フリッツ王(カール・フリッツ)とはどのような人物か
フリッツ王(カール・フリッツ)の経歴プロフィール
進撃の巨人カール・フリッツ王は、パラディ島に三重の壁を作り「マーレ派」であったエルディア人を根本に『壁の中の楽園』を作った人物です。
「マーレ派」とは何なのか、なぜこのような行動をとったのかなどは後に詳しく説明されています。ぜひ順を追って記事を見ていってください!
フリッツ王(カール・フリッツ)の人物像や特徴
壁の中では「初代王」とも呼ばれる進撃の巨人のカール・フリッツは、ユミルの血を引くフリッツ王家145代目の跡継ぎです。見た目としては古代ローマ人のような容姿で、長い髪、長いひげをしており整った顔つきをしています。
進撃の巨人作中では、語られる視点によって「カール・フリッツ」「初代王」「壁の王」などと呼ばれていました。性別は男、年齢は明らかになっていません。非常に年を召していること、13年しかもたない巨人の寿命から、革命を起こした時から十数年で死んでいると推測できます。初代ユミルの血を引いており、壁内レイス家の初代王でもありました。進撃の巨人を読む読者の中ではクズとも呼ばれています。
まずは簡単に進撃の巨人を整理
対立はマーレ国とエルディア帝国
諌山創先生の代表作でありWIT STUDIOの名作でもある進撃の巨人は、その壮大な物語や展開にさまざまな考察がされてきました。進撃の巨人の物語はエレン・イエーガーの主人公目線から始まり、巨人にとらわれた世界から自由を求め戦っていく、といったあらすじになっています。
その中でも進撃の巨人を語るに必要不可欠なのが、マーレ国、エルディア帝国との対抗でしょう。もちろん詳しいことは進撃の巨人原作漫画やアニメを見るほうをおすすめします。簡潔にまとめると、エレン目線の壁内の勢力は長くから二つの勢力、マーレ国、エルディア帝国と対峙しています。しかし壁内ほとんどの住民はその事実を知ることなく、進撃の巨人の過去に植えつけられた偽物の記憶を持って生活していました。
ジーク・グリシャの潜入などによって壁内では死闘が繰り広げられ、進撃の巨人の物語は展開します。最初は「悪役」のような立場で登場するグリシャやマーレ国の勢力でしたが、その歴史や真相を見れば、そう単純なものではないことが発覚しました。マーレ国にいるエルディア人の運命も、パラディ島にいるエルディア人の境遇も悲壮なものを辿っていることが分かり、そういった面では考えさせられる作品でもあります。
連れて行った「マーレ派」のエルディア人とは?
対立しているのが「マーレ国」なのに、パラディ島にいるエルディア人が「マーレ派」と言うのに違和感を感じた人もいるでしょう。
少しややこしいでしょうが、カール・フリッツ王が壁の中に取り入れたエルディア人は「昔のマーレ派」の人間ということになります。つまり今のマーレ王家に賛同している「現マーレ王国派」と、昔のカール・フリッツ王家に賛同していた「昔のマーレ派」は全くの別物です。
当時のカール・フリッツ王に賛同していた「昔のマーレ派」のエルディア人が、王家と一緒にパラディ島に移ったということでした。イェーガー翁が「我々非マーレ派のエルディア人残党は奴らに見捨てられ この大陸に取り残された」と言っていたことから誤植まで疑われていましたが、問題は解釈のずれにあったようです。他にも「ユミル」が重複するなどしており今後の展開に関係があるのかもしれません。
パラディ島はエルディア人の生き残りが移住した島
その後本土に残ったダイナ・フリッツやライナーの先代たちであるエルディア人は抑圧され、実質パラディ島に残ったエルディア人が自由の生き残りになりました。
カール・フリッツ王は「巨人大戦」が終わり、自分のたてた企てが上手くいった後、三重の壁を作り今のパラディ島の社会を作りました。実質的に大陸のマーレ国との干渉を避け、このような100年の平和を作ります。
三重の壁は巨人の硬質化の能力を使い、ウォールマリア、ローゼ、シーナ三つの壁を作りました。その後連れ込んだエルディア人の記憶を改ざんし、壁の中にしっかりとした社会を作り上げます。本土からの侵略からも対処できるべく、壁中にいる巨人を目覚めさせる能力を持つ「始祖の巨人」を代々継承していき、今の進撃の巨人の時系列に至ったわけです。では、どのような経緯を経てこうなったのかを紹介します。
フリッツ王(カール・フリッツ)の行った行為とは
タイバー家と結託して巨人大戦を終わらせる
カール・フリッツが王として継承されるその昔、エルディア帝国は巨人の力で世界を支配していました。進撃の巨人作品中で出てくる8つの巨人、超大型、女型、鎧、獣、顎、車力、戦鎚、進撃の巨人は、フリッツ王家の下につくエルディア人の大家が代々継承してきました。しかし、すさまじい戦力を持つ巨人の権力が穏便に継承することは少なく、代々8つの巨人をめぐって争いが繰り返し起きていたのです。
その争いを収めるために、ユミルの血を引くフリッツ王家、は争いが起こるたびに9つ目の巨人「始祖の巨人」の能力を使いいさめてきましたが、そういった歴史にカール・フリッツは巨人の継承前から心を痛めていました。そういった悲惨な争いに終止符を打ちたかったカール・フリッツは、継承時に「巨人大戦」を企てます。
カール・フリッツが王に継承した際、フリッツ王とタイバー家が手を組み、「フリッツ王はマーレの英雄へ―ロスとタイバー家に倒された」という偽物の事実を立てます。これが表向きに知られている「巨人大戦」となり、後のマーレが国として成り立つためにも企てられた作戦でした。つまりこの作戦はフリッツ王自身が敗者で、マーレ国が勝者であったという偽物の歴史を作ったのです。
