福島の方言の特徴
濁る音
柿を「カギ」といったり、酒を「サゲ」といったり、音が濁ることが多いのが福島弁の特徴の一つです。
ベェベェ言葉
〜だべ・〜べ・〜だんべなど、語尾に“べ”がつくベェベェ言葉が多用されます。二本松市や郡山市など一部の地域では、〜だばいや〜だっぱいと言います。
無アクセント
アクセントの決まりを持たず、例えば「橋」と「箸」、「歯医者」と「廃車」など同拍同音語についても同じイントネーションで発音します。また、多くの場合、全ての語が平ら、または真ん中が少し高くなるイントネーションで発音され、ほぼイントネーションがない状態なので、他県の人にとっては聞きずらいことも多く、前後の文脈で判断する必要があります。
福島の有名人
西田敏行
歌手・俳優・タレント・ナレーターなど幅広いジャンルで活躍されている西田敏行さんは、福島県郡山市出身です。日本アカデミー賞組織委員会副会長も務めています。
梅沢富美男
俳優・歌手の梅沢富美男さんは、福島県福島市出身です。最近ではワイドショーのコメンテーターとしても知名度をあげていますが、一方で大衆演劇での妖艶華麗な女形という一面もあり、幅広い活躍を見せられています。
伊東美咲
女優の伊東美咲さんは、福島県いわき市出身です。ドラマ『電車男』のエルメス役としても有名ですね。現在は3人のお子様のママでもあります。
松井愛莉
モデルで女優の松井愛莉さんは、福島県いわき市出身です。女性アイドルグループの『さくら学院』の元メンバーで、女性ファッション誌『Ray』の専属モデルを務めています。
白鳥久美子(たんぽぽ)
女性お笑いコンビ・たんぽぽのメンバーである白鳥久美子さんは、福島県郡山市出身です。2018年には24時間テレビ内で公開プロポーズを受け、同じくお笑い芸人のチェリー吉武さんと結婚しました。
定番や可愛い・面白いものまで!福島方言14選!
ここからは、福島の方言を定番から可愛い・面白いものまで14選でご紹介します。独特なイントネーションで初めての人には聞き慣れない方言もたくさんありますが、標準語と同じ言葉なのに意味が異なるものなど興味深いものばかりですよ!
福島方言Part.1|すっぺ
「すっぺ」は、語尾につけて「〜しよう」という意味になります。合わせる言葉によっては、「〜っぺ」のみをつけることもあります。「がんばっぺ」という言葉は東日本大震災の復興慣例でよく見かけたのではないでしょうか。
福島方言Part.2|だいじ
「だいじ」は、「大丈夫」の意味です。標準語の「大事」とは異なります。転んでしまった人に対して「だいじ?」などと声をかけて使います。標準語の人からしてみると、「何が?」なんて返してしまいそうですね。
福島方言Part.3|うっつぁし
「うっつぁし」は、「うるさい」という意味です。なかなか標準語ではないような発音で、標準語に慣れている人にとっては発音が難しいですよね。「いびきがうっつぁしくて眠れなかった(=いびきがうるさくて眠れなかった)」などと使います。
福島方言Part.4|がおる
「がおる」は「病気になる」という意味です。なんとなくライオンなどの動物の絵が思い浮かび可愛い印象も受けますが、実際には可愛らしい意味ではありません。「風邪でがおって寝てた(=風邪で具合悪くて寝てた)」などと使います。
福島方言Part.5|きかない
「きかない」は、「乱暴だ」という意味です。「きかなんぼだね!(=乱暴な子だね!)」と、やんちゃな子供を躾けるときなどにもよく使う言葉です。
福島方言Part.6|あっぱとっぱ
可愛らしい響きの「あっぱとっぱ」は、「慌てる」という意味です。「寝坊して朝からあっぱとっぱしちゃった(=寝坊して朝から慌てちゃった)」などと使います。標準語よりも慌ててあたふたした様子が伝わるようで、可愛い方言ですよね。
福島方言Part.7|さすけね
「さすけね」は、「問題ない」「大丈夫」「気にしなくて良い」という意味です。大河ドラマのセリフなどでもたまに使われる方言です。「差し支えない」が語源で、「さしつかえねえ」→「さすけね」となまって変化していったと言われています。「さすけねよ(=気にしなくて良いよ)」などと使います。
福島方言Part.8|いたましい
「いたましい」は「勿体無い」という意味です。標準語では、「いたましい」は「痛ましい事故など痛々しいという意味で使うので、同じ言葉でも意味が異なる面白い方言ですね。捨てるのが勿体無いものや、食べ残しなどに使います。
福島方言Part.9|うるかす
「うるかす」は、「水に浸す」という意味です。「このお茶碗うるがしておいて〜(このお茶碗水に浸しておいて〜)」などと使います。漢字にすると「潤かす」となります。
