日本酒のランクづけ方法
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日本酒の種類については、特撰、上撰などたくさんのものがあるのを見ていることでしょう。日本酒は製造方法やランクによって値段も違ってきます。特撰、上撰といったランクづけは各社独自の名称によるものですが、商品を選ぶひとつの目安となります。
以前は日本酒の種類を分けるとき「一級酒」「二級酒」といった表示をしていましたが、1992年にこのような級別制度は廃止となりました。
現在は、精米歩合、こうじ歩合、アルコール添加量などの製法によって、日本酒の種類を区別しています。
精米歩合とは?
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みなさんも精米歩合という言葉を一度は聞いたことはあるでしょう。
精米歩合とは、元々の米から玄米が削られた割合のことをいいます。玄米に対して白米が占める重量割合として使われている言葉です。たとえば、精米歩合60%であれば、米表面の玄米が40%削られたということを意味しています。
私たちが普段家庭で食べている米は、だいたい精米歩合90%前後なのですが、いいかえれば、米の表層を10%削って造られているということです。米の表面部分にはビタミンやタンパク質などが多く含まれているので、家庭ではあまり精米歩合をせずに食べられています。
ですが、日本酒づくりの場合、このミネラル要素が多いと日本酒の香りに影響したり、味を落としたりすることになるので、精米をして白米の成分だけを残すようにしています。精米歩合の割合が低く、お米を削る作業が増えるほど、日本酒の値段も高くなっていきます。
特定名称酒と普通酒!日本酒10種類
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大吟醸、本醸造などさまざまな種類がある日本酒ですが、大まかに分けるとその種類は「特定名称酒」と「普通酒」の2つになります。特定名称酒は原料や製造方法によってさらに8種類に分かれ、普通酒とは区別されています。
というのも、特定名称酒の清酒表示には、法律で決まった要件があるからです(国税庁課税部酒税課の酒のしおりより)。また、特定名称酒の8種類は酒質の違いから、吟醸酒、純米酒、本醸造酒の3つに分類することができます。
日本酒の種類としては、ほかに醸造用アルコールを使っているかどうかもポイントです。日本酒の主な材料は、米と水ですが、清酒によっては純粋アルコールを混ぜている種類もあります。醸造用アルコールを使うメリットは、清酒の香りと味をよくし、味をまろやかにする働きが期待できることです。
醸造用アルコールの有無で日本酒の種類を分けた場合、純米酒、本醸造酒、普通酒の3種類に分類できます。これについては以下で詳しくみていきましょう。
純米酒
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純米酒は米と米こうじのみで作られている日本酒で、アルコール添加はありません。純粋な日本酒という感じですね。
本醸造酒
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本醸造酒は、米、米こうじに、醸造用アルコールを加えたものです。普通酒との違いは醸造に使うアルコール量にあって、白米の総重量に対して10%未満に抑えるという決まりです。
普通酒
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特定名称酒の8種類以外をまとめて、普通酒と呼びます。本醸造酒と同じく、アルコール添加がある清酒です。昔から一般家庭でも飲まれている親しみのある清酒で、日本酒の7割近いものが普通酒となっています。
日本酒の種類の分け方はさまざまなので、もしかしたら混乱してしまうかもしれません。以下では、特定名称酒の8種類に普通酒2種類をプラスした、計10種類の日本酒をランク別にご紹介いたします。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
ランク別!日本酒の種類① 純米大吟醸
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純米大吟醸は、精米歩合50%以下の日本酒です。純米大吟醸という名称を名乗るためには、いくつかの香りと味の要件をクリアしなければなりません。その要件というのが「吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好」という3点です。
お米を50%以上削ってつくった清酒であり、職人の労力がかかっているだけに、値段も高くなることが多いです。
ランク別!日本酒の種類② 純米吟醸
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純米吟醸は、精米歩合60%以下の日本酒です。香りと味の要件は、「吟醸造り、固有の香味、色沢が良好であること」の3点です。40%以上のお米を削った清酒で、特別純米酒と同等の精米歩合となります。純米大吟醸では色沢の項目に、「特に」という文言が入っていましたが、純米吟醸ではそれが入ってないことが特徴です。
