アニメ「進撃の巨人」は、突如世界に現れた脅威・巨人との人類存続をかけた激しい戦いを描いています。主人公・エレンは幼少期、母を巨人に捕食されたことから「全ての巨人を駆逐してやる」という強い信念を持っています。エレンや仲間達が立ち向かう巨人との熾烈な戦闘、そして徐々に明かされる「巨人の秘密」が魅力的な作品です。

今回はアニメ「進撃の巨人」で放送されたOP曲やED曲について、歌手の詳しいプロフィールや歌詞に秘められた意味などを紹介します。物語に直結するフレーズを盛り込んでいる曲や、進撃の巨人の雰囲気を如実に表している曲など、多彩な曲であふれています。進撃の巨人が好きな方はもちろん、アニソンやアニソン歌手が大好きという方も必見です。

これまでに放送されたストーリーの内容については、以下の記事がおすすめです。これから紹介するテーマソングとも関係してくるので、ぜひ読んでみてください。きっと理解が2倍にも3倍にも増して深まるはずです。

まずはOPテーマソングから見ていきましょう。アニソン歌手としては珍しく紅白出場を果たした曲や進撃の巨人そのもののテーマソングとして人気の高い曲が目白押しです。

記念すべきOP第1曲目は「紅蓮の弓矢」です。第1話から第13.5話まで使用されました。インパクがある歌詞や疾走感あふれるメロディー、立体起動装置で動き回る兵士たちの映像が印象的な一曲となっています。イントロ部分はドイツ語となっており、読み方が分からずに困ったファンが続出しました。

主題歌を担当したLinked Horizenは、サウンドクリエイター・Revoが曲に合った歌手や奏者などをその都度編成しています。そのため、曲によって歌手が違ったり、雰囲気がガラリと変わるのが特徴です。ユニット名である「Linked」には「外の世界と繋がる」という意味が込められており、その由来通り「進撃の巨人」の物語に深く根付いた歌詞が印象的なアニソンとなりました。

「紅蓮の弓矢」は社会的ヒットとなり、進撃の巨人の代表的なテーマソングとして高い認知度を誇ります。YoutubeではOPの映像をまねるような動画が爆発的に増える程の人気で、アニソン歌手としては珍しく紅白出場も果たしました。

シーズン1のもう一つのOP主題歌「自由の翼」は、Linked Horizenが続投しています。アニメ第14話から第25話の間、シーズン1の後半戦とも言うべき熱い展開を後押しするような曲です。壁の外側を調べる「調査兵団」が本格的に活躍する内容となってくるため、主題歌の映像も「調査兵団」のかっこいいアクションシーンがふんだんに盛り込まれています。

Linked HorizenのRevoによると、「紅蓮の弓矢」がエレンをイメージした歌詞に対し、「自由の翼」は調査兵団最強の兵士・リヴァイをイメージした歌詞とのことです。確かに疾走感あふれるメロディーは、リヴァイの尋常ならざる戦闘スピードを表しているかのように感じます。

リヴァイの詳しいプロフィールやこれまでの活躍を知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

アニメ第26話から第37話まで使用されたOP主題歌は、これまたLinked Horizenが担当しました。ここまでくると、進撃の巨人イコールLinked Horizenというイメージが強くなった人が多くいたことでしょう。アニソン歌手でLinked Horizenの名前を知らない人はいないのではないかという程、進撃の巨人とLinked Horizenは切っても切り離せない存在となりました。

ちなみに主題歌の名前としても採用されている「心臓を捧げよ」という歌詞は、進撃の巨人では何度も見かける言葉となっています。これは兵士が戦いに向かう時、決死の覚悟を示す、いわば「敬礼」のようなものです。右手を心臓がある左胸へドンッと強く当てる様は、進撃の巨人ファンなら一度は真似したことでしょう。

アニソンとして、ここまで作品に忠実な曲は珍しいのではないでしょうか。進撃の巨人を真の意味で代表するテーマソングと言っても過言ではありません。

第38話から第49話までに使用された「Red Swan」は、これまでのOP主題歌と一線を画すような爽やかなメロディーが印象的です。超有名アーティストであるYOSHIKIとHYDEの最強タッグが担当しました。進撃の巨人のアニソンはこの曲をもって2度目の紅白出場を果たします。

