【朝蜘蛛は縁起がいい？スピリチュアルな意味と夜蜘蛛の対処法は？】そもそもどんな諺？
朝蜘蛛は親の仇でも殺すな、という言葉がありますね。それはなぜでしょうか
そもそも、蜘蛛って気持ち悪いですよね。朝でも夜でも、時間に関わらず、できれば出てきてほしくないものです。しかし、昔の人は、少なくとも朝に関してはそう思ってなかったようで、そういう諺が現在まで残っています。それは、蜘蛛をスピリチュアルな存在だと思っていたからでしょうか？
確かに蜘蛛は神秘的な虫ですが、でもスピリチュアルな存在だと思うと、「夜蜘蛛は親でも殺せ」という続きの部分が矛盾します。蜘蛛は時間帯によってスピリチュアリティが変わってしまうのでしょうか？
実はこの諺、よく調べると、昔の人の知恵が詰まっているのです。それはある程度現代でも行かせる教訓です。では実際、この諺は何を言いたいのか、見ていきましょう。
【朝蜘蛛は縁起がいい？スピリチュアルな意味と夜蜘蛛の対処法は？】朝蜘蛛が縁起がいい意味は？
そもそも、昔の人は蜘蛛を現代人ほど嫌ってはいませんでした。特に商人たちにとって、蜘蛛の巣を広げて獲物を一網打尽にする様子は憧れでした。また、実際に蜘蛛は蚊などイヤな昆虫を捕食してくれます。蜘蛛はそもそも縁起のいい虫だったのです。
だから朝に蜘蛛を見かけると、その日一日は良い日だと考える風習があったようです。そのため、朝の蜘蛛は何が何でも殺してはいけない、という風に考えたようです。
【朝蜘蛛は縁起がいい？スピリチュアルな意味と夜蜘蛛の対処法は？】夜の蜘蛛はなぜ殺す？
では夜の蜘蛛はどうでしょう。時間によって蜘蛛の大切さは変わらないはずですよね。でも、夜の蜘蛛は親でも殺せと言われています（親でも、というのは、たとえ親の生まれ変わりでも殺せ、という意味だと思われます）。
これはあくまで一説なのですが、夜に蜘蛛が入ってくるような隙間があるのを、昔の商人たちは嫌がったため、と言われています。少しでも戸締りが緩いと、そこから泥棒に入られかねないからです。また、家が蜘蛛の巣だらけだと、だらしのない人間だと侮られて泥棒の標的にもなりやすい、ということもあったかもしれません。
いくら夜蜘蛛でも、親の生まれ変わりだと思ったら殺すのをためらうもの。ならば最初から戸締りを厳重にして、蜘蛛もほかの虫も入ってこないようにしますよね。この諺は、そういう効果を狙ったものではないかと考えられます。
【朝蜘蛛は縁起がいい？スピリチュアルな意味と夜蜘蛛の対処法は？】蜘蛛にまつわるトリビア
ところで、蜘蛛は昆虫だと思っていませんか？ 実は厳密にいうと蜘蛛は昆虫ではありません。昆虫とは、果アダン節が３つ、足が６本、羽が４枚の虫のことだと定義されています（蟻に羽根はありませんが、これは退化したからで、昔は蟻にも羽がありました）。
一方蜘蛛は、体の節がふたつ、足が８本、羽はありません。そのため、蜘蛛は生物学上昆虫とはみなされていないのです。
また、蜘蛛の糸はかなり強く、鋼鉄よりも強いと言われています。もし蜘蛛の糸が鉛筆くらいの太さだったら、１本でジャンボ機をひとつ吊り下げられるくらいの強度があるのだそうです。とんでもないですね。
ちなみに、インターネットのことをWebといいますが、Webとはもともと「蜘蛛の巣」という意味です。
【朝蜘蛛は縁起がいい？スピリチュアルな意味と夜蜘蛛の対処法は？】最後に・蜘蛛は偉大な虫
いかがでしたか？ 朝でも夜でも、現代人にとって蜘蛛ってあまりお友達になりたくない虫ですよね。でも実は、蜘蛛ってとんでもない益虫で、人類に多大なメリットをもたらしてくれているのです。
地球上で蜘蛛が食べる昆虫の量は１年間で４～７億トンにも及ぶと推定されています。そのうち、人間にとって害のある虫も相当食べてくれています。蜘蛛がいなくなると、人間はかなり害虫で悩まされるでしょう。
したがって、セアカゴケグモのような外来の毒蜘蛛を除き、蜘蛛はできるだけ殺さない方がいいですね。殺さずに助けてあげると、あの世に行ってから極楽に引っ張り上げてくれるかも！？
