったりもするでしょう。
これらの筋肉量の割合は、日々のトレーニングによっても大きく変わってきます。速筋を主に鍛える陸上競技の短距離走の選手たちは、全身の速筋の割合が80%にも達すると言われています。遅筋を主に鍛えるマラソンの選手たちは全身の遅筋の割合が80%ほどだと言われています。このように運動の種目によって、選手の筋肉の割合は大きく変わってくるのです。
速筋と遅筋の違いとは?効果的な鍛え方やダイエット方法その④ 速筋と遅筋の部位ごとの割合は?
先ほどは、全体的な速筋と遅筋の割合を解説しましたが、この項目では各筋肉の部位ごとの、平均的な速筋と遅筋の割合を簡単に解説していきます。胸の部位の代表的な筋肉である大胸筋の割合は速筋が58%、遅筋が42%です。背中の部位の筋肉である広背筋は速筋と遅筋が50%ずつと言われています。首の部位にある胸鎖乳突筋の場合は、速筋が65%、遅筋が35%です。
腕の力こぶが見える部位である上腕二頭筋の割合は、速筋が58%、遅筋が42%です。脚の部位の主な筋肉である大腿直筋は速筋66%、遅筋34%です。このように様々な部位によって速筋と遅筋の割合には違いが見られます。身体の奥深くに位置する「インナーマッスル」は、主に遅筋で構成されているので、遅筋の割合が圧倒的に多くなっています。
速筋と遅筋の違いとは?効果的な鍛え方やダイエット方法その⑤ 速筋と遅筋を両方鍛えよう
均整の取れた身体を手に入れるためには、速筋と遅筋を両方鍛えることが大切です。速筋を鍛えることは、筋肉質で見た目が美しい身体へと変化させるために欠かせないことですし、遅筋を鍛えることは、効率良く脂肪を燃焼して無駄なぜい肉を減らしてくれることにつながります。
速筋を鍛えるためにはウエイトトレーニング、遅筋を鍛えるためにはマラソンなどの有産素運動が効果的ですが、具体的にどのようなトレーニングを行っていけば良いのでしょうか?速筋と遅筋の効果的な鍛え方を次の項目からご紹介していきますよ。
速筋と遅筋の違いとは?効果的な鍛え方やダイエット方法その⑥ 速筋の効果的な鍛え方
ベンチプレスで速筋に負荷をかけて効果的に鍛えよう
大胸筋や、上腕三頭筋、三角筋など、上半身の主な筋肉を鍛えることができるベンチプレスはウエイトトレーニングにとてもおすすめのメニューです。速筋は重い負荷がかからなければ働き始めません。初めのころは無理せずに自分が持ち上げられる重さからベンチプレスを始めることが大事ですが、ベンチプレスの重さをどんどん上げて持ち上げることが出来るようになれば、速筋がとても効果的に鍛えられます。
速筋と遅筋の違いとは?効果的な鍛え方やダイエット方法その⑦ 遅筋の効果的な鍛え方
体幹を鍛えるトレーニングで遅筋を大きくしよう
引用: https://stat2.smartlog.jp/wp-content/uploads/2016/09/50289910/shutterstock_408010888-689x448.jpg
身体の奥深くに位置する「インナーマッスル」に遅筋は多く存在します。ランニングやジョギングなどの有産素運動も遅筋を鍛えるために効果的ですが、簡単にインナーマッスルを鍛えることが出来る、体幹トレーニングの1つ「フロントブリッジ」もおすすめです。
引用: https://stat2.smartlog.jp/wp-content/uploads/2016/09/50289910/shutterstock_367037114-689x460.jpg
まず、うつぶせになり握り拳を立てて床につき、握り拳から肘の部分を床につけます。そのまま両足のつま先を立てたら身体を持ち上げて、一本の線のようにまっすぐの状態になって10秒間これを維持しましょう。この時に息を吸いながらお腹を出来るだけ膨らませて、膨らませたお腹を少しずつ小さくしていくイメージで、長く小さく息を吐き続けましょう。慣れてきたら姿勢を維持する時間を30秒ほどに伸ばして行うとより効果的です。
速筋と遅筋の違いとは?効果的な鍛え方やダイエット方法その⑧ 食事メニューにも気を付けよう
引用: https://stat2.smartlog.jp/wp-content/uploads/2016/05/50289910/shutterstock_344597915-689x460.jpg
ウエイトトレーニングや有産素運動を継続して行っていても、ダイエットのためには食事のメニューにも気を配らなければなりません。炭水化物の摂りすぎは肥満を誘発させてしまいますし、タンパク質が不足していると筋肉が肥大化されず、トレーニングの効果が得られなくなってしまいます。
トレーニングで速筋と遅筋を鍛えた後は、炭水化物とタンパク質を充分な量摂取して、筋肉の発達を促しましょう。プロテインなどのサプリメントをトレーニング後すぐに摂取するのも効果的です。野菜や果物などの食物はトレーニング後の疲労を回復してくれる効果があるので、こちらも忘れずにしっかりと摂りましょう。全体的な栄養バランスの取れた食事と効果的なトレーニングが美しいスリムな肉体を作ります。
速筋と遅筋の違いとは?効果的な鍛え方やダイエット方法 まとめ
いかがでしたか?美しい身体を手に入れるためには、速筋と遅筋をそれぞれ効果的に鍛えることが有効です。ここでご紹介した筋肉の様々な知識や、トレーニング方法を参考にして、快適でスポーティな毎日を送ってくださいね。