ブリーチの感想などを読んでいるとオサレという言葉が使われていることが多いです。
オサレとはおしゃれを言い換えた言葉でそのままの意味で使わることもありますが、茶化した言い方だったりいろいろな使われ方をする曖昧な言葉です。
特にブリーチに対してオサレという言葉使われる場合は、少し特殊な意味で使われています。
オサレという言葉の由来やなぜブリーチがオサレなのかについてまとめてみました。
オサレとはおしゃれを語源とする言葉で元々はおしゃれと同じ意味ですが、ネットではセンスや感覚が周囲とずれていることに使われることも多いです。
自虐的な意味で使われたり、普段おしゃれをしない人がおしゃれをした時にあえて使うこともあります。
オサレという言葉がいつ頃から使われるようになったのかはわかりませんが、90年代にテレビで使われたのが確認されています。
ネットでは割とよく使われる言葉ですが、ネットに慣れている人でもおしゃれと同じ意味で使うことは多いです。
ダサいという言葉が相手のセンス自体を否定するのに対して、オサレは周囲とのズレを指摘するために使われています。ちなみにSMAPの曲の歌詞にもオサレという言葉が登場します。
オサレという言葉を広めたのは、ブリーチという俗説があるほどブリーチに対してオサレという言葉がよく使われます。
しかし、ブリーチに対してオサレを使う場合はまた意味が変わってくるようです。
ブリーチに対して使われるオサレという言葉は、ポエムやセリフ回しなどブリーチの独特のセンスに対して使われています。
ブリーチらしさをオサレという言葉で表しているとも言えます。
皮肉的な意味で使わることもありますが、ファンからはブリーチらしさへの褒め言葉として使われています。
ブリーチのセンスは随分前からオサレと表現されているため、 良くも悪くもブリーチとオサレは切っても切れない関係と言えるでしょう。
ブリーチのオサレ師匠は漫画に登場するキャラクターのことではなく、ブリーチの作者久保帯人先生のことです。
ブリーチとオサレが切っても切れないせいで、こんな風に呼ばれているようです。
久保先生が以前漫画家に見えないおしゃれな格好で、テレビに出演していたことも関係あるかもしれません。
久保先生自身は特にオサレやおしゃれについて話したことはないようです。
ネット上では久保先生の写真と称して別人の写真やコラ画像が大量に出回ったことで、集英社の公式サイトに警告文が掲載される異例の事態になっています。
写真の人物が独特の服装をしていることもよくネタにされています。
ブリーチの連載終了後に、あるファンレターについて描いた漫画をTwitterで公開し大きな反響を呼びました。
ブリーチは斬魄刀の解号や鬼道の詠唱も実にオサレです。
例えば解号でも特に長い花天狂骨の解号を見てみましょう。
花風紊れて花神啼き(はなかぜみだれてかしんなき) 天風紊れて天魔嗤う(てんぷうみだれててんまわらう)「花天狂骨」(かてんきょうこつ)となっています。
普通は使わないような漢字が並んでいるため、ルビがないと読めない人が多いと思います。
意味も正直よく分かりません。
しかし、声に出してみると語呂が良くて覚えやすいことが分かります。
こういうネーミングはまさに中二病と言われそうですが、ここまで綺麗に考えられるところにセンスを感じます。
実際、解号や鬼道の詠唱を覚えてブリーチごっこした人は結構いたようで、このセンスこそまさにオサレだと思います。
ブリーチでは、死神は当然日本語を使っていますが、アランカルはスペイン語、滅却師はドイツ語など外国語が良く使われます。
外国語などはきちんと調べると結構ツッコミどころがあるようですが、意味の分からない言葉をかっこよく使うことが実にうまいです。
死神の能力などは卍解や瞬歩など漢字を使った造語ですが、かっこいい言葉を作っています。
アランカルは従属官(フラシオン)や(レスレクシオン)滅却師は神聖弓(ハイリッヒ・ボーゲン)、滅却師完聖体(クインシー・フォルシュテンディッヒ)など漢字と横文字を組み合わせて用語をつくっています。
演出のうまさもあると思いますが、難しい言葉や意味の分からない言葉の使い方は実にオサレです。
ブリーチの作者がジャンプで初めて連載した漫画がゾンビパウダーです。
一部で好評を得ながら打ち切りになってしまった作品ですが、世界観やセリフ、キャラクターの名前などが実にオサレです。
既に独特のポエムも書かれています。
「ウルフギャンギーナ・ララ・ジェット」、「レインウォーカー・キャルダー」、「バラーニュ・ビノワ・バルトルイユ・バルムンク」「エンジェル・ベル・ローズ・クーニー」は全てこの漫画に登場するキャラ名ですが、この時点でオサレを感じ取ることができます。
ブリーチはコミックスの巻頭などにポエムが掲載されています。
大抵はコミックの内容を連想させるような内容になっています。
結構意味不明な部分も多いのですが、わからなくてもかっこいいと感じさせるセンスが実にオサレです。
ネットにはブリーチのポエムをまとめたサイトも結構数があり、それだけブリーチのポエムが好評だということでしょう。
