『ハイキュー!!』は、古舘春一原作の作品で、2013年10月にテレビアニメ化が発表されました。2014年4月から第1期が放送され、その後2015年10月に第2期（ハイキュー!! セカンドシーズン）が、2016年10月から第3期（ハイキュー!! 烏野高校 VS 白鳥沢学園高校）が放送されています。高校バレーボールを題材にしたストーリーで非常に人気が高く、2020年には第4期の放送も決定。漫画は最終章へと入りましたが、その人気はまだまだ衰えることをないでしょう。

かつてテレビで観た「小さな巨人」に憧れてバレーを始め、「小さな巨人」が所属していた烏野高校へと入学した日向翔陽は、そこで中学時代に負けた因縁の相手・天才セッターの影山飛雄と再会します。最初は相入れない2人でしたが、それぞれのポテンシャルが相手の力を引き出すとわかってからは、相棒として烏野高校を全国の舞台へ導くべく邁進して行くことになるのです。

学校：烏野高校

クラス：2年4組

誕生日：12月26日

身長 / 体重：175.4cm / 66.4kg

ポジション：ウィングスパイカー（WS）

性格は基本的に穏やかで、田中や西谷といった強烈で個性の強い2年生のなかでは、少々地味めの影が薄いキャラクターです。しかし、烏野では月島と同じかそれ以上の鋭い切れ味を持つツッコミ役で、くせ者揃いでツッコミ不足の烏野のなかでは非常に重要な人物になります。

レギュラーではないため、登場場面はそれほど多くないですが、少々厄介な月島や影山もきちんとコントロールできる手腕を持つキャラクターでもありますね。プレーももちろん大事ではありますが、やはり精神的支柱がちゃんといるとチームとしてしっかりとしたまとまりが生まれます。

『ハイキュー!!』で主人公である日向翔陽たちの通う学校であり、正式な名称は「宮城県立烏野高等学校」です。日向翔陽ら1年が入ってから劇的な進化を遂げており、くせ者揃いではあるものの高い連携力と攻撃力を誇るチームとなっています。

烏野高校は物語の5年前までは全国大会に出場するほどの強豪校でした。しかし当時の監督であった烏養一繋監督の引退を切っ掛けにみるみる弱くなっていき現在までは強くもなく弱くもなくといった学校になってしまいます。その事からかつて強豪であった烏野高校を指して他校からは落ちた強豪"飛べない烏"と呼ばれるように。

ですが現在は日向翔陽ら1年生が入ったことを切っ掛けに、そして烏養監督の孫である烏養繋心をコーチに迎え入れたことで再び力を付け、"飛べない烏"という汚名を返上することになります。

烏野高校における縁下力は他に比べ抜きんでたステータスはないものの、バランスよく攻守をこなせる所謂オールラウンダーです。精神面においても、とある経験もあって窮地でも諦めない性格の持ち主となっています。日向や影山など実力のある1年が入ってきたことで、2年生ながらスタメンに選ばれることはないですが、それでもメンバーを支えられるポテンシャルを持った大事な人物になります。

烏野は現在の3年生が安定した実力を持っており、また派手な1年生が多いため2年生はその陰に埋もれてしまいがちですが、2年生も基礎力は非常に高く、どのような場面でも「普段通り」のバレーを行える強さがあります。縁下は、そんな烏野2年のなかで、派手に目立つ2人と地味ながらもいつでも通常通りのことが行える2人の間に挟まれた、ちょうど中間くらいの立ち位置と言えるのではないでしょうか。

縁下力はスタメンにあまり入ることはなく控えに居ることが多いイメージです。ですが試合中に控え内での仲間のフォローをしたり、テスト期間に入ると同学年の田中や西谷に勉強を教えたりなど、非常に面倒見の良い性格をしていますね。この面倒見の良さが彼の持ち味の一つであり、陰ながら皆を支えるという実に名は体を表すという言葉がピッタリな人物です。

烏野が1本筋を通しまとまっているのは、澤村という土台の大きさが理由だと考えられます。きちんと締めるときは締めてくれる人がいるからこそ、自由に羽ばたくことができるのです。縁下はまさに次世代の土台としてピッタリな人物で、3年卒業後も大丈夫だと思われてくれる安心感がありますね。

縁下力は基本的にはおとなしい性格ので、田中や西谷に比べると影も薄く一見穏やかに見えます。ですがよく暴走する田中や西谷の手綱を握り、きちんと制御出来る数少ない人物で、月島などクセのある人物も一言で黙らせるほどのツッコミ力を持っています。田中の姉である冴子からは２年の首領（ドン）と呼ばれ、2年生での力関係が容易に想像できますね。

もちろん、普段から鋭いツッコミをしたりするわけではなく、それはあくまで試合中や、田中や西谷の勉強がヤバイときなどにみせるだけで、普段はそれほど厳しい人物ではありません。しかし、普段優しく笑っているからこそ、その言葉の切れ味や笑顔の迫力がますのかもしれませんね。

縁下力は鳥養前監督が復帰した時に一度バレー部から逃げ出した過去があります。復帰までは部活として楽しくバレーをやっていた彼ですが、鳥養繋心の勝つための本気の指導に付いていくのが辛くなり、部活をサボることに。しかし、逃げ出した初めの頃は「暑い中走らなくていい」、「怒られなくていい」と感じていたのですが、彼はバレーを諦めることができませんでした。

