進撃の巨人の嘘予告がシュールだと話題に!
諌山創先生によって描かれている漫画「進撃の巨人」では、常に息をのむような展開が続き、ハラハラなしでは見れない素晴らしい名作となっています。2009年に連載されはじめ、2014年にWitStudioによってアニメ化されてからは世界的人気を誇るほどの作品になりました。
しかし諌山創先生は、あまり物語の進行が重くなりすぎないように、連続で続くシリアスな場面の中に「諌山ギャグ」と呼ばれる面白いシーンを物語内に混ぜています。その一つが、最新刊までのほぼすべての単行本に収録されている「嘘予告」です。その嘘予告があまりにもシュールで面白いと話題になり、今では進撃の巨人最新の単行本を買う読者の一つの楽しみとして知られるようになりました。
今回は最新刊までの「嘘予告」を紹介し、どの様なユーモアがあるのか、そこからはどのような考察が組み立てられるのかなどを紹介します!
【進撃の巨人】1巻~最新刊までの嘘予告を紹介!
1巻
進撃の巨人第一巻、最初の嘘予告がこのページでした。このページは「嘘」と言うよりも意外と真面目に描いてあるページなので、当初は巻末のおまけページとして描かれていました。
進撃の巨人の作成背景が描かれており、どの様な環境で作業しているかが見てとれます。
2巻
諌山創先生渾身の最新刊まで続く嘘予告の「お遊び」は、第2巻の予告ページから始まるのでした。
見切れて見えにくいですが、ミカサが壁の上から街を見下ろし、戦いを覚悟したような姿勢を見せています。しかしその画とは裏腹に、「オレ達の戦いはこれからだ!!!」と打ち切りの定番文句が印刷され、さらにその上には「ご愛読ありがとうございました」とまるで本当に終わるかのように描かれていました。
この頃から進撃の巨人「偽予告」が話題になり、単行本を買う多くの人に注目を持たせるようになります。
3巻
「壁の内部で争いが起きる!?」と思わせるような嘘予告が、第3巻には収録されていました。進撃の巨人では初めて全くの嘘が掲載された予告だったので、何かの伏線ではないかと考察した人も少なくはありませんでした。
実際にウォールローゼが突破された際に食糧難になったことがあったので、伏線であったと考察することができます。しかし、このページからの見とれるというわけではなく、ある程度予測できるような事柄でもあるので、直接的な伏線はないのでしょう。物語の世界観からは外れていませんが、それでも起こりがたい未来、そのような描写が描かれていた嘘予告でした。
4巻
表紙にある進撃の巨人4巻は、最終巻に至るまで2つしかない偽予告が掲載されなかった単行本の1つです。しかし、ネタが尽きたとか編集部が通さなかったとかではなく、単純にページ数の問題で掲載が控えられたようです。
5巻
第5巻から完全に作者が遊び始めます。3巻までは世界観につながってたといえますが、進撃の巨人第5巻からの嘘予告は完全に「カオス」なものとなっていました。
ハンジ・ゾエは巨人が好きな変人ということで有名ですが、そこに愛情が芽生えるというのは読者誰もが想像しなかったことでしょう。巨人もその愛にこたえるように、ハンジを庇っているのがうかがえます。進撃の巨人の世界観から非常にぶっ飛んだストーリーとなっていますが、くしくもこの嘘予告で当時議論されていたハンジの性別が女であると判明したのでした。
ここからは更にお遊びが増していくので、なるべくお茶などの飲み物を飲まずに記事を読むことをおすすめします。
6巻
アニメで「ババァノックしろよ↑ぉ↴」とアフレコされたことで有名な、ジャンの思春期シーンです。これに関してはアニメのOVAで壮大にいじられており、漫画では言ってませんが、母がジャンのことを「ジャン坊」と呼んでいることで有名になった嘘予告でした。
7巻
第7巻の嘘予告では、「予告」と言うよりも、ただの面白おかしい出来事を描いたページです。アルミンがかわいそうだということが伺えますが、逆にそれ以外なにも汲み取れない嘘予告でした。諌山創先生のギャグが私たちの一歩先を行っているとも言われたシーンです。
