進撃の巨人の世界では巨人とよばれる生命体から逃れるため、人々は城壁の内側を生活圏としています。そんな世界で主人公・エレンは、壁外に出られる調査兵団に入ることを望んでいました。ところがあるとき、超大型巨人が壁を破壊し、巨人たちが街に侵入します。そして、エレンの母が巨人に捕食され、死亡してしまいました。エレンは激しい怒りと同時に巨人の駆逐を決意し、第104期訓練兵団に入団します。

そして5年後、エレンは再び超大型巨人と遭遇します。皆で巨人を討伐しようとするも力及ばず、エレンはアルミンをかばって巨人に食われてしまいました。しかしこの直後、エレンが巨人化する能力を発現します。巨人になるエレンのことを憲兵団は危険視しますが、調査兵団団長のエルヴィン・スミスの進言により、エレンは調査兵団・特別作戦班に配属され、リヴァイの監視下に置かれることとなりました。

調査兵団分隊長のハンジ・ゾエは、エレンの巨人化とトロスト区で生け捕りにされた巨人の研究をはじめます。しかし、巨人たちが何者かに殺害されてしまいました。不穏な空気が漂う中、エルヴィンは第57回壁外調査を強行します。すると出発して間もないところで女型の巨人が現れ、調査兵団は壊滅的な損害を負うことになりました。

女型の巨人を取り逃がしてエルヴィンやエレンが立場を悪くするなか、アルミンは女型の巨人の正体と思しき人物を割り出します。そしてエレンたちは、女型の巨人の捕獲に乗り出しました。一方、その他の104期生たちは、敵との共謀の疑いをかけられ監視されてしまいます。このとき、ミケ率いる他の調査兵団とともに104期生を監視していたのが、リーゼントヘア―の兵士・ゲルガーです。

進撃の巨人に登場する兵士・ゲルガーは、進撃の巨人の9巻第35話「獣の巨人」、アニメ進撃の巨人の2期第1話同タイトルにて初登場を果たしました。そんなゲルガーとは、いったいどんな人物なのかをここでは紹介します。基本的なプロフィールから人物像まで、詳しく見ていきましょう。

誕生日：10月9日

星座：てんびん座

年齢：？

身長：179cm

体重：75kg

初登場：『進撃の巨人』9巻第35話「獣の巨人」（アニメ『進撃の巨人』2期第1話「獣の巨人」）

ゲルガーは進撃の巨人に登場する、調査兵団・ミケ班に所属しているベテラン兵士です。身長179cm、体重75kgという、兵士向きの恵まれた体格をしています。また、リーゼント風の髪型と酒好きなことも特徴です。任務ではミケやナナバと組むことが多く、進撃の巨人の作中では良好な関係を築いていました。

ゲルガーは豪胆な性格で、戦闘でも立体機動で荒々しい突進を見せます。さらに、巨人との戦いでは1体1体全力で討伐することを信条としたことで、ナナバに注意されていました。その一方で、おとりになるミケに従おうとする仲間を制止したり、ラガコ村の不穏な様相を察知したりと、冷静さもあわせ持っています。そして進撃の巨人の作中では、新兵たちを守るために果敢に戦う姿が描かれました。

兵士としての強さという観点では、ゲルガーは相当の実力者といえます。普通なら1体倒すだけでも苦労する巨人を、ゲルガーは短時間で複数討ち果たしています。また、団員の殉職が多い調査兵団でのキャリアが長いことからも、彼の強さがうかがえます。

ここまで、ゲルガーはリーゼント・酒好きでかなりの戦闘力をもつ兵士であることを紹介してきました。ではゲルガーは、進撃の巨人の作中でどのような活躍を見せたのでしょうか？兵士として勇敢に巨人に挑み、死亡するまでを順に見ていきましょう。

『進撃の巨人』作中で女型の巨人捕獲作戦が行われている最中、ゲルガーと他の調査兵団たちは104期生たちを見張っていました。そんななか、突然ウォール・ローゼ南方で巨人が現れたとミケが察知します。壁が壊され巨人に侵入されたと推測し、団員たちは周辺への情報伝達と避難誘導、そして壁を確認する任務に就きます。