縁下は、部活をサボるようになって「逃げる方が後から余計にしんどくなる」ことに気付きます。縁下は逃げてしまった負い目を抱えながら、バレー部に戻り、自分の情けなさを常に心に置いていました。現在でもその負い目は消えていませんが、だからこそ彼には「逃げ出したくなる選手の気持ち」を理解することができる人物になったのです。

縁下力は一度逃げ出した経験もあり、ひたすらにまっすぐ熱血なだけでなく、様々な個性溢れる部員達の気持ちをくみ取れる器量を得ました。縁下自身は過去の経緯から 「こんな根性無しには務まらない」と余り気乗りしていなさそうではありますが、彼には間違いなく次期主将としての素養があると思われます。

後輩の面倒見もとてもよく、同期のメンバーをしっかりコントロールでき、バレーに対する強い情熱を持ちながらも、挫けてしまった人の気持ちも同じ目線で理解してあげられる、そういった所が彼の良い所であり次期主将と期待される所以なのかもしれません。それは、同級生だけでなく1年も感じていることで、彼こそ烏野を引っ張っていくのに相応しい次期部長と言えるでしょう。

縁下力はあまりスタメンに入ることのない準レギュラーなのもあって、正直作品中は影の薄いことが多かったと思います。青葉城西との練習試合での登場はありましたが、そのときも目立った大きな活躍をしたということはなく、その後春高の予選で縁下が出るのを見た青葉城西の及川や岩泉も、あまり記憶に残ってないと発言するほど。

そもそも個性的なメンツばかりの烏野で、大人しい人物が目立つのは至難の技ですよね。しかし、縁下の長所と魅力はその大人しさ。大人しさは言い換えれば落ち着きがあるということで、落ち着きがあるということは、それだけチームを支える土台に揺らぎがないということになります。そんな、支える土台としての片鱗を見せたのが、春高予選の和久谷南戦でした。

この「根性無しの戦い」というお話で、縁下力という存在が脚光を浴びることとなります。とあるハプニングが原因で現主将の澤村がコートから退かなくてはならなくなった時に彼が交代選手として抜擢されるのですが、周囲のギャラリーは重要な場面でのこの意外な大抜擢に騒然となります。しかし日頃から縁下力という存在を高い評価で認めていた烏野メンバー達にとっては納得の人選でした。

現在、漫画最終章へと突入し、主人公が縁下より1学年下であることなどから、ド派手な活躍というのは、もしかしたらないかもしれません。しかし、その秘めるキャプテンシーを見せたことで、今後選手としてではなく、別の形でみんなを支える人物として登場することもあるのではないでしょうか。

これからアニメも放送されるなかで、縁下の出番が増える可能性もあります。アニメでは、シーンを繋げたり、話数配分の関係でオリジナルシーンが追加されることも多々あり、そのなかで、縁下のシーンが追加される可能性も否定できませんよね。

『ハイキュー!!』で縁下力の声優を務めたのは増田俊樹さんです。ミュージカルなどの舞台にも出演しており、現在多くの人気作に次々と出演している注目の声優さんになります。女性からの人気が高く、また歌も上手いことからアイドル作品への登用が多いのも印象的ですね。

デビュー作品が、2019年に20周年を迎えた大人気作『テニスの王子様』のミュージカルで、そのうえファンも多い人気の高いキャラクターを演じたことで一気に注目を集め、声優デビュー直後から名前のある役を演じるなど、その実力の高さがうかがえますね。

同じジャンプ作品の『黒子のバスケ』では、ラスボス校のキャラクターとなる葉山小太郎の声優を担当。無邪気のなかに隠れる闘志が印象的でしたね。

また、同じジャンプ作品で、アニメで大活躍を見せた『僕のヒーローアカデミア』の「切島鋭児郎」の声優も担当しました。男気溢れる熱血さがかっこいいキャラですね。

女性向けスマホアプリが原作ながら、2クールという長スパンアニメが放送された『あんさんぶるスターズ!』で、人気キャラクター「朔間零」の声優を担当。低く気怠げな声が印象的です。

『ハイキュー!!』といえば、やはり選手のアニマル化が特徴ですよね。縁下カラスは従来の優しさと、一歩引いた大人しさがあり、非常に可愛い印象を受けますね。

和久谷南戦で一気に注目を集めた縁下は、田中や西谷と並び、一緒にグッズ化されることが増えました。縁下のグッズは元々の数が少ないので、こういった一番くじもチェックしておきたいですね。

『ハイキュー!!』と縁下が好きなら是非ゲットしておきたいモザイクアート。『ハイキュー!!』のシーンで縁下を作っており、ファンなら買って損なしですね。

凄まじい運動能力を持ち合わせているわけでもなく卓越した超技術を獲得しているわけでもない、至って普通なうえに普段は大人しく、過去に負い目を背負っている縁下。しかし、統率が非常に難しい烏野メンバーを統率出来き、次期主将として期待される大きな器を持ち、一度逃げたからこそ分かる心情と、プレッシャーにも耐える強い心を携えた縁下は、間違いなく次年度の烏野を支える要となるでしょう。

アニメ4期がどこまで描くのかわかりませんが、アニメでの活躍も期待したいですね。