8巻
「予想外の”肘’’」と書かれていますが、読者にとってはすべてが「予想外」だったでしょう。サシャ&ライナーという進撃の巨人作品内であまりない組み合わせが、更にありえないようなことを繰り広げているこのシーンは、カオスそのものでした。
9巻
9巻で出てきた、熱狂のアイドル「みかりん」登場という嘘予告です。おそらく多くの読者が理解できなかったであろう嘘予告ですが、実際ツッコミどころが多すぎてギャグが渋滞し、理解するのが非常に難しくなっています。
一言にまとめると、「ミカサのパロディー」です。
10巻
10巻巻末で出てきた、進撃の巨人の画風とは少し変わった画の嘘予告でした。子供向け漫画のような画風で描かれており、予告として内容的にそこまで大きく逸脱していません。しかし、あれほど残酷な物語が展開されている進撃の巨人では、十分笑える要素なのでしょう。
11巻
今までの進撃の巨人の物語が、全てエレンの夢だった、という夢落ち嘘予告です。
という先ほどの嘘予告も含め、更に嘘がヒートアップした嘘予告が次ページに描かれていました。104期生全員が巨人になり、そして知性を持っている姿が見受けられます。ここでは様々な小ネタが詰め込まれており、クリスタの天使ネタ、ミカサの腹筋ネタや、ジャンの馬面ネタなどが混ぜられているのが分かります。
アルミンが巨人化した際、この嘘予告は伏線ではなかったのかと議論されました。
12巻
4巻と同じく、ページ数の都合で掲載されませんでした。
13巻
「まさかのエレンとアルミンの恋愛編に突入!?」と思わせるような嘘予告です。少女漫画風の絵や文章に交じり怖い言葉が混じるこのページ、いつも通りの期待を裏切らない嘘予告でした。
14巻
進撃の巨人14巻の嘘予告は「ミカサが突然ギャル化する」というものでした。清楚でおしとやかというところに魅力があるミカサが、その真反対の人物になってしまっているところにエレンもすかさず「お前誰だ!!」とツッコミを入れています。
15巻
進撃の巨人8巻の嘘予告を「パロディ」にした嘘予告であり、まさかの自分自身で作った嘘予告をパロディにした嘘予告でした。サシャがミカサに平手打ちをしたのに対し、ミカサが殴り返しています。先ほどのライナーとのやりとりでは「予測不能」な行動の連続でしたが、今回のミカサとの行動は多少予測がつくものでした。
16巻
ズボンを腰まで下げている「腰ばき」のレオンが登場した嘘予告のシーンです。レオンは特に物語で重要な役割を担っている人物ではありませんが、まるで強キャラにように登場しているシーンは、嘘予告を読んだ読者に「誰?」と思わせたのでした。
更にはこれが伏線ではないかとまで考察され、未だにこの伏線の回収があると考えてる読者までいます。
17巻
サシャとコニーがラーメン激戦区にラーメン店をオープンする、という進撃の巨人17巻の嘘予告でした。非常に怖い雰囲気のラーメン店ですが、それ以上に次のページのミカサの行動が怖いところです。
18巻
進撃の巨人18巻の嘘予告は、ここから3巻分の嘘予告に続く「さえない男の子(アルミン)の家に、『ともだち(巨人)』がやってきた」というシリーズの3パートうちの1つです。青いキャラクターが出てくるアニメを思わせるような展開ですが、アルミンからすれば恐怖そのものでしょう。
19巻
19巻の嘘予告に続き、アルミンの「ともだち(巨人)」がいじめっ子(ジャン)を食べてしまった、という展開です。優しい心を持ちますが、されど巨人であり平和的思考を持たないアルミンの友達でした。
20巻
アルミンの「ともだち(巨人)」編最後の嘘予告です。殺人を起こしてしまった「ともだち(巨人)」が、アルミンを救うために自分の犠牲にして証拠隠滅させるという感動シーンでした。
しかし感動シーンと言っても「ともだち(巨人)」が勝手に現れて、勝手に殺して、勝手に死んだというだけです。
21巻
進撃の巨人嘘予告の人気シリーズ「スクールカースト」が始まった嘘予告でした。スクールカーストとは、日本の中・高校学校空間にて自然にできる権力の差であり、恋愛、グループ所属、いじめなどにも発展する権力の差をカースト制度で表したものです。
