自律神経と血圧の関係を簡単解説 そもそも血圧って何?
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ふだん「血圧」という言葉はよく耳にし、「自分の血圧は大体100くらいだ」と把握している人も多いかと思いますが、そもそも血圧とは何なのか、理解していない人も多いと思います。
私たちの体の中に張り巡らされている血管。血管の中に流れている血液は、私たちの体に必要な物質である酸素や栄養素などを体の各部位に運んでくれています。
心臓はこの血液を全身へ送り出すポンプの役割をしています。心臓が血液を大動脈へと送りだしたときに、「血管壁(血管の内側の壁)」に加わる圧力のことを『血圧』といいます。
自律神経と血圧の関係を簡単解説 自律神経と血圧の関係
自律神経とは?
自律神経とは、循環器や消化器、呼吸器などの活動を調整する神経です。自律神経には2種類があります。1つは「交感神経」。交感神経は、活動しているときや日中に活発になります。もう1つは「副交感神経」。副交感神経は、安静にしているときや夜間に活発になります。
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不規則な生活やストレス過度な緊張などによって交感神経と副交感神経のバランスをが崩れてしまうのが、いわゆる「自律神経の乱れ」です。自律神経が乱れてしまうと体のさまざまな器官に不調が現われてしまいます。
自律神経と血圧の関係
そもそも血圧は、自律神経によってコントロールされています。私たちは活動をするときに、脳に血液を送らなければいけません。そして、そのときに必要な血圧というのは、寝ている状態、座っている状態、立っている状態では、それぞれ違ってきます。
このように、自律神経と血圧には深い関係があるのです。
自律神経と血圧の関係を簡単解説 ストレスや緊張で血圧が上がる?
緊張するとノルアドレナリンが分泌
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心理的なストレスを受けたり、過度な緊張状態になったりすると、脳から副腎ホルモンが分泌されます。そして、副腎からアドレナリンが分泌されます。興奮したときなどにアドレナリンが分泌されますが、アドレナリンにより心拍数が上がります。さらに、神経末端からは、ノルアドレナリンが分泌されます。
緊張により上がる血圧
このノルアドレナリンが自律神経の1つである交感神経を刺激することで、血管の収縮が起こり血圧が高い状態になります。このようにして、心理的なストレスや緊張によって血圧は上昇してしまうのです。
自律神経と血圧の関係を簡単解説 正常な血圧の値ってどれくらいなの?
「上の血圧」と「下の血圧」
冒頭で述べましたが、血液が心臓から送り出され血管を通るときに、血管の壁にかかる圧力のことを「血圧」といいます。血圧は2種類に分けられます。心臓が収縮したときの血圧のことを「収縮期血圧」といい、このとき血圧は高くなります。「収縮期血圧」のことを普通「上の血圧」とよんでいます。
逆に心臓が拡張したときのときの血圧のことを「拡張期血圧」といい、このとき血圧は低くなります。「拡張期血圧」はのことを普通「下の血圧」とよんでいます。
正常な血圧の値
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正常な血圧のことを「正常域血圧」といいます。成人の血圧の正常値は「上の血圧」が140mmHg未満で、「下の血圧」が90mmHg未満です。
正常域血圧は、さらに「至適血圧」と「正常血圧」、「正常高値血圧」の3つに分類されます。
「上の血圧」が140mmHg以上、「下の血圧」が90mmHg以上であると、一般的には高血圧となります。
高血圧の人は、この値を下回るようことを目標にしましょう。
自律神経と血圧の関係を簡単解説 一般的な「高血圧」とは?
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血圧は日常生活の行動によっても変動わります。一般的な「高血圧」とは、立ったり、座ったり、走ったりなどの日常生活とは関係なく、慢性的に血圧が高い状態である「高血圧症」という病気のことを総称していいます。
血圧が高い状態のままになってしまうのは、主に①心臓から送り出される血液量の増加②末梢の細い動脈が流れにくくなるなどの原因が挙げられます。
自律神経と血圧の関係を簡単解説 緊張が原因?見せかけの高血圧とは
見せかけの高血圧と緊張
みなさんも、血圧を計たらいつもよりも高いのでびっくりしたという経験があるかと思います。血圧には、先ほど紹介した慢性的に血圧が高い状態の本物の高血圧「高血圧症」と、ある場合のみ一時的に血圧が上がる「見せかけの高血圧」があります。この見せかけの高血圧がおこる原因としては、激しい運動や寒さ、さらに”緊張”が挙げられます。
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自律神経と血圧の関係のところで述べたように、緊張すると、ノルアドレナリンが分泌され交感神経を刺激し、血圧が高い状態になります。
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自律神経と血圧の関係を簡単解説 白衣に緊張?「白衣高血圧」とは?