パラディ島で壁を築く
「敗者として本土から追い出された」として、ユミルの血を引くフリッツ王はパラディ島に移りました。そこにはエルディア人もつれていきますが、どのくらいのエルディア人を連れて行ったのかは明らかになっていません。
「マーレ派の人間を連れて行った」とされていることから、恐らく自分の考えに賛同するエルディア人を連れて行ったとされており、その後そこで社会を作り上げました。
不戦の契りを交わす
進撃の巨人作中、「始祖の巨人」を継承した人間が「初代王の思想にとらわれる」と言った描写がありますが、その思想こそが不戦の契りです。
こういった歴史の中からフリッツ王は「始祖の巨人」と不戦の契りを交わし、つまりは始祖の巨人本来の力を使えないように契約を交わしたのです。こうして代々継承されてきたユミルの血を引くレイス家の始祖の巨人は、その本来の能力を使えないようにされていました。
人々の記憶を操作する
三重の壁を作り上げたのち、フリッツ王は壁の中でも人類が平和に暮らせるように偽物の記憶を植え付けます。ユミルの血の巨人が持つ始祖の巨人の能力で「壁の外の世界の人間は巨人によって滅ぼされた」と言う偽物の記憶を植え付け、100年の平和を確保することに成功しました。ここで進撃の巨人序盤の世界につながります。
しかしこの偽物の記憶に改ざんする際に反発した勢力があり、その家がアッカーマン家と東洋の一族でした。偽物の記憶を持たないので王家にはその代の末まで迫害され、そういった歴史から進撃の巨人作品内のミカサやケニーが地獄のような境遇におちいるのです。
フリッツ王(カール・フリッツ)の持つ始祖の巨人とは
始祖の巨人とは
進撃の巨人「始祖の巨人」はこの巨人自体を合わせた9つの巨人の一つで、全ての巨人の頂点に立つ存在です。進撃の巨人作中で見せている能力としては、偽物の記憶を焼き付け改ざんする能力や、巨人を操る能力などを持っていることが分かります。
進撃の巨人、初代ユミル・フリッツが巨人化の能力を手に入れ、その能力は代々王族に受け継がれてきました。初代フリッツ王から144世フリッツ王まで、その後はパラディ島に残った王家の生き残りの初代レイス家(カール・フリッツ王)からフリーダ・レイスまで受け継がれます。
しかしその能力はフリーダの代でグリシャ・イェーガーによって奪われ、エレン・イェーガーに引き継がれます。進撃の巨人作中、代々フリッツ王家のみに継承されていた始祖の巨人の能力でしたが、イェーガー家によってはじめて奪われたのでした。その後、ロッド・レイスがヒストリアに継承させようとしますが、上手くいかずに終わります。
現在はエレンの手に
エレンは元々父親が持っていた「進撃の巨人」の能力に合わせ、「始祖の巨人」その両方を持っていたということです。王家が持たないということで「不戦の契り」の思想にとらわれずエレンは進撃することができ、こうして進撃の巨人物語が展開していったのでした。
フリッツ王(カール・フリッツ)の評判は?
カール・フリッツ王が進撃の巨人で起こした行動は賛否両論であり、さまざまな意見や考察を読んでいます。王家であるフリッツ王が起こした行為は、賛成的な意見もありましたが、クズとまで呼ばれていた意見もありました。なぜクズとまで呼ばれていたのか、進撃の巨人カール・フリッツの考察をいくつか紹介しましょう。
肯定的な意見:先を見て行動していた?
進撃の巨人、カール・フリッツ王が正しい行動をしていたと考えられているのは、その発言や奥深い行動の考察から来るものです。
上記のように「壁の門は壊されるべく作られたのではないか」と言われており、その奥深い未来思想からこういった事態になることも読んでパラディ島に移ったのではないかと言われています。こういった言葉の裏を読みフリッツ王の行為は、進撃の巨人作中でも意味がある行動をしたと考える読者もいるようです。
「進撃の巨人のフリッツ王はユミル・フリッツの行いを見てこの行為をした」と言う意見もあり中立的な立場で見ている読者もいます。過去からの争い、未来への不安、自分の理想を掲げていたフリッツ王が、何を思ってこの行為に至ったのかは明らかになっていません。
そういった中で中立的に見るのも、もっともな意見でしょう。
否定的な意見:保身のためもしくは浅い考えの行動だった?
一方で「どう考えたってこのクズを擁護できない」と考える読者もいます。単純に考えれば、フリッツ王は自分の理想であった「束の間の平和」を手に入れるために行動したとも考えられるので、そういった観点からもクズとみるのも筋が通っています。
深く考えるか、単純に考えるかで意見が分かれる進撃の巨人フリッツ王の行動は、フリッツ王に意見する人は否定的、中立的に考える傾向が多いようです。しっかりした確証がないとフリッツ王の行為を肯定的に見るのは難しいので、こういった「クズ」とした見方の考察が多いのでしょう。
フリッツ王(カール・フリッツ)は偉大なる初代の王家
進撃の巨人、カール・フリッツ王はクズだったのか、なぜパラディ島に移りあのような行動をしたのかなどを紹介しました。彼自身の目線で進撃の巨人の物語は語られてないので、実質的にすべてを正確に暴き出すのは難しいです。今後、フリッツ王の情報が明かされるかもしれない進撃の巨人最新刊で、彼の本当の意志が明かされることを期待しましょう!