歌舞伎の掛け声のルールやタイミングをご紹介!
「よっ!中村屋!」や「いよー!成田屋」などと飛び交う掛け声は、歌舞伎をより一層盛り上げてくれるもの。そんな歌舞伎の掛け声にはルールやタイミングというものは果たしてあるのでしょうか。以下では、歌舞伎の掛け声のルールやタイミングをご紹介。大向こうの会についてもまとめました。
【歌舞伎の掛け声のルールやタイミング】①厳密にルールは存在する?
厳密なルールは存在しませんが…
歌舞伎の掛け声のルールですが「厳密なルールは存在しません」。そのため、基本的には誰でも掛けても良いものとされています。とはいえ、暗黙の了解やマナーが存在するので要注意。それについては次項以降でご説明します。
素人は簡単に手を出さない方が良い
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誰でもかけてよい歌舞伎の掛け声ですが、素人は安易に手を出さないのがおすすめ。特に観劇するのが初めて、なんて方はミーハー心で掛け声をかけるのはやめましょう。というのも、歌舞伎は非常に「間」を大切にする劇。素人が適当な場所で掛け声をかけてしまうと、せっかく作った「間」が台無しになってしまい、顰蹙を買う恐れがあるのです。
ちなみに女性はNGだとされている
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ちなみに、掛け声は基本的に女性NG。歌舞伎の世界には色濃く男性社会が残っているため、女性は掛け声をかけてはいけないと言われています。こちらは暗黙の了解となっている事項で、ルールとして明記されているわけでないため注意です。
【歌舞伎の掛け声のルールやタイミング】②「よっ!中村屋!」などと言うタイミングは?
登場シーンや見得を切るシーンなどが代表的
「よっ!中村屋!」や「いよー!成田屋!」などと屋号や掛け声を言うタイミングですが、代表的なのが登場シーンや見得を切るシーンです。歌舞伎の中でも盛り上がるタイミングで掛け声をかけるのがマナーと言われています。
芝居によって様々に変わるタイミング
歌舞伎の芝居の中には、掛け声と一緒に芝居を作り上げていく性質のものも数多くあります。このような芝居は一度見ただけではタイミングをマスターするのは難しく、初見だと適切なタイミングで掛け声をかけるのは困難です。どうしても掛け声をかけたい時には、何度も芝居を見て勉強しましょう。
【歌舞伎の掛け声のルールやタイミング】③「いよー!中村屋!」などと言いたい方は大向こうの会に入会する?
基本的に掛け声は「大向こうの会」の人が行う
歌舞伎の掛け声ですが、基本的には「大向こうの会」と呼ばれる方々が行ってくれます。この大向こうの会は、歌舞伎の常連で、歌舞伎に精通している集団のこと。この大向こうの会が掛け声をかけてくれることによって、歌舞伎がより盛り上がるのです。
大向こうの会はスカウト制
歌舞伎で掛け声をかけたい時にはこの大向こうの会に入会するのが一般的です。大向こうの会は、スカウト制となっており、入りたくて入れるわけでもないというのが難しいところ。足しげく歌舞伎に通って人脈を増やすのが入会への近道です。
【歌舞伎の掛け声のルールやタイミング】④掛け声をかけるときのマナー
張りのある声で
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歌舞伎の掛け声は「張りのある声」で行うのが鉄則。大きく張りのある声は、芝居をより一層引き立ててくれます。情けない声だと演者のテンションも下がってしまうので注意です。
芝居の「間」を大切にする
前述したように、歌舞伎は「間」が大切な芝居。適切なタイミングはその芝居によって様々に変わるため、歌舞伎の勉強は必須です。
屋号を叫んで芝居を盛り上げる歌舞伎の掛け声は奥深い
以上、歌舞伎で屋号などの掛け声を言うためのルールやタイミングをご紹介しました。歌舞伎の掛け声は、芝居の中でも重要な役割を持っていることが多くなっています。慣れていない場合には、あまりうかつに手を出さないのが賢明でしょう。どうしても掛け声を言いたい方は、大向こうの会へ入会することをおすすめします。