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ふだん、家庭で測っている血圧の値よりも、病院で医師や看護師さんなど「白衣」を来た人に血圧を測られると上がる血圧のことを「白衣高血圧」といいます。白衣高血圧には、いろいろな原因が考えられます。医師や看護師さんの白衣を見るとこれまで、治療で痛かった経験などを思い出して緊張することで血圧が高くなってしまうのです。
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家庭で測った血圧が正常値の人で白衣を着た人に測られると血圧が上がるのが「白衣高血圧」です。もともと慢性的に高血圧の人が、白衣を着た人に測られると血圧が上がるのは、「白衣現象」といいます。
自律神経と血圧の関係を簡単解説 緊張が引き起こす「見せかけの高血圧」も治療が必要なの?
緊張による「見せかけの高血圧」の治療
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白衣高血圧は、緊急な治療の必要はほぼありません。ただし、年に数回は経過観察を行ったほうがいいでしょう。
病院で測った血圧が、自分でふだん家庭で測っている血圧の値と高い値を示しているときは、医師にその旨を伝えましょう。
治療の判断は医師に相談
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緊張などによる「見せかけの高血圧」なのに、降圧薬を飲んで治療を始めてしまうと、逆に低血圧の症状になってしまいます。絶対に自分で勝手に治療の要・不要を判断しようとしないで、医師に治療が必要なのかどうかを判断してもらうようにしましょう。
自律神経と血圧の関係を簡単解説 血圧の正しい測り方
血圧はいつ測るのがいい??
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日本高血圧学会によると、血圧を測るのは1日2回。朝起きたときと夜寝る前に決まった時間に測るのがいいそうです。朝起きたときは、起きて1時間以内に、トイレをして、薬を飲む前、朝食前に測ります。
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夜寝るときは、お風呂に入った場合は1時間以上時間をあけてから測るようにしましょう。
血圧を測るときの注意
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血圧は、前で述べたように、運動した後だったり、緊張していたりしては、正しく測ることはできません。必ず1~2分の安静にしてから測るようにしましょう。その際、姿勢を楽にして、5~6回深呼吸をすると緊張がほぐれリラックスできます。
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正しい姿勢を保ち血圧を測るようにしましょう。椅子の背もたれに軽くもたれ、足を組まずに座ります。測定する上腕や手首が心臓よりも上になるようにします。
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寒すぎたり熱すぎたりしない20℃前後に室温を保った部屋で測りましょう。
誤った測定方法で測ってしまったりなどのミスを防ぐために、家庭で血圧を測るときには2回測定して、平均値を計算します。
自律神経と血圧の関係を簡単解説 測る場所で違う血圧の基準値
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前に述べたように、血圧は緊張やストレスに左右されやすく、いつ、どこで測るかによって値が大きく変わります。そのため、高血圧の基準値は病院で測った「診察室血圧」、家庭で測った「家庭血圧」、血圧計を着けた状態で15~30分おきに測った「自由行動下血圧」の3つに測定環境によって分けられています。
「自由行動下血圧」は、測定したことがある人は多くないと思いますが、1日の平均値や日中の平均値、夜間の平均値などを計算できます。そのため、自分は1日のうちの血圧が高くなる時間帯を把握することができます。
自律神経と血圧の関係を簡単解説 まとめ
いかがでしたでしょうか。緊張で血圧が上がることを知っていれば、血圧が普段よりも異常に高くても慌てずにすみます。いずれにしても、血圧が高いときには、自分の体調を十分に観察するようにしましょう。ぜひ、緊張と血圧の仕組み、自律神経と血圧の関係を家族にも教えてあげてください。