その途中、巨人たちを引き付けるミケに代わって、ゲルガーは南班の指揮を任されました。ここで、ゲルガーが指揮官に任命されたことは注目すべきです。巨人がいるのであれば南班の任務は危険をともないます。そのような命がけの現場のリーダーを任せたことから、周囲のゲルガーに対する信頼は厚かったと考えられます。南班には他に、リーネ、コニー、ライナー、ベルトルトがいました。

それからコニーの故郷の村に立ち寄った後、ゲルガーたちはナナバ率いる西班と合流しました。そして、近くの古城跡・ウトガルド城でつかの間の休息をとります。そこへ、夜間にもかかわらず巨人たちが大量に出現しました。立体機動装置をもたない104期生を守るため、ゲルガーたちは戦闘を開始します。高い戦闘能力と塔の地形を活かした戦術によって、ゲルガーたちは群がる巨人を次々とほふっていきます。

ゲルガーのかわいそうな最期は、進撃の巨人の10巻第40話「ユミル」、アニメ・進撃の巨人の2期第29話「兵士」で見られます。戦いが進むにつれ、リーネとヘニングが倒れる、巨人の援軍が出現する、立体機動のガスが切れるという事態が相次ぎ、ゲルガーは劣勢に立たされます。そして自身も塔から墜落してしまいますが、間一髪のところでナナバに助けられ、なんとか塔の中に転がり込みました。

すると、そこには大好物の酒が落ちていました。ゲルガーは酒を飲もうとしましたが、中身は空っぽでした。実は、ライナーの手当てでクリスタが使っていたのです。ゲルガーは絶望し、泣き叫びます。そして酒瓶を握りしめたまま巨人に捕まり、頭から捕食され死亡してしまいました。最期に大好きな酒を飲むことすら叶わなかったのです。進撃の巨人らしい残酷な展開とはいえますが、あまりにもかわいそうな結末です。

進撃の巨人の第38話「ウトガルド城」（アニメ『進撃の巨人』2期第3話「南西へ」）において、新米兵士のライナーが「急げ！ゲルガー達に遅れちまうぞ！」とコニーに怒鳴る一幕がありました。このライナーのセリフに、ひっかかりを感じませんか？ライナーはゲルガーのことを呼び捨てにしているのです。進撃の巨人で登場する調査兵団という上下関係に厳しい組織において、上官を呼び捨てにするのは異例といえます。

進撃の巨人ファンの間でこの呼び捨ての理由は、緊迫した状況下で敬語を使うのを、ライナーが忘れてしまったためと考えられています。普段、ゲルガー本人の前では敬語を使うものの、同期たちとの会話では呼び捨てにしていたと解釈されているようです。

アニメ・進撃の巨人は、緊迫感や悲壮感あふれる素晴らしい作品でした。その一因が、声優にあったことは間違いありません。ここでは、ゲルガーを演じた声優と、その方の出演作品を紹介します。

ゲルガーを演じた声優は、1995年から活動しているベテラン・加瀬康之です。1971年3月14日生まれ、東京都出身です。洋画などの吹き替えで活躍するとともに、アニメ作品やゲームにも多数出演しています。

アニメ・進撃の巨人でも、素晴らしい演技で視聴者を魅了してくれます。その声で、ゲルガーという人物がより魅力的に、かつ悲劇的に映りました。今後、アニメ・進撃の巨人でゲルガーを観るときは、勇ましい兵士の声と最期の悲痛な叫びのギャップに注目してみてください。

・「トラブルチョコレート」トリュフ

・「NARUTO-ナルト-」カンクロウ

・「イナズマイレブン」染岡竜吾

・「たまごっち！」スペイシーっち

・「ディスク・ウォーズ：アベンジャーズ」ソー

・「ナノ・インベーダーズ」アレク

・「すべてがFになる」犀川創平

上記は、加瀬康之が演じた役の一例です。進撃の巨人の他にも、クールな役から癖がありつつも人間味あふれる役まで、幅広い人物を演じています。

ここまで進撃の巨人の登場人物・ゲルガーについて紹介してきました。ゲルガーは兵士としての実力だけでなく、リーゼントで酒好きという個性をもつ魅力的な人物です。しかしかわいそうな形で死亡してしまいました。人間としての魅力や、その人の想いも容赦なく踏みにじる進撃の巨人の世界は、とても重いです。その悲哀をかみしめながら、これからの物語を追っていきましょう。