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【オーバーロード】アルシェの悲劇とは?書籍版とweb版の凄惨さも比較

2021.06.21

オーバーロードのアルシェことアルシェ・イーブ・リイル・フルト。十代半ばの身にして、特に書籍版では悲惨な結末を迎えてしまします。web版との違いも纏めつつ、オーバーロード作中で彼女がアインズに敗れてしまうまでの顛末を詳しく説明して行ければと思います。

  1. 【オーバーロード】アルシェの生い立ち
  2. 【オーバーロード】アルシェの容姿
  3. 【オーバーロード】アルシェの性格
  4. 【オーバーロード】マジックキャスターとしてのアルシェ
  5. 【オーバーロード】フォーサイト
  6. 【オーバーロード】アルシェの仲間
  7. 【オーバーロード】アインズと相対
  8. 『アインズによろしく』
  9. 【オーバーロード】アルシェの嘔吐
  10. 【オーバーロード】書籍版 アルシェの悲劇
  11. 【オーバーロード】web版 アルシェの悲劇
  12. 【オーバーロード】アルシェ 耳?尻尾?
  13. 【オーバーロード】web版 アルシェのその後
  14. 【オーバーロード】フォーサイトのメンバーのその後
  15. 【オーバーロード】書籍版 アルシェの妹達のその後は?
  16. アニメオーバーロード三期放送決定!アルシェは登場するか?
  17. まとめ

アルシェこと【アルシェ・イーブ・リイル・フルト】(WEB版ではアルシェ・イーブ・リリッツ・フルト)は元々はバハルス帝国の貴族であるフルト家の長女として生まれました。しかしある時、過激な政策から鮮血帝との異名をもつ【ジルクニフ・ルーン・ファーロード・エル=ニクス】により貴族の地位を剥奪されていまいます。

地位と財産を失った家族を金銭的に支える為に、魔法の能力に長けていたアルシェはワーカーと呼ばれる職業に就きます。しかし、貴族としての地位を失ってもなお、その体裁を保とうと散財を続ける父にアルシェはとうとう愛想をつかせ、妹達を連れ家を出る決意をします。

――痩せすぎの、まだ少女という言葉が相応しいような女性――

――十代中盤から後半というところか――

――艶やかな髪が肩口あたりでざっくりと切られ、目鼻立ちは非常に整っている――

――美人というよりかは気品があるという雰囲気の美だ――

――人形のような無機質さがそこにはあった――

上記はオーバーロード7巻56~57ページに記載されているアルシェの外見についての描写です。非常に恵まれた外見をしている事が分かると思います。7巻末のキャラクター紹介では立ち絵を見る事が出来ます。ローブと厚手の衣服を着用していおり、一般に魔法使いと言われて連想する格好に近い服装をしています。

生い立ちからも推察出来る通りに、妹思いの優しい性格であり、また自らの所属するフォーサイトのメンバーの事も大切にしている様子が伝わってきます。また、作中であまり良い評判ではないワーカーという職業に十代にして自分を売り込むその度胸にも目を見張るものがあると思います。作中のセリフはどれも端的で飾り気がなく、これもアルシェの性格を表していると言えるでしょう。

少し先の話になりますが、自らの妹二人をアインズに人質に取られたと勘違いした際には、その実力差を理解した上でアインズに攻撃を加える程の怒りを見せています。このエピソードからもアルシェが妹達をとても大切にしているという事が分かるでしょう。

第三位階までの魔法を使用可能な魔術師であり、生まれついての希少能力【タレント】の持ち主です。第三位階魔法は使えれば非常に優秀とされるレベルの魔法であり、タレントは看破の魔眼と呼ばれるもので相手の魔法能力を見抜くだけではなく、魔力系魔法詠唱者が相手であれば使用可能な魔法位階が分かるというものです。

魔法の才もタレントも非常に強力であり、その実力はミスリス級ともされるフォーサイトの一員を担うほどです。しかしアルシェは早熟であり、既に成長限界に達している事が7巻末のキャラクター紹介に記されています。

