進撃の巨人では訓練兵団を卒業した後、それぞれ役割の異なる駐屯兵団、調査兵団、憲兵団の3つの兵団に配属されます。まずはこの3つの兵団の違いについて見ていきましょう。

駐屯兵団のマークには薔薇が用いられています。進撃の巨人作中では、3つの壁にそれぞれ「マリア」「ローゼ」「シーナ」という名前がつけられており、これらの名前は全て薔薇に由来していると言われています。駐屯兵団のトップを務めるのはピクシス司令です。

駐屯兵団は、主に壁の補強や整備、城内都市の治安維持を職務としている兵団です。ウォール・ローゼが破壊され、人類が巨人に捕食される危機に直面する前までは、100年間の安寧のうちに勤務中にも飲酒をする兵士が目立つようになるなど風化の一途を辿っていましたが、ウォール・ローゼ破壊後、固定砲の設置、強化に務めるなどより一層の警備強化と職務に対する意識に改善がありました。

エレンたち104期訓練兵が卒業した直後のトロスト区の攻防戦では、104期訓練兵たちと共に前線に出て巨人と戦うなど、巨人との戦闘にも対応できる実力を持った兵士が多いことも駐屯兵団の特徴です。

調査兵団のマークには、翼が用いられています。これは自由に行動をする様を表し、「自由の翼」とも言われています。調査兵団のトップはエルヴィン団長です。調査兵団は主に壁外へ赴き、巨人の捕獲や生態調査を行う兵団で、常に命の危険と隣り合わせです。そのため、巨人との戦闘経験が豊富で強い兵士が多く、立体機動装置の扱いには一番長けていると言えるでしょう。

しかし、壁外調査の度に死傷者が多く、常に人手不足であることは否めません。主人公のエレンがまだ幼い頃の調査兵団は、みすみす命を捨てに行くようなものだ、市民の税金で食っているくせになど兵団の存在に批判が絶えませんでしたが、エレンが加わり、人類が巨人に対抗するために一歩ずつ歩みを進み始めてから徐々に風向きが変わっていきます。

憲兵団のマークには、ユニコーンが用いられています。なぜユニコーンが用いられているのかについては、進撃の巨人の作中でも語られておらず、謎に包まれています。空想上の生物として知られるユニコーンですが、汚れのない女性にのみ従うという性質があり、このことから「王にだけ従う」という意味を表ているのではないかと考えられます。実際に憲兵団が担う職務としては、内地の警備と王の近衛兵です。

憲兵団の職務は内地の警備と王の近衛兵が主軸となりますが、それ以外にも大きな役割をになっています。それが中央憲兵と呼ばれる、王政直轄の憲兵団です。中央憲兵は、王都での公の活動も行っていますが、公には明かせない治安維持や情報操作も行っています。王政にたてつく者を秘密裏に処分するなど、憲兵団の裏の顔とも言えるでしょう。師団長のナイルですらも、中央憲兵の行動は把握できていません。

憲兵団になるためには、原則として訓練兵団を上位10位以内の成績で卒業しなければなりません。ただし、経験を積んだ駐屯兵団から転属されることもあるため、駐屯兵団に配属されたのち実績をつめばなれる可能性もあります。

憲兵団に所属するメンバーのほとんどは、地位や名声が欲しさか、巨人に怯えなくて済む、安寧した暮らしを求めて志願する者が多いため、調査兵団は愚か、駐屯兵団よりも弱い上に、人間性の面でもクズが多いです。そんな憲兵団に所属する、主要なキャラについて紹介します。

名前：ナイル・ドーク

身長：177cm

体重：80kg

憲兵団の師団長をしており、問題ごとが起きても瞬時に判断し対応することができる臨機応変さを持ち合わせています。調査兵団とは考え方の違いなどから対立することもしばしばあり、エルヴィン団長とは幾度か言い合いになります。

名前：マルロ・フロイデンベルク

身長：178cm

体重：66kg

マルロはストヘス区憲兵支部所属二等兵に配属された新兵です。堕落し、クズの吐き溜まりのようになってしまった憲兵団を改革するべく、憲兵団に入団します。兵士としてはまだまだ弱いですが、非常に真面目で熱いキャラとして描かれています。

名前：ヒッチ・ドリス

身長：168cm

体重：53kg

マルロと同じくストヘス区の二等兵として配属された新兵です。基本的に人を小馬鹿にしたような話し方をし、性格に難のあるキャラです。実戦経験のない憲兵団らしく、調査兵団や駐屯兵団の兵士と比べると弱い上にクズの代表のようなキャラとも言えます。

憲兵団は内地の警備、王の近衛兵などその職務の内容からして政治への影響力が大きいため、強い権力を持っています。また、駐屯兵団を下部組織としてもち、兵団の勢力が大きいことからも3兵団の中で一番権力を持つ兵団と言えるでしょう。

憲兵団は他2つの兵団とは違い、壁内の安全な場所での職務のため堕落しており、実戦経験が乏しいため弱くクズの集まりとなってしまっていますが、一方で壁内の秘密警察のような裏の顔もあり、危険な存在であることが分かりました。調査兵団とのやりとりが、進撃の巨人の作中でも重要な場面となってきますので、作品を楽しむ上でぜひ注視したい兵団です。