ランク別!日本酒の種類③ 特別純米
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特別純米の要件は、精米歩合60%以下または特別な製造方法となっています。香りと味については、「香味、色沢が特に良好」という2点となっています。純米吟醸と同じく40%以上お米を削った清酒です。
ランク別!日本酒の種類④ 純米酒
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純米酒では、特に精米歩合の規定はありません。「香味、色沢が良好なもの」であれば純米酒と表示できます。純米酒は精米歩合の規定がないので、精米の具合によって味が変わるのが特徴です。純米酒は昔から日本で親しまれている清酒で、純米醸造酒とも呼ばれます。
ランク別!日本酒の種類⑤ 大吟醸
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日本酒の種類⑤〜⑧は、醸造アルコールを使用した本醸造酒となります。
大吟醸は、精米歩合50%以下の日本酒で、「吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好」が香り・味の要件となっています。50%以上お米を削った清酒で、他の本醸造酒と比べると醸造アルコールは微量です。
ランク別!日本酒の種類⑥ 吟醸酒
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吟醸酒は精米歩合60%以下の清酒で、40%以上お米を削って造られます。香りと味の要件は、「吟醸造り、固有の香味、色沢が良好」の3点です。大吟醸と同じく、比較的醸造アルコールは少なめです。
ランク別!日本酒の種類⑦ 特別本醸造
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特別本醸造は、精米歩合60%以下または特別な製造方法で造られる日本酒。香味の要件は、「香味、色沢が特に良好」とされていて、これらが守られていれば特別本醸造と表示させることができます。40%以上のお米を削って造られた清酒です。
ランク別!日本酒の種類⑧ 本醸造
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本醸造は精米歩合70%以下の清酒で、香味等の要件は「香味、色沢が良好」であることです。30%以上のお米を削って造られた清酒でアルコール添加量にも上限があるようですが、大吟醸などと比べると添加の割合は多くなっています。
ランク別!日本酒の種類⑨ 普通醸造酒
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日本酒の種類⑨〜⑩は、普通酒(一般酒)と呼ばれる種類となります。
普通醸造酒は、本醸造よりも含まれる醸造アルコールの量が多くなるのが特徴です。
ランク別!日本酒の種類⑩ 増醸酒
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増醸酒は、戦後の米不足をきっかけに少量のお米から大量のお酒をつくるために開発された三倍増醸法を使って造られたお酒です。醸造用アルコールを多く使い、糖分で味を整えてあるため、他の清酒より値段も安いものが多くなっています。
ほかの日本酒の種類
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日本酒の種類としては、ほかに火入れや貯蔵期間で分けられることもあります。火入れでは、一切火入れをしない生酒から、貯蔵のときだけ火入れをする生貯蔵酒などがあります。生酒は通常のお酒と比べて、劣化の速度は速くなりますが、日本酒の豊かな風味や香りを余すことなく楽しめるのが魅力です。
火入れをすることで、搾りたての状態と比べ味や香りは変化しますが、安定したお酒のおいしさがキープできるので、遠方への出荷など、蔵元から離れた地域でも地酒が味わえるという利点があります。
貯蔵期間は、日本酒の熟成期間ともいえ、比較的新しいものは新酒、1年以上寝かせたものは古酒と呼ばれます。
まとめ
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いかがでしたでしょうか? 今回は、日本酒の種類とそれぞれの製法や味の違いについてご紹介いたしました。やはり純米大吟醸など手間ひまがかかる清酒となると、そのぶん値段も高くなってしまいます。ですが、日本酒の本当のおいしさや深さを知るためには、ときどき値段の高いものを飲んでみるのもいいでしょう。
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今回ご紹介したように、清酒の製法品質表示基準とはとてもざっくりとした基準です。一定の要件さえ満たしていれば、あとは酒造のポリシーや考え方によってランクや表示に違いが出ます。その意味でも、あまり値段やランクにこだわらず、さまざまな日本酒を飲み比べてみるといいでしょうね。