福島方言Part.10|いじりこんにゃく
初めて言われたらキョトンとしてしまいそうな面白い方言が、「いじりこんにゃく」です。意味は、「いじくりまわす」という意味です。人気テレビ番組『秘密のケンミンSHOW』でも取り上げられ話題になりました。こんにゃくという言葉がある通り、語源はこんにゃくを作るときにこねすぎると上手にできないことからきているようです。
福島方言Part.11|おだつ
「おだつ」は、「ふざける」「興奮する」という意味です。動物や子供などが興奮してうろちょろしている様子などに使います。「うちの犬、お客さん来るとおだっちゃって…(=うちの犬、お客さん来ると興奮しちゃって…)」などと使います。
福島方言Part.12|おちる
福島弁の「おちる」は、「降りる」という意味です。標準語と意味が異なる面白い方言ですね。「バスからおちるよ」と言われたら、「バスから降りるよ」という意味になるのですが、知らないとびっくりしますよね。特にお年寄りが使う方言です。
福島方言Part.13|だっけ
「だっけ」は語尾につけて使いますが、標準語で使う「〜だっけ?」という疑問文とは異なります。福島弁での「〜だっけ」は、ただただ「〜なんだ」と伝えているだけです。特に何も聞かれていないことがほとんどなので、「〜だっけ」を間違って疑問文と解釈してしまうと、会話がすれ違ってしまいます。
福島弁の「〜だっけ」のイントネーションも、語尾を少し伸ばしてから尻上がりに発音するので、標準語の「〜だっけ?」のイントネーションとは少し異なります。
福島方言Part.14|だから
こちらも標準語とは意味が異なる面白い福島弁です。標準語では、接続詞として「だから」があり、「AだからB」といった感じで、原因・理由となる言葉の後に使用し、その後にも結果となる言葉が続きます。
しかし、福島弁の「だから」は、「そうだよね」「それな」といった同意の意味です。その後に特に言葉は続かないことも多いので、福島県民以外からは「だから何?」などと言われてしまうこともあるようですよ。
可愛い福島弁で言われたい!告白フレーズ5選!
ここまで定番から面白い、可愛い福島弁についてご紹介してきましたが、方言は告白フレーズにするとより可愛さが引き立ちますよね。気になる可愛い福島弁の告白フレーズについてもご紹介します!
福島方言の告白フレーズPart.1|おめえのことが好きだっちゃ
「おめえのことが好きだっちゃ」は、「あなたのことが好きです」という告白フレーズです。ストレートな告白ですが、可愛く親しみやすい雰囲気が素敵ですよね。「だっちゃ」は『うる星やつら』のラムちゃんの口癖としても知られていますが、このラムちゃんの「だっちゃ」も、東北弁からきているようです。
福島方言の告白フレーズPart.2|好ぎに決まってっぺ
「好ぎに決まってっぺ」は、「好きに決まっているだろ」といったニュアンスで、男性の告白に向いているフレーズです。「〜っぺ」が福島らしい印象ですよね。照れながらもストレートに伝えてくれているような男らしさにきゅんとしてしまいますね。
福島方言の告白フレーズPart.3|おらと付き合ってくんち
「おらと付き合ってくんち」は、「私と付き合ってください」という定番の告白フレーズです。福島では女性でも自分のことを「おら」と言います。「くんち(くんちぇ)」は「ください」の意味ですが、なんだか柔らかい雰囲気になるので、ほっこりしそうですね。
福島方言の告白フレーズPart.4|そうだけんちょも、おめえに惚れてる
「そうだけんちょも、おめえに惚れてる」は、「そうだけれども、君に惚れているんだ」という意味になります。プチ喧嘩になってしまった時や彼女が嫉妬しているときなどに使えるストレートな告白フレーズです。「そうだけんちょも」が「そうだけれども」という意味になります。
福島方言の告白フレーズPart.5|こっちゃさあばんしょ~
「こっちゃさあばんしょ~」は、「こっちにおいで」という意味です。デート中などに使えるフレーズですね。福島弁では「行こう・来い」という言葉を「あべ・あばせ・あばへ・あばんしょ」などと言います。一度は言われてみたい胸きゅんフレーズですね。
まとめ
いかがでしたか?福島の方言について、定番から面白い・可愛いもの、さらには胸キュン告白フレーズまでご紹介しました。アクセントやイントネーションが独特な福島の方言。「だから」「だっけ」など標準語と同じ言葉でも意味が異なるものも多く、興味深かったですよね。福島に訪れることがあったら、ぜひ地元の人と交流して、福島弁を聞いてみてくださいね。