名探偵コナンは1994年から週刊少年サンデーで連載が始まった青山剛昌さん原作の推理漫画作品及びその派生作品です。1996年にはテレビアニメ版名探偵コナンの放送が始まり、現在でも大人気放送中のアニメの一つとなりました。また、アニメ放送開始の翌年1997年には劇場版名探偵コナンが公開され、初公開以来毎年1作品ずつ新作の劇場版名探偵コナンが公開されています。
高校生探偵の工藤新一は幼馴染の毛利蘭と遊園地で遊んでいたときに黒ずくめの男の怪しい取引現場を目撃します。取引を見ることに夢中になっていた新一は背後からもう一人の仲間に殴られ気を失ってしまいました。そして毒薬を飲まされてしまった新一は、目が覚めると小学1年生ほどに身体が縮んでしまっていた!
工藤新一が生きていることが組織に知られれば周囲の人間に危害が及ぶと助言を受けた新一は『江戸川コナン』と名乗り、数々の難事件を解決しながら黒の組織の陰謀を追う!
白鳥任三郎は警視庁刑事部捜査第一課強行犯捜査三係所属の刑事です。国家公務員1種試験を合格して警視庁に入庁したキャリア組であり京都府警の綾小路文麿とは同期です。年齢は30代前半とされています。佐藤刑事に『君』付けれ呼ばれていることから彼女よりは年下です。
佐藤刑事の2つ下の高木歩とはふつうに話しているので彼よりは年上だと思われます。白鳥警部の初登場は名探偵コナンの劇場版第1作目の『名探偵コナン 時計仕掛けの摩天楼』に容疑者の一人として登場しました。初登場時の白鳥警部の階級は『警部補』でありましたが、原作・アニメ版への登場時に『刑事』に昇級しました。
作中で白鳥警部は目暮警部の部下のような存在と見れますが、厳密には部下ではありません。初登場時はまだ警部補であったため目暮の下についていましたが、警部となって班を持つようになったことが千葉刑事の発言により明らかになっています。
また、白鳥警部はお金持ちの『お坊ちゃん』であり、少年時代の白鳥警部は法律家を目指していました。しかし助けた少女に「桜は警察の花。強くてかっこいい正義の花。」という言葉をきっかけに刑事の道へと歩むことになりました。
白鳥警部はキャリア組にありがちな単なる優等生キャラでは無く、捜査能力などは比較的に上位な方に位置しており、作中ではコナンより早く犯人を指摘する一面も見られます。コナンに対しては初めは観察力に少しだけ優れた普通の子だと思い捜査に介入させないようにしていましたが、ストーリーが進むにつれてコナンの事を理解し始め、コナンの助言を素直に聞くようになりました。
白鳥警部は基本的に生真面目であり慎重な性格の持ち主ですが、時には大胆な行動を取ることもあります。連続爆弾魔事件(テレビアニメ304話)では自分の車内に仕掛けられた爆弾がドアを開けることで爆発することを悟りながらも犯人からのメッセージをいち早く佐藤刑事に見せたいがためにドアを開け、急性硬膜下血腫に陥るほどの重症を負いました。
劇場版『名探偵コナン 14番目の標的』は名前に数字の付くキャラクターが13から順番に一人ずつ狙われていくというシナリオであり、『3』の付く人物として白鳥警部が登場します。そして白鳥警部の下の名前は和声コロンボ事古畑任三郎にちなんで『白鳥任三郎』と命名されました。
そんな白鳥警部は少年時代に助けた少女の正体が佐藤刑事だと思っており、それをきっかけに佐藤刑事に好意を寄せていました。そして高木刑事と交際していた佐藤刑事を隙あらば別れさせようとしたり、高木刑事と佐藤刑事の仲が険悪になると喜んだりと婉曲的な一面も描かれています。
しかし当の佐藤刑事は白鳥警部を『かなりの変人』として見ており、白鳥警部が眼中にないことは明白でした。そして佐藤刑事だと思っていた少女の正体が帝丹小学校の江戸川コナンたちの担任である小林澄子だということが判明し、それ以降は佐藤刑事と高木刑事の恋路の邪魔を辞め、小林澄子と相思相愛の仲に発展しました。
小林澄子は帝丹小学校18期卒業生で現在は1年B組の担任の26歳の女性です。帝丹小学校に赴任した当初は、前の学校での失敗から生徒に厳しい面持ちで接していましたが、本当は怒ることが出来ないくらい優しい教師であり、素の状態に戻したからは生徒から慕われるようになりました。
普段は眼鏡をかけていますが、眼鏡を外して化粧をした時の姿が佐藤刑事に良く似ています。小林澄子は正義感が強く、少年探偵団の活動を知ってからは顧問を自称するようになりました。そして彼女は白鳥警部が刑事を目指すきっかけとなった人物であり、現在では恋人関係となり手作り弁当を渡すほどの仲となりました。
劇場版名探偵コナンの第一作目である『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』で初登場して以来、劇場版名探偵コナンにおける定番キャラとなり、原作やアニメ版にも登場を果たした白鳥警部は今では欠かせないキャラクターの一人となりました。
