人造人間18号は初登場と同時にその美貌と戦闘力で大人から子供まで多くのファンを獲得しました。初めは敵キャラとして登場した人造人間18号ですが、その後も主要キャラとしてアニメ版を中心に多くの活躍をしています。 そのファンの割合は男性だけではなく、コスプレをする人がいるほど多くの女性にも愛されているかわいいキャラクターです。

原作で明かされていることですが、そんな彼女を作り出したのは悪のマッドサイエンティスト「ドクター・ゲロ」です。悪のマッドサイエンティストと称されるだけあり、生みの親であるドクター・ゲロの人物像は難ありと揶揄されています。

ドクター・ゲロの才覚は本物で同じ発明家であるブルマやブリーフ博士に天才といわれているほどです。 ドクター・ゲロは人造人間18号以外にもセルや人造人間19号、16号、他にも18号の双子姉弟の人造人間17号と多くの発明品を作り出しました。

双子の姉弟になる人造人間17号にも当てはまることですが、人造人間と呼ばれている18号は一から作られた機械ではありません。細胞レベルで超人的に創り変えられただけの元は普通の人間なのです。

また、人造人間17号と人造人間18号は元人間であり、双子でもありました。17号の名前はラピスで、18号の名前はラズリという名前で、二人の名前を合わせると「ラピスラズリ」という宝石の名前になります。

人造人間18号は、切れ長な目に透き通るような金色の髪と青い瞳を持っています。外見一つとっても読者を魅了させるほどの美貌の人造人間18号は、初登場時から多くの読者の目を惹いたことでしょう。その風貌はかわいい女の子というよりもかっこいい女性と呼ぶに相応しく、性格の面でも男らしい部分が多く見られます。

そんな人造人間18号の性格はとても好戦的で男のような荒い言葉遣いが目立っています。金銭にがめついなど粗野な面も作中では度々表現されていて、男っぽいというよりも男そのものという印象を抱くことでしょう。悪役として作られたというのもあるのでしょうが、性格だけを見ればあまり人に好かれるようなキャラには見えません。

それでも男女問わず多くの読者に愛されているのには理由があります。かっこいい女性という外見も理由の一つにありますが、最大の要因は人造人間18号が時折見せる女の子らしさにあります。

クールで高飛車な態度を見せるながらもさり気なくファッションに気を遣っているかのような描写がされたり、クリリンに対し女の子らしい悪戯をしたりと外見に反した幼さやウブな様子が垣間見え、そのギャップに心を鷲掴みにされるのです。

初登場は人造人間編になります。その後は多くのストーリーで登場するシーンを見ることができ、サブキャラというよりも主要キャラに近い立ち位置です。

男性の心を的確に刺激する魅力に溢れた人造人間18号がドラゴンボールの作中で登場したのは、人造人間編と言われる時期です。人造人間編が開始したのはドラゴンボールの大人気キャラフリーザが初めて登場したナメック星編が完結した頃で、孫悟空のサイヤ人化をきっかけにドラゴンボールの作中で戦闘力のインフレが始まった時期でもあります。

ドラゴンボールを深く知らない人でも名前ぐらいは知っているセルもこの人造人間編で登場し、戦闘力のインフレに合わせてか圧倒的な戦闘力を有しています。そんな状況の中、登場した人造人間18号やその弟の17号の戦闘力も群を抜いていて、超サイヤ人化する前とはいえ代表キャラともいえるベジータを圧倒するほどでした。

また悪役としての登場からか、当初の人造人間18号の性格は残虐非道だったようです。ドクター・ゲロの改造が原因とされていて、当の生みの親でもあるドクター・ゲロですら恐れるほどの悪逆無道の限りを尽くしています。一度は停止処置を施され、その後再び目覚めさせられた時にはその性格はドクター・ゲロの手によって矯正され、人造人間編の中で人造人間18号のその姿は見ることはできません。