「Red Swan」は直訳すると「赤い白鳥」となります。進撃の巨人において、美しく羽ばたく白い鳥は「自由の象徴」です。それが赤く染まる…ということは、自由のために血を流すエレン、そして血で血を洗う歴史を繰り返してしまう人類を物語っていることでしょう。OP映像の最後に流れるエレン・ミカサ・アルミンの笑顔は、今では眩しいほどに尊い1枚となっています。

シーズン3の後半戦である第50話から第54話、第56話、第58話から第59話で使用されたのは、あのLinked Horizenが再び担当してファンが熱狂した曲です。OP映像が流れると同時に発せられる「あの日人類は思い出した」というフレーズが、シーズン1主題歌「紅蓮の弓矢」のメロディーとリンクするところも注目すべき点でしょう。

また、これまでの曲の集大成とするだけあって、曲の終盤には各曲のメロディー（紅蓮の弓矢、自由の翼、心臓を捧げよ！、ED曲で紹介する暁の鎮魂歌）を挟んで怒涛のごとく進む形となっています。獣の巨人・ジークが放った石つぶてが兵士や家をことごとく撃ち抜く直前、静かなメロディーになって緩急がついているところも特徴的です。

ちなみにシーズン3で本格的に登場する獣の巨人・ジークは以下の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

次はEDテーマソングを見ていきましょう。OPのテーマソングとは真逆の静かで悲し気な歌詞や楽曲が多い印象を持つかもしれません。

記念すべきED主題歌1曲目は、第2話から第13.5話まで使用された「美しき残酷な世界」です。エレンの幼馴染であり、彼に対して幼馴染以上の感情を抱いているであろうミカサが描かれています。最初に流れる儚げで静かなメロディーに反し、サビに入ると慟哭するような激しいメロディーが印象的です。

このテーマソングは女性声優として人気の日笠陽子が歌っています。多数の人気アニメでヒロインを演じた彼女は、アニソン歌手としての歌声も魅力的です。実はこのアニソンがソロデビュー曲となった日笠陽子は、その後もソロやグループでの歌手活動を続けています。

シーズン1後半戦である第14話から第25話で使用された主題歌は、エレン達104期生をメインに据えた映像が印象的です。巨人との死闘が繰り返される本編とリンクするかのように、激しく鋭いギター音が耳に残る曲でもあります。歌詞の中には「壁の外」など、進撃の巨人を意識した内容になっています。

主題歌を担当したcinema staffはこの曲が初めてのアニソンとなりました。歌手の個性を強く出しながらも、進撃の巨人の雰囲気にマッチした曲はファンの心を見事にとらえたと言えます。同時期のOP主題歌「自由の翼」と共通して疾走感あふれるメロディーが調査兵団の戦闘スピードを思い出させてくれます。

原作者・諌山創が昔からのファンであり、直接依頼の末に実現した神聖かまってちゃん担当のED主題歌です。第26話から第37話の間に使用されました。厳かな雰囲気がどこか讃美歌のような雰囲気を漂わせる一方、不穏な映像と相まって全体的に「不気味」な仕上がりとなっています。曲としても、アニソン歌手としても珍しいのではないでしょうか。

ED主題歌を担当した神聖かまってちゃんは「インターネットポップロックバンド」の名を冠した3人組バンドです。ニコニコ動画やYoutubeへ自作PVを投稿し、根強いファンが多いバンドでもあります。

実はこの映像、進撃の巨人のストーリーを追った者が後から見ると意味が分かる内容にもなっていることを知っていますか？詳しい内容は以下の記事で紹介しているので、是非参考にしてみてください。

第39話から第49話まで使用されたED主題歌では、OP主題歌でおなじみのLinked Horizenが担当しました。歌手も担ったRevoはそれまでの歌い方と違って、柔らかく悲し気に歌い上げています。

「立ち位置が変われば、正義が牙を向く」という歌詞は、進撃の巨人の歴史を如実に描く言葉となっています。このテーマソングについて特筆すべきは第49話の映像です。前半は通常のEDなのですが、後半に驚きの展開が待っています。