ポエムの意味を解釈しようというファンも多いですが、こういった楽しみ方ができるのもブリーチの魅力でしょう。
ブリーチはアニメのオープニングやエンディングがオサレすぎるとよく言われます。
曲自体の評価も高いのですが、曲と一緒に流れる映像が絶賛されています。
ブリーチの世界観を表した映像だけでなく、クレジットの表示に至るまでセンスを感じると評判です。
アニメ後期のオープニング「乱舞のメロディ」の映像は特に評価が高いことで知られています。
また、アニメのオープニング映像は原作コミックの表紙に影響を与えているとも言われていて、その完成度の高さがわかるでしょう。
ブリーチはキャラの名前のセンスもすごいです。
基本的に漢字を使っている死神の名前は少し違いますが、アランカルや滅却師はの名前は明らかに作者のセンスのみで考えられています。
言いにくそうな名前やわけのわからない名前が多いのですが、実際に声に出してみると言いやすくて覚えやすいのです。
グリムジョー・ジャガージャック、アーロニーロ・アルルエリ、チルッチ・サンダーウィッチ、バンビエッタ・バスターバインなどは声に出してみると見ると分かりますが、難しそうに見えて実際は言いやすいのです。
こういったところは本当にセンスとしか言いようがありません。
ブリーチのキャラクターの名前は意味はわかりませんが、何となくかっこよくて覚えやすいところがオサレです。
ブリーチの藍染惣右介が言ったセリフで名言と紹介されることも多いです。
凄む日番谷冬獅郎に対して言い放ちました。
内容は「弱い犬ほどよく吠える」の言い回しを変えただけにも思えますが、問答無用にかっこいいです。
実生活で遣うのはほとんど不可能に近いセリフですが、それをここまでかっこいいセリフにしてしまうところが実にオサレです。
ブリーチで非常に多く使われています。
一言でいうと驚いて呆然としている時のセリフです。
ある味、いたって普通のセリフですが、独特の言い回しで人気になりました。
他の漫画でもこのセリフを真似したようなシーンは意外と多く、ブリーチの影響力を証明しているでしょう。
ブリーチらしさの一つであり、オサレの一つの形といえます。
ちなみに「何だと?」というセリフは死神代行を断られたルキアが2巻で初めて使っています。
この時はまだ独特の言い回しではありません。
檜佐木修兵が自分の斬魄刀の独特の形状について語ったセリフです。
檜佐木本人はこの斬魄刀のことを気に入っていませんが、実に死神らしいセリフです。
作中屈指の名言として人気があります。
斬魄刀を構えたシーンのかっこよさと、あえて「刈り奪る」という字を使っているところが実にオサレです。
やはり藍染惣右介が日番谷冬獅郎に向けて言ったセリフです。
必ずしも憧れが理解から遠いとは思いませんが、憧れという感情の本質をうまく突いています。
憧れることはその人に対して幻想を抱き、理解することから遠くなってしまう危険があります。
かっこいい言い回しで、端的に憧れについて述べているところが実にオサレです。
主人公黒崎一護が初めて精神世界での修行するシーンで、斬月が贈ったアドバイスです。表現とテンポの良さがいかにもブリーチという感じです。
どう考えても実生活では使えそうもないところも含めて実にオサレです。
月島のブック・オブ・ジ・エンドで過去を変えられたチャドが一護に言った迷言です。
ルキアを助けたのも、藍染を倒せたのも全て月島の手柄になってしまいました。
本来なら、信頼する仲間を奪われた恐怖のシーンですが、「全て月島さんのおかげ」で何ともシュールな展開になっています。
コラ画像もたくさん作られ、ネタとしてネットで大人気になりました。こういったネタ的なものも含めて、オサレと言えるのではないでしょうか?
ブリーチのコンビニコミックの表紙が異彩を放っているということで話題になっています。
コンビニコミックとは漫画をコンビニ販売用に再出版したものが多く、ブリーチのようなストーリー漫画は再編集されることはあっても内容は基本的に変わりません。
厚さは一般的なコミックスよりも上ですが、カバーはなく表紙の絵などは使いまわしで手抜きが感じられるデザインが多いです。
しかし、ブリーチの表紙の絵は通常のコミックスとは別のものになって、結構しっかりとしたデザインになっています。
正直表紙だけみると新装版か完全版と思ってしまうようなデザインで非常にオサレです。
ブリーチがオサレと言われるようになった経緯や理由についてご紹介しました。
オサレとはブリーチの連載が始まるよりもずっと前から使われている言葉ですが、おしゃれという言葉を茶化している場合もあればおしゃれを言い換えただけで意味はそのままということも珍しくありません。
しかし、ブリーチについてオサレという場合は、ブリーチの独特のセンスに対して使われる言葉になっています。
皮肉として使われることもありますが、基本的に褒め言葉として使われることが多いようです。
賛否両論あることは確かですが、ブリーチが優れたセンスで作られた漫画でオサレであることは間違いありません。