今ではレギュラーキャラクターの一人として扱われている白鳥警部ですが、本来は『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』のシナリオでの真犯人のダミー役として描かれたキャラクターでした。この劇場版作品では容疑者が森谷帝二に絞られていたため、それを補う犯人のダミー役を登場させることになり、それが白鳥警部だったわけです。
白鳥警部は原作者である青山剛昌さんに出来るだけ怪しく見えるようにデザインされており、白鳥警部の声優を担当する塩沢兼人さんにも怪しい演技を要求していました。そして迎えた劇場公開では、毛利小五郎が白鳥警部を犯人だと指摘した場面の塩沢兼人さんの怪しすぎる演技が観客にウケ、劇場で爆笑が起ったそうです。
この爆笑がきっかけとなり、1度キリの登場予定だったダミー役から昇進して『劇場版のみの変な役』として劇場版レギュラーに、そして原作にも登場したためテレビシリーズでのレギュラー入りも果たしました。
名探偵コナンの中でも根強いファンを持つ白鳥警部ですが、一部のファンからは『白鳥警部が黒幕の正体』ではないかと噂され、長期に渡り話題となりました。黒の組織に所属しているメンバーは皆お酒の名前がコードネームになっており、白鳥警部が黒幕と噂される理由となったのは『ホワイトスワン』というカクテルの存在でした。
名探偵コナンの原作者である青山剛昌さんは、黒幕の正体について「既に作中に登場している」「意外な人物」ということを公言していました。しかし白鳥警部の正体が黒幕のボスであるとすると今までのストーリーのあちこちに矛盾が生じ、白鳥警部黒幕説が曖昧なままになっていました。
黒幕の正体である『あの方』は、ピスコが長年仕えたことのある人物です。つまりお爺さんです。この時点で白鳥警部は年齢的にも除外されますね。そして2017年12月13日に発売された週刊少年サンデーでついに長年の伏線であった『あの方』の正体が判明。『あの方』の正体は烏丸連耶という大富豪であり、晴れて白鳥警部の疑いは晴れました。
初登場してから劇場版第4作品『名探偵コナン 瞳の中の暗殺者』までの白鳥警部の声優は塩沢兼人さんが担当していました。塩沢兼人さんと言えば『クレヨンしんちゃん』のブリブリざえもんや『北斗の拳』のレイ、『聖闘士星矢』の牡牛座のムウなどが代表作として有名です。しかし2000年5月に塩沢兼人さんは不慮の事故で亡くなられ、多数のレギュラーを持ち大人気であった声優の早すぎる別れは世界中に衝撃を与えました。
白鳥警部の声優として塩沢兼人さんの後継に抜擢されたのは井上和彦さんです。井上和彦さんは1970年代から活躍し続けている声優の大御所であり『サイボーグ009』の島村ジョーで人気を高め、『リトル・マーメイド』のリリック王子などのアニメ映画の吹き替えも担当しました。『家庭教師ヒットマンREBORN!』のγ(ガンマ)や『美味しんぼ』の山岡士郎、『アルスラーン戦記』のダリューンなどの名作アニメの声優も多数担当しています。
劇場版専用のレギュラーキャラクターから、原作・アニメシリーズへのレギュラー入りを果たしたほど今では大人気となり、名探偵コナンに欠かせない重要人物となった白鳥警部。そんな白鳥警部の劇場版登場回をまとめました。
劇場版名探偵コナンではほとんどの作品に白鳥警部は登場しています。白鳥警部が登場していないのは第17作『絶海の探偵』、第19作『業火の向日葵』、第20作『純黒の悪夢』、第21作『から紅の恋歌』となっています。
心に響く名言や名台詞の多い名探偵コナン。時には考えさせられらり、かっこ良すぎる言葉などが多くのファンの心を鷲掴んでいます。今回は『変人』に思われがちな白鳥警部の名言や名台詞をピックアップしてご紹介します!
『やっと思い出していただけましたか…この子達が産まれる…遥か前から…僕が貴方に…恋をしていたことを…』『もっとも、夢を叶える道具であるバットを口封じの凶器として用いたあなたには…夢を語る資格はみじんもありませんけどね…』
『そんなに怖い顔しないでください…すぐに結婚しろとは言いません…あなたの気持の整理がつくまで、ずっと待ち続けるつもりです…僕はいつでもあなたの味方ですから…』
『その紙をすぐにあなたに見せたくて…あ、あなたを悩ませている消せない記憶…それを吹っ切るチャンスですから…』ロマンチストな白鳥警部、やはり恋が絡むとかっこいい台詞が多いです!
今回は名探偵コナンに登場する刑事・白鳥任三郎警部についてご紹介させていただきました。今では名探偵コナンに欠かせないキャラクターの一人としてお馴染みですが、観客が笑わなければもう2度と登場すること無く忘れ去られていたかもしれません。
レギュラー入りを果たして刑事に昇進した白鳥警部は名探偵コナンの中でも人気なキャラクターとなりました。仕事に恋に大忙しでロマンチストな刑事さん、白鳥警部の今後の活躍が楽しみですね!