肉の再冷凍で味や食感の劣化に!
肉はもちろん、多くの食品は一度冷凍すると味や食感が落ちてしまいます。それは、冷凍する過程で肉の組織に含まれている水分も冷凍され、組織が壊されてしまうからです。その結果、肉の旨味成分であるドリップが解凍と同時に水分とともに排出され、味も食感も落ちてしまいます。再冷凍は解凍を2回繰り返すことになるので、味や食感の劣化はさらに顕著になってしまいます。
肉の再冷凍は食中毒のリスクを高める!
肉の再冷凍は、味や食感の問題だけではなく、食中毒の危険からいっても基本的にはNGです。冷凍と解凍を繰り返すことにより、肉の温度も著しい変化を繰り返します。すると、食中毒の原因となる微生物の活動が活発になり、増殖してしまいます。多くの微生物は80℃以上の加熱で死滅しますが、100℃以上の加熱でも生き残れる微生物も存在します。
再冷凍は冷蔵庫で解凍した肉ならOK!
肉の再冷凍は基本的にはNGですが、冷蔵庫で解凍した肉であればOKです。それは、冷蔵庫内は温度が一定に保たれていて微生物の増殖を一定の期限抑えることができるからです。冷蔵庫内の温度が2℃~5℃に保たれていれば、食中毒の心配もなく美味しく肉を食べることができます。ただし、解凍に4~8時間程度かかってしまいますが……。
肉の再冷凍のコツ
食中毒の心配がなく、味を落とさずに冷凍するポイントは三つ。一つ目は、購入する際に賞味期限が長い肉を選び、鮮度の高いうちに素早く冷凍すること。二つ目は、肉をラップするときには空気を抜き、保存袋に入れて密封すること。三つ目は、冷凍速度を速めるために小分けしに、アルミトレーに乗せて冷凍すること。
肉の再冷凍後の解凍方法:水浴
再冷凍した肉をする解凍する方法として、水浴はとても手軽で有効です。冷凍した肉を水が入らないようにビニール袋などで密封します。解凍したい肉の大きさに合ったボウルなどに入れて水道水で浸しながら解凍していきます。解凍には30分程度かかりますので、途中2~3回水を交換してください。
肉の再冷凍後の解凍方法:流水解凍
水浴よりもより速く、確実に解凍したいのであれば、流水解凍がおすすめ。ただし、たくさんの水が必要になります。
肉の再冷凍後の解凍方法:氷水解凍
再冷凍した肉を氷水につけて解凍する方法です。氷水は冷蔵庫内とほぼ同じ温度ですが、空気より熱伝導率の高い水で解凍するので、解凍時間は短縮できます。
肉の再冷凍後の解凍方法:温浴解凍
温浴解凍とは、60℃のお湯に浸して肉を解凍する方法です。冷凍した肉を水が入らないようにビニール袋などで密封し、60℃のお湯の中に浸せば20分程度で解凍します。解凍途中にお湯をかき混ぜたり注ぎ続けるとより速く、確実に解凍できます。
肉の再冷凍後の解凍方法:加熱解凍
肉が凍ったまま加熱調理する方法で、食中毒の危険はグンと少なくなります。冷凍肉を鍋やフライパンに入れ、70ml程度の水を加えて入れ蓋をし、強火で3分、余熱1分で解凍できます。後は、そのまま調理すればOK。
肉の再冷凍後の解凍方法:電子レンジ
肉を電子レンジで解凍すると、最も速く解凍できます。ただし、電子レンジでの解凍は部分的に火が通ってしまって解凍にムラが起こりやすく、あまりおすすめできません。また、電子レンジで解凍したときは、素早い調理が必要です。
冷凍しても永久保存は危険!
冷凍した肉を冷凍庫で保存すれば、期限なく保存できるわけではありません。冷凍保存の期限が長くなるほど味の劣化や食中毒の危険が高まります。家庭用の冷蔵庫であれば、数週間から1ヶ月以内の期間内に調理した方がよいでしょう。
まとめ
肉の再冷凍は冷蔵庫で解凍したものであれば問題はなく、解凍する際にもいくつかの解凍方法を知っていれば美味しく、食中毒の心配もなく調理できることがわかりました。肉の再冷凍をする際には、ぜひ参考にしてみてください。