またweb版の邪神-3には、――モンスターの一撃で骨をへし折られ、腕を噛み千切られ、腸を溢しながらも、それでも今まで戦ってきた――と記されています。このエピソードから分かるとおり、十代の少女とは思えない程の覚悟をもって戦いに挑んでいるという事も分かります。

アルシェが所属するチームであるフォーサイトはワーカーと呼ばれる職業に該当します。ワーカーは冒険者と比較して危険が大きく、その代わりに多くの報酬を受けとる事が出来ます。フォーサイトはワーカーとしては非常にメンバーの仲が良く、実力もワーカー内でトップクラスとなります。

リーダーのヘッケラン・ターマイトを筆頭に、アルシェ、魔法詠唱者であるロバーデイク、エルフと人間のハーフであるイミーナで構成されています。バハルス帝国西部に位置する首都アーウィンタールにある酒場兼宿屋の歌う林檎亭を拠点としています。

ヘッケラン・ターマイト

アルシェ属するフォーサイトのリーダーであり、スピードと手数を武器に戦う二刀流の軽戦士です。7巻末のキャラクター紹介には、危険が無いと判断するとあまり物事を深く考えずに行動する傾向がある、と書かれています。

イミーナ

エルフと人間のハーフであり、アルシェと同じくタレント持ちです。男勝りな性格で、並の男性であれば一瞬で葬れるだけの戦闘能力を有します。過去のトラウマから泳ぐのは嫌いなようです。

ロバーデイク・ゴルトロン

元上級神官であり、自らの報酬の一部を孤児院に納める善人です。7巻末のキャラクター紹介にも、本当の善人と記されています。アルシェと同じく第三位階魔法を使用する事が出来ます。

アルシェ達フォーサイトを含むワーカーの一群は帝国貴族の依頼の元、ナザリック地下大墳墓へと進行します。しかし、いざナザリックへと侵入したワーカ一群はナザリックの兵力の前に惨敗、やがてフォーサイトを残して全滅してしまいます。残るフォーサイトは地下六層の闘技場へと転送され、そこでアインズに詰問を受ける事になります。

フォーサイトのリーダーであるヘッケランが言った言葉であり、アインズを激高させてしまった言葉でもあります。アインズの家であるナザリックに侵入した事について問められたヘッケランですが、アインズの仲間から許可を得たと嘘をいいます。アインズはその仲間というのが、こちらの世界へ転生されているかもしれないユグドラシル時代のギルドメンバーではないかと期待を抱き、ヘッケランのブラフに食いついてしまいます。

「なんと言っていたか聞かせろ」というアインズの言葉にヘッケランは「ナザリック大地下墳墓にいるアインズによろしく頼むといっていましたね」と答えてしまいます。ユグドラシル時代のアインズはモモンガを名乗っており、当時の仲間が彼をアインズと名指しする筈がありません。図らずもアインズが大切にする旧ギルドメンバーを保身の材料としてしまったヘッケランはアインズの激しい怒りを買い、結果殺されてしまいます。

アルシェ達と相対するアインズが自らの魔法の力を解放した時、アルシェがその膨大な魔力を自らのタレント【看破の魔眼】により目の当たりにし、想像を絶する実力差に嘔吐してしまいます。

「──おげぇぇぇぇぇ!」

「──皆、逃げて!」

「そいつは化け──おえぇええ!」

「──勝てるわけが無い! 力の桁が違う! 化け物なんていう言葉で収まる存在なんかじゃない!」

「──無理無理無理!」

書籍オーバーロード7巻315~316ページにかけてのセリフです。力を解放したアインズの実力がこの世界において如何程なのかが非常によく分かると思います。第三位階魔法が使えるアルシェ+フォーサイトの面々でも抵抗出来るものではないのでしょう。理性的なアルシェが急変したシーンなので印象に残っている人も多いかと思います。

アインズの圧倒的な戦闘能力を目の当たりにしたロバーデイクとイミーナの両方は、アルシェに逃亡するように言い渡し、アルシェはそれに従います。アインズはそんな仲間思いのフォーサイトに免じてアルシェだけは楽に死なせてあげる事を約束します。