人造人間編の後も人造人間18号の戦闘力は衰えることはなく、ドラゴンボールの作中においても実力者として名を連ねています。夫のクリリンよりも強く、何かと夫のクリリンを尻に敷している姿を見ることができます。

人造人間編の七年後の魔人ブウ編では人造人間18号は天下一武道会に出たり、魔神ブウ編でベジータに殺された人々を生き返させるためにドラゴンボール集めに同行するなど戦闘面での出番も多く用意されていました。

完全オリジナルシナリオで構成されたアニメ「ドラゴンボールGT」に中でも人造人間18号は登場していて、この頃になると作品に欠かせない重要なキャラクターとして扱われています。

「ドラゴンボールGT」の超17号編の中で人造人間18号は地獄から蘇ったドクター・ゲロが作り出した超17号によって夫のクリリンを殺されてしまいます。その際に見せた人造人間18号の激情は初登場の時には想像できなかった愛に溢れ、見た目に変化は無くとも長い年月の中で人間らしく成長していました。

アニメ化に伴い、映像として命を吹き込まれドラゴンボールの世界を躍動する人造人間18号には漫画では表現しきれなかった魅力を存分に描写されました。また、ドラゴンボールの原作内では匂わせる程度だった設定を原作の世界観を壊すことなく、上手く強調して表現しています。同じ物語、キャラクターでも原作漫画とは少し違ったドラゴンボールの雰囲気を感じることができるのです。

そこで気になってくるのが人造人間18号はアニメと原作漫画ではどの程度変わっているのかです。人造人間18号の違った面を垣間見ることができるのはうれしいことですが、それが改悪となっていれば面白くありません。

その後、クリリンがドラゴンボールに願ったおかげで体内の爆弾が無くなった人造人間18号はクリリンの前から姿を消します。しかし、クリリンと同じようにファンも別れを惜しむ中、18号はクリリンの奥さんとして再登場しました。

まさかの展開にドラゴンボールの読者は驚かされることになりますが、クリリンの隣で照れた様子を覗かせる18号は人造人間編では無かった人間らしさが滲んで、微笑ましく感じられます。

クリリンと結婚後も人造人間18号は度々登場し、その後の様子とともに初登場になる人造人間編では見れなかった人間らしさを見せています。性格の面で大きな変化はなく、初登場の時に感じた印象が変わることはありませんが、クリリンとの結婚をきっかけに人間味が増しています。

物語が進むとクリリンとの間に娘のマーロンを授かり、母親となったことで母性に目覚めます。荒い言葉遣いながらその端々に子や夫を想う様子が感じられたり、家族の身を案じている描写がされたりなど良妻賢母ぶりを魅せてくれるようになりました。

人造人間編で人造人間18号と共に初登場した未来のトランクスが暮らす世界はIfの世界線と言われています。本編とは似ているようで違う「パラレルワールド」のような物として語られ、所謂「未来編」と呼ばれる世界線です。その世界で登場する人造人間18号は本編の人造人間18号とはまったく違う性格と結末を迎えていて、最早別人のように感じられます。

未来編に登場する人造人間18号と本編の人造人間18号の大きな違いは性格でしょう。本編の人造人間18号は元悪逆無道でしたが人造人間編で目覚めた後、物語で一人も人を殺めたことはなく、武力を行使しても逆らわなくなる程度に痛めつけるだけでした。

しかし、未来編に登場する人造人間18号は本編の人造人間18号とはまったくの正反対で孫悟空の死後、人造人間17号と共に突然現れた人造人間18号は暴虐の限りを尽くしました。本編との違いに驚きますが戦闘力は何故か本編の人造人間18号よりも弱く、人造人間編後未来に帰ったトランクスにあっけなく壊されています。

人造人間18号はクールな顔立ちとかわいい性格で多くのファンを獲得しました。クリリンとの結婚は多くのファンを驚かせ、作品内で年月が経つと共に初登場時には無かった様相を見せます。少女から女性へ変化していく様も見れるかわいいキャラクターとなっています。