カーストの頂点に立つのはライナー達のグル―プであり、エレン、アルミンなどの登場人物は権力の下の方にいます。ここで何より笑える点は、ヒストリア(クリスタ)が頂点で「お嬢様」をしているところでしょう。
22巻
進撃の巨人22巻、スクールカースト第2段の嘘予告です。人物の権力紹介も終わり、始めてストーリーが掲載されたページでした。原作のパロディを含めながらアルミンを助け、ひとりぼっちだったエレンの学校生活が変わり始めます。
23巻
スクールカースト第3弾は、エレンが助けたアルミン、ミカサと繋がりができ、共に行動をし始めるのでした。この道の先にはリヴァイ清掃員がおり、次号の嘘予告へつながる物語となります。
24巻
前回の嘘予告でリヴァイたちは「白い粉」を取引しており、そのリヴァイたちを疑っていたエレンでしたが、その粉の正体は掃除好きのリヴァイが配っていたクレンザ―でした。
25巻
25巻の嘘予告では場面が一転し、ヒストリア立場で物語は始まります。スクールカーストの頂点に立つヒストリアは、自分の退屈な立場にうんざりしていました。ここで何よりも読者が驚きギャップを感じたのが、本編とスクールカーストでのヒストリアの差でしょう。
あまりの高飛車な性格に、読者も引くほどでした。
そこで楽しそうにしているエレンに嫉妬し、「私あいつにひどいことされた」と嘘をつきました。この一言が、次号のエレン集団いじめの引き金となるのです。
26巻
あの一言でここまで酷いいじめに発展すると予想していなかったヒストリアは、内心非常に慌てていました。しかしエレンに対して素直になることができず、場面は悪化の一図を辿っていくのです。
27巻
嘘だということが学校中に知れ渡り、ライナーグループは陥落の危機を迎えます。
しかしその後、なぜかエレンはヒストリアに謝りました。そこにはゲスミン(アルミンの腹黒い部分)の思惑があり、あえて相手側の嘘を賛成することによって貸しを作る、というものです。これに対してエレンは内心どうでもいいと思っていました。
28巻
28巻の嘘予告では、ミカサの好きそうな「こっくりさん」に似た遊びをしていました。この3人が繰り広げるやり取りには恐怖を覚えますが、その後一緒に参加していたマルコには更なる恐怖が走ります。
29巻
進撃の巨人29巻の嘘予告では、スクールカーストならぬゾンビカーストが繰り広げられていました。しかしこれも夢オチに終わり、せっかく持ったエレンの「野心」が打ち砕かれています。
30巻
目覚めの悪い夢にエレンは落ち込んで学校へ向かいますが、そこで宗教勧誘の子供二人組に出会います。パンフレットをもらう際、エレンは見えないはずの女の子が見えることを知られ、宗教団体に拉致されたのでした。
拉致され目が覚めると、そこは狂った宗教団体が組む円のど真ん中でした。
31巻
エレンが見える女の子が宗教団体の「神」だというややこしいことになり、エレンは困惑します。このページでは本編でも出てくる権力を持ったキャラクターが登場しており、非常にカオスな展開となっていました。
29巻の嘘予告で見たものと現実はかけ離れたものと認識し絶望する中、スクールカーストのライナーグループがエレンを助けに行きます。前にヒストリアにつくった「借り」が生きたシーンでした。
32巻
しかし宗教集団は警察も買収しており、スクールカーストメンバーは危機に陥いります。ヒストリア、ユミル、ライナーなどが狂い始める中、それに対して謎の罪を感じるエレンが「ある行動」に出ます。こうして最新刊までの嘘予告が終わるのでした。
本編の考察よりも嘘予告の伏線などを考察を楽しみにされるほど、このスクールカーストは人気を得られたのでした。
【進撃の巨人】嘘予告から読み解くネタバレ考察
諌山創先生が描くただのお遊びにも見える「嘘予告」ですが、意外な所で本編のネタバレや繋がりがあったりしました。どの様なつながりがあるのか、ネタバレをしながら紹介します!