サビへと突入する直前、映像や音楽が乱れ、激しいノイズが走ります。さまざまな映像が入り乱れた後、映し出されたのはエレンを殴りつけるリヴァイ、そしてそんな彼に刃を向けるミカサ…このシーンはシーズン3の後半へと繋がります。強烈なED映像によって「テレビ壊れた！？」と焦る視聴者を続出させたことは言うまでもありません。

第50話から第58話までに使用されたED主題歌はcinema staffが再度担当しました。前回のED主題歌と違って、ピアノの繊細なメロディーが印象的な一曲となっています。サビでは感情をかきたてられるような盛り上がりも特徴的です。

歌詞のはじめに来る「さよなら世界」は、誰が誰に向けて呟いた言葉なのでしょうか。それは主人公・エレンかもしれないですし、今後のファイナルシーズンで真実が描かれるライナーかもしれません。EDと共に流れる映像には104期生の懐かしい日々が描かれており、「あの頃に戻れたら…」と願わずにはいられない人が多いはずです。

進撃の巨人には多くの人物が登場する一方、その命が一瞬で失われる無慈悲さもあります。これまで登場したキャラクターについては以下の記事を参考にしてみてください。

魅力的なテーマソングが勢ぞろいしている進撃の巨人ですが、一番人気の曲はどれでしょうか。Twitterでの評判と合わせてランキングTOP5を見ていきましょう。

第5位はシーズン1のOPテーマソング「紅蓮の弓矢」です。初アニメ化という記念すべき時に使用されただけあって、印象に残っているファンが多いのではないでしょうか。強烈な歌詞や激しいメロディー、歌手による荒い歌い方が「かっこいい！」と評判なテーマソングです。

4位は神聖かまってちゃんの「夕暮れの鳥」です。シーズン2のEDテーマソングとして起用されたこの曲は、その独特の雰囲気に魅了されるファンが続出しました。

神聖かまってちゃんはファイナルシーズンのOPテーマソングも担当しているので、気になる方はぜひ聞いてみてください。不穏なメロディーと映像が目に焼き付いて忘れられなくなるはずです。

3位は日笠陽子の「美しき残酷な世界」です。同時期のOPテーマソングと正反対の優しく女性的な歌詞が印象的な曲でした。「進撃の巨人は知らないけども、この曲は好き！」という方もいるくらい、アニソン界では人気のテーマソングとなっています。

2位はLinked Horizenの「自由の翼」です。物語の中核を担う調査兵団がモチーフとなっているだけあって、長年愛され続けているテーマソングでもあります。

ちなみに調査兵団の団長はエルヴィン・スミスです。彼はこれまでの調査兵団のシステムを一新して、ウォール・マリア最終奪還作戦を成功させた立役者でもあります。彼については以下の記事を参考にしてみてください。

栄えある第1位はLinked Horizenの「心臓を捧げよ！」です。進撃の巨人の物語へ直結する歌詞をストレートに入れてきたことや、歌っているとまるで自分も調査兵団に入団したかのようなピリリと気持ちが締まる点が人気を集めています。サビの入りから後半にかけても盛り上がりも最高の一曲です。

歌詞の中に物語を連想させたり、ときには未来の展開を予感させたりする曲が進撃の巨人には多くあります。考察が好きな方はその意味を解読しようと、さまざまな仮説を立てています。なかにはムービーで考察を紹介している方もいるのです。

曲や映像から推測される物語は、原作コミックで明かされたものもあれば、まだ謎のままな伏線もあります。今後の展開も目が離せません。

アニメ進撃の巨人はOPもEDも魅力的な曲が多くあります。物語に直結するような歌詞も多く含まれ、曲を聴いてアニメを思い出し、アニメを見て曲を思い出すというループにはまってしまう方は少なくありません。

アニメ進撃の巨人は今やファイナルシーズンに突入しています。物語はクライマックスに向けて、加速中です。もちろん、それに伴ってOPやED主題歌も良曲が揃っています。原作は2021年春には完結する予定で、終幕へのカウントダウンがひたひたと近づいてきています。

皆さんも曲を聴きながら、残り少なくなった進撃の巨人の世界に浸ってみてはいかがでしょうか？