逃走するアルシェですが、結局シャルティアに捕まってしまいます。シャルティアによって苦痛なき死を与えられたアルシェの遺体の内、皮膚はデミウルゴスに、声はエントマの手に渡った事が分かっています。

アインズを前に勝利を諦め、アルシェが逃亡、シャルティアが追跡するという所までは書籍版と差異はありません。しかしその後アルシェに与えられるのは、シャルティアの愛玩具としての尊厳無き生活、となります。

抵抗する事も逃げる事も出来ず、日々シャルティアの欲望のはけ口とされるアルシェ、命あるだけ書籍版の結末よりはマシな気がしないでもありません。また、web版アルシェにはこの後転機が訪れます。

シャルティアの玩具となってしまったアルシェは犬として扱われる事になります。頭に耳付きのヘアバンドを被り、下半身には尻尾を装着され、通常の衣服を着用する事を許されていません。

シェルティア【シャルティア・ブラッドフォールン】もまたアルシェを遙かに凌ぐ戦闘能力の持ち主であり、抵抗など出来るはずもありません。web版オーバーロード邪神-3ではアルシェがシェルティアに何をされたのかが記載されています。

シャルティアの色欲を発散させる所有物としての生活が続いていたアルシェですが、貴族の振るまいを学ぶ必要が出てきたアインズに元貴族としての知識に利用価値を見いだされ、シャルティアの元から連れ出されます。

その後はアインズに貴族の教養を教えた褒美として、妹達と共にナザリック第六層での安全な暮らしを与えられる事になります。またweb版オーバーロード邪神-3にてアインズから「私のために働けば、それなりの褒美は約束しよう。姉妹揃って解放してやっても構わないと知るが良い」との言葉を貰っています。

ヘッケラン・ターマイト

フォーサイトのパーティーリーダーであるヘッケラン・ターマイトはweb版では即死というその他メンバーに比べればまだましな結末を迎えます。書籍版では蟲毒の大穴と呼ばれる場所に住む餓食狐蟲王と言う寄生虫の巣にさせるという凄惨な結末を迎えます。

イミーナ

web版ではアインズにより120発の魔法を受け、原形を留めない程酷く損傷し、死亡してしまいます。書籍版ではヘッケランと同じように餓食狐蟲王の巣にされるという結末を迎えます。

ロバーデイク・ゴルトロン

ロバーデイク・ゴルトロンはweb版も書籍版も同様に、アインズの人体実験の材料とされてしまいます。web版オーバーロード、邪神-3ではピンクの肉団子と形容されるまでに変貌を遂げており、回復魔法で生かされたまま化け物に囓られるという状態にある事が分かります。

アルシェの双子の妹(クーデリカとウレイリカ)は、オーバーロード7巻の作者雑感から、アルシェ死亡の数ヶ月後には命を落としてしまっている事が判明します。アルシェもその妹達もweb版の結末の方がまだ幸福であると言えるでしょう。

2018年7月からアニメオーバーロード三期の放送が始まります。内容としては書籍版の7巻~9巻に該当するストーリーが放送される事が予想出来ます。アルシェが登場する文庫本7巻の大墳墓の侵入者も放送範囲に含まれますから、恐らくアニメでその姿を見ることが出来るでしょう。

三期ではより魔王らしさの増したアインズの姿を見ることが出来ると思います。残酷な描写も増えると思いますが、それらをどう表現してゆくのか、今から楽しみです。

妹達を思いひたむきに努力を重ねた少女アルシェ、そんな彼女も書籍版ではバラバラに殺され、遺体までをも利用されてしまいます。どこまでもシビアで弱肉強食な世界観もまたオーバーロードの魅力であると思いますが、web版のアルシェくらいは妹達と幸せに暮らして欲しいものです。

web版と書籍版はストーリーに違いが見られ、両方を読んでも楽しめる内容となっています。特にアルシェに関しての物語は大きく異なりますので、両方を読んでみるのも面白いかもしれません。

サムネイル画像は下記より引用しました。
出典: https://twitter.com/humannokuzu/status/981761372223516672