5巻:ソニーとの絆
嘘予告では、本編でハンジ・ゾエが捕獲した巨人ソニーと仲良くしていましたが、最新刊となる今ではそれも普通に起こりうることとなりました。
当初、巨人は「悪魔」のような存在であり、敵対することはあっても話し合いが通用する相手とは思われていませんでした。しかしエレンの巨人化、アニ、ライナー、ベルトルト、ユミルの巨人化によって巨人は知性を持てることが判明します。
後にハンジは巨人化したエレンと非常に仲良くなっていましたが、そういった巨人との友好関係のネタバレ伏線だった可能性もあります。
11巻:夢オチと巨人兵団
エレンの寝落ちから始まる11巻の嘘予告は、可能性は低いですが、1巻冒頭の「長い夢を見ていたような…」と何か繋がりがあるかもしれません。進撃の巨人ループ説はそういった観点でもネタバレ考察されていますが、可能性がないとは言い切れないでしょう。
しかし注目すべきは、次のページの嘘予告で104期生が巨人になっているシーンです。
このページではジャン、コニー、ミカサ、アルミン、ヒストリアが巨人化していますが、この中でアルミンは実際に巨人化し、ヒストリアも巨人化に非常に深いつながりがありました。これが一種のネタバレの伏線であるなら、104期生同期が今後も巨人化する可能性もあります。こういった観点から11巻の嘘予告にはネタバレの伏線がある可能性が大きいです。
16巻:腰履きのレオン
コニーが「お前は…!?」と言い、まるで主人公並みのかっこいい登場の仕方をした謎の男、レオンですが、いったいこの男の正体は誰なのでしょう。
腰履きのレオンというこのキャラクター、実は嘘予告のみで登場した人物だったのです。まるで新しい登場人物が出てくるかと思わせるような嘘予告を作るために、恐らくは登場させたのでしょう。
二頭身キャラとアルミン
「二頭身キャラ(ともだち)」と呼ばれる巨人とアルミンの物語は、18,19,20巻と3冊の嘘予告でシリーズとして描かれました。
背景や展開は藤子不二雄先生の某漫画と似たようなものですが、登場するキャラクターにだいぶ違いがあります。そういった点も含めて作者は遊んでいたのでしょう。最終的には二頭身キャラの死で終わる「アルミンのともだち」シリーズですが、もしかすると、本編と何か繋がりがあるネタバレ伏線かもしれません。
【進撃の巨人】嘘予告の評判は?
Twitterでの評判
進撃の嘘予告が今まで以上に狂ってるwwwwwwwwwwww pic.twitter.com/llpuDEmHGP
— 麒麟 (@wanwanokirin) August 7, 2015
進撃の巨人最新刊まで続く嘘予告は、本編を楽しみにしている読者からも非常に高い人気があります。その狂い具合や頭のぶっ飛んだ内容から、作品が更新されるたびに話題となっていました。
ちょっとまって、さっき進撃の巨人読んでたんだけど、嘘予告のこのページラルクの曲の歌詞めっちゃあるんだけど!!?!?
— あーる (@larc_ykht) September 19, 2019
「会いたくて会えなくて」(DIVE TO
BLUE)
「移りゆく街並み」(4番街)
「翼広げ」(New World)(BLESS)
やばいなこれ、作者さんドエル??
眠れぬ夜はと瞳を閉じても惜しいし pic.twitter.com/hErG99k8A2
それに加えて諌山創先生がところどころに混ぜる小ネタやパロディにも好評で、特定のコアなファンしかわからないようなネタまで盛り込まれています。こういった「お遊び」が嘘予告をより一層面白くしているのでしょう。
海外の反応
海外でも、進撃の巨人の嘘予告は非常に好評でした。嘘予告を元にWitStudioがOVAを作り、原作ファンでもそうでない方も、非常に楽しくみれる内容となっていました。
国内でも海外でも視聴者を楽しませる嘘予告で一番凄いのは、なんといっても「シンプルで笑える」ことでしょう。幅広い層に受ける「シンプルなお笑い」と、ちょっと変わったインパクトを持つ「諌山ギャグ」という二つの要素が大きく嘘予告を盛り上げています。
【進撃の巨人】嘘予告は作品を盛り上げるスパイス
進撃の巨人17巻嘘予告のコニサシャ pic.twitter.com/HyxHtYTRvN
— 💪ゆうげ💪 (@yuge_ny) August 11, 2015
以上、進撃の巨人最新刊までの嘘予告やスクールカーストの物語を、伏線の考察なども含めてネタバレ紹介しました!シリアスな世界観で繰り広げられる進撃の巨人の物語の中で、こういった小ネタやギャグは物語を盛り上げる重要なスパイスなのかもしれません。
嘘予告のスクールカーストや本編も残り少ないですが、今後どのように展開するのか、最新刊を追